実写映画『秒速5センチメートル』 主演・松村北斗「描かれている90年代はすごく肌なじみのいいもの」【釜山国際映画祭】

2025.9.19 20:05
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実写映画『秒速5センチメートル』第30回釜山国際映画祭野外グリーティングに登壇した松村北斗(SixTONES)と奥山由之監督

新海誠の劇場アニメーションが原作で2025年10月10日(金)公開の実写映画『秒速5センチメートル』。この度、主演を務めた松村北斗(SixTONES)と奥山由之監督が第30回釜山国際映画祭野外グリーティングに登壇した。

『君の名は。』(2016年)、『天気の子』(2019年)、『すずめの戸締まり』(2022年)など、記録的な大ヒット作を生み出してきた新海誠の劇場アニメーション『秒速5センチメートル』(2007年)。映像美、音楽、特徴的なセリフで編まれた詩的な世界観は、センチメンタリズムが凝縮された新海ワールドの原点との呼び声も高く、公開から18年たった今もなお、日本のみならず世界中で愛されている。
主人公を松村北斗が演じ、映像監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ている奥山由之が監督を務める。

1991年、小学生で出会い、互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして少しずつ心を通わせていた貴樹(上田悠斗)と明里(白山乃愛)。

1997年、種子島でのどこか心ここにあらず過ごす貴樹(青木柚)と、貴樹に想いを寄せる花苗(森七菜)の高校生活。

そして2009年、人と深く関わらず、東京で閉じた日々を送る貴樹(松村北斗)と、あの頃の想い出とともに日常を生きる明里(高畑充希)。18年という時を、異なる速さで歩いた二人の、大切な人との巡り合わせを描いた物語。

実写映画『秒速5センチメートル』

この度、本作で主演を務めた松村北斗と奥山由之監督が、第30回釜山国際映画祭に参加。本映画祭は1996年に創設され、アジアを代表する映画の祭典として常に注目を集めている。
中でも、本映画祭の目玉であり、人気・芸術性に富んだ新作や国際的に評価された作品が選出されるオープンシネマ部門に、本作が正式出品。9月22日(月)には、釜山最大の座席数(5,000席規模)を持つメイン会場「映画の殿堂」の野外スクリーンにて公式上映される。

そんな、公式上映を前に、二人がメイン会場「映画の殿堂」を訪れた。
会場内にはいたるところにフォトウォールやロゴをモチーフにしたモニュメントが点在しており、会場のにぎやかな様子に、ときおり「おー!」と声を漏らしながら会場内を散策。そして、韓国における日本映画の歴史をまとめたジャパンパビリオン、『秒速5センチメートル』のサイネージや、カフェなどを訪れ、映画祭の華やかな空気感を堪能。そしてなんと、写真家でもある奥山監督が自ら、松村の写真を撮影。

さらに、9月19日(金)に「映画の殿堂」でおこなわれた野外ステージグリーティングに登壇。奥山監督は「アニョハセヨ。奧山由之です。釜山の街でこの作品が上映されるということで光栄に思っています。今日はみなさんに会えてとても嬉しいです」、松村は「アニョハセヨ。普段住んでいる日本を飛び出して、韓国に来られたことも嬉しいですし、『秒速 5 センチメートル』という作品を通してみなさまとつながれたこともすごく嬉しく思っています。カムサムニダ!」と挨拶。

--奥山監督は、春にはmarie claire映画祭、夏には『アット・ザ・ベンチ』、そして秋には今回の新作を持って釜山国際映画祭に来てくださり、季節ごとに韓国を訪れられています。昨日、インターナショナルプレミアとして釜山国際映画祭で上映されましたが、いかがでしたでしょうか? 

奥山監督:『秒速5センチメートル』は、日本の中でもいろんな地域で、春夏秋冬4つの季節をまたいで撮っているので、桜や雪、島の夕日などの自然の景色と、東京の街の景色が一つの映画の中で一緒になっている作品です。それをこの釜山という、自然と都市の共存している街で上映できることをすごく嬉しく思っています。

実写映画『秒速5センチメートル』第30回釜山国際映画祭野外グリーティングに登壇した奥山由之監督

--2023年に岩井俊二監督の映画『キリエのうた』で、この釜山国際映画祭の舞台に立たれたことがありますが、2年ぶりに釜山を来られた感想と、昨日、映画を上映された感想を教えてください

松村:2回目の釜山訪問ですが、まだ2回目だという気持ちもあります。皆さんの温かい眼差しの中で上映を終えて、幸せな気持ちでした。当時来た時より、よりお客様の質問や反応から伝わってくるものを柔らかく柔軟に得ることができて、今回の釜山国際映画祭を幸せに楽しめています。

--この映画は1990年代初頭から2009年までの、SNSやスマートフォンなどが無かった時代を扱っています。当時は気持ちを伝えるために手紙を書いたりしていますが、役作りをするうえで慣れないということはありましたか?

松村:僕が1995年生まれで田舎の方に住んでいたので、都会から想像されるような最先端のすごくストイックな生活とはかけ離れていました。なので、この『秒速5センチメートル』の中で描かれている90年代はすごく肌なじみのいいもので。台本を読み進めるにつれて思い出すことや、当時記憶すらしてなくて今さら気づくこともあって。今の時代と作品の中の時代との間のギャップに対して、意外と抵抗や難しさは無く、すんなり入っていける作品でした

実写映画『秒速5センチメートル』第30回釜山国際映画祭野外グリーティングに登壇した松村北斗(SixTONES)

--この作品は新海誠監督のアニメーションを原作としています。監督は2007年の公開当時10代だったそうですが、当時からこの作品が好きだったのでしょうか?その頃からこの作品を自分で新しく作ってみたいと思ったのでしょうか?

奥山監督:高校生の時にDVDで原作のアニメを見ました。そのときに、この作品は、遠野貴樹という主人公の内面を深く、もぐりこむように、心のちょっとした機微を描くことで、その先には普遍的な、誰しもが感じてきたような繊細な感情の変遷があることが伝わるような物語になっていて。個人的でありながら普遍的なものが混在するこの作品をすごく新鮮に受け止めることができました。今30代になって改めてアニメーションの『秒速5センチメートル』を見返すと、貴樹の、30歳前後の大人になることの迷いのようなものを僕も実感しているので、今回は自分自身の気持ちも投影しながら作りました

最後に、 松村は本作の見どころについて、「多くのキャラクター3つの時代にわたって過ごしていく話なので、それぞれに人生があり、色々なキャラクターのことを、切なく、愛おしく思えると思います。あれは自分かもしれない、これは親友のことかもしれないとか、そういう想いになりながら見ていただくこともできるだろうし、時にはこのキャラクターのような人生を歩んでみたかった、このキャラクターが見上げている空と同じぐらい美しい空を見てみたかったなど、キャラクターの誰かに憧れたりするかもしれません。皆さんの人生が、もっと胸がドキドキしたり、ときめいたりする人生に変わる体験をプレゼントできる映画だと思っています」と述べた。

実写映画『秒速5センチメートル』第30回釜山国際映画祭野外グリーティングに登壇した松村北斗(SixTONES)と奥山由之監督

《ストーリー》

1991年、春。
東京の小学校で出会った貴樹と明里は、互いの孤独にそっと手を差し伸べるようにして、少しずつ心を通わせていった。
しかし、卒業と同時に、明里は引っ越してしまう。

離れてからも、文通を重ねる二人。
相手の言葉に触れるたび、たしかにつながっていると感じられた。

中学一年の冬。
吹雪の夜、栃木・岩舟で再会を果たした二人は、雪の中に立つ一本の桜の木の下で、最後の約束を交わす。

「2009年3月26日、またここで会おう」

時は流れ、2008年。
東京で働く貴樹は、人と深く関わらず、閉じた日々を送っていた。
30歳を前にして、自分の一部が、遠い時間に取り残されたままだと気づきはじめる。
そんな時にふと胸に浮かぶのは、色褪せない風景と、約束の日の予感。

明里もまた、あの頃の想い出と共に、静かに日常を生きていた。
18年という時を、異なる速さで歩んだ二人が、ひとつの記憶の場所へと向かっていく。
交わらなかった運命の先に、二人を隔てる距離と時間に、今も静かに漂うあの時の言葉。

――いつか、どこかで、あの人に届くことを願うように。
大切な人との巡り合わせを描いた、淡く、静かな、約束の物語。

映画『秒速5センチメートル』 は全国東宝系にて2025年10月10日(金)公開
公式HPはこちらから

©2025「秒速5センチメートル」製作委員会

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