【声優インタビュー】中村悠一、新たな挑戦!全くしゃべらないキャラを演じた“音にならない声”とは? アニメ『TO BE HERO X』<黙殺>編
2025.7.12 16:00
毎週⽇曜あさ9時30分から放送中のスーパーヒーロー活劇アニメ『TO BE HERO X』。多様なヒーローが登場するオムニバス形式の物語が徐々に1つにつながっていく本作は、7月13日(日)よりいよいよ6人目のヒーロー<黙殺>編へと突入。“全く言葉を発さない”という声優泣かせのキャラクター・黙殺に対し、演じ手の中村悠一は“音にならない声”に挑戦したという。
(※ストーリーの重要なネタバレは含みません)
異彩を放つヒーローたちが喝采を浴び、「信頼」がスーパーヒーローを生み出すという独自の世界観で描かれるアニメ『TO BE HERO X』。その世界では、人々から信じられたならどんな特殊な能力も手に入る代わりに、ひとたび信頼を失えばどんなヒーローであっても能力を失ってしまう…。
第15話からメインで登場する<黙殺>もその一人。言葉を発することなく任務を全うするクールなヒーローは、どんな信頼を得て、どんな能力を駆使し、どんな葛藤に直面するのか。そして、そんな黙殺と中村はどう向き合ったのか──?

◆作品の“挑戦魂”が好き!中村悠一「敬意を払いたいし、面白いと思いたい」
──初めて台本を読んだ時や映像をご覧になった時、本作についてどんな感想を持ちましたか?
中村 僕が台本を読んだのはロリ編(黙殺編の手前)からだったのですが、後から完成した第1話を拝見した際に1番驚いたのが(作画が)3DCGだったことですね。「もらっている素材(確認用の映像素材)が違うんじゃないか!?」と(笑)黙殺編では2Dのアニメーションとして録っていたので。常識を覆されたと言いますか、これはもう僕らの思い込みが良くないんでしょうね(笑)
──主に3DCGで描かれていたものが途中から突然2Dで描かれ始めたのは、一視聴者としても驚きました(笑)
中村 そうなんです。エピソードごとに手法も違えばキャラクターのデザインなども違っていたので、「そういう狙いなのか!」と。クイーン編(第11話・12話)とかも全然タッチが違って「3DCGか2Dアニメかどっちだろう?」みたいな絵だったので印象的でしたね。それがこの作品ならではの特徴、“作り”だなと。きっと何か便利なこともあれば不便なこともあるだろうし、“挑戦”ですよね。作品の試みとしてはすごいことをやっているなと思いました。
中村 全部終わってみないと分からないところはあると思います。(放送される)半年間での感想と、数年経って「そういえばああいうアニメあったよね」という感想が、それぞれどういうものになっているかは分からない。ひょっとしたら、何年か経ってみたらこういう作り方をする作品が増えるかもしれないですよね。

──中村さんは、この“挑戦”をどう受け止めましたか?
中村 昔、僕が小さい時に見ていたアニメは、作家さんたちの個性で、絵のタッチが 全然違うということが結構あったんですけど、ある時からファンの方たちの「統一性がないから統一してくれ」という声で、今みたいに極力回数ごとに差が出ないように絵を整えたり、原作があったら原作になるべく寄り沿う形で整えるというのが当たり前になったんです。でも当時の僕は、それを楽しんでいたタイプだったので、そういう意味では(TO BE HERO Xの)話数によって絵が変わるこの形って新しいけど懐かしさもあるんです。
中村 蓋を開けてみたら「やっぱ3DCGの方が良かったな」ってなるかもしれないし、「何々編の絵のアニメの作り方が良かったな」となるかもしれない。自分にとって好みのものを、この作品1つで測ることができるじゃないですか。ベースはアニメ調で3DCGを取り入れて作っているという回もあったので、観る人それぞれの好みがどこかしらに見つけられそうな感じがしますね。
──そんな挑戦的な本作。中村さんが特に好きだなと感じる点は?
中村 やっぱり「これで挑戦してみたい」って思うクリエイターの意気込みというか、僕は結構そういうところを好きになる部分があるので、そういう点ではやっぱりこの絵の施策(3Dか2Dか)はすごく好きですね。これが良いか悪いかすぐには分からないし、今出た評価も何年後かに変わるかもしれない──読めないことではあるんですけど、たぶん作っている側もそうなんですよね。
中村 それでも「絶対これを受け入れてもらえる」と100%言い切れない中で試行錯誤して挑戦してみている。できれば安牌(あんぱい)を取りたいところをあえて挑戦しているということに、やっぱり僕は敬意を払いたいですし、「面白いと思いたい」と思うんです。
