“第3次団地ブーム”到来?UR都市機構70周年・新事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」に込めたおもいとは…
2025.7.11 16:00
独立行政法人都市再生機構(※以下『UR都市機構』)は、1955年の設立から70年の節目に、URが目指す団地の未来像と新CMを発表する記者会見を7月1日(火)に開催。
発表会では、UR賃貸住宅の今後の方向性を示す新事業メッセージと、吉岡里帆、千葉雄大出演の新TVCMが公開された。また、UR賃貸住宅の新事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」についても意見が交わされた。
〈新事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」について〉
「くらしつながる。」には、お住まいの方同士、地域との「横のつながり」、ライフステージの変化に寄り添い、そして親子・孫といった世代を超えた「縦のつながり」へのおもい。また「ゆるやかに、」には、「豊かな空間の中で、たとえ一人でも独りじゃない、適度な距離感で心地よく、自分のペースで自分らしく暮らせる居場所でありたい」というおもいが込められている。UR賃貸住宅は、そうした“くらしのつながり”を育む住環境を提供し続けることを目指している。
会見に先立って行われたトークセッションでは、クリエイティブディレクター・佐藤可士和氏、日本社会事業大学教授・井上由起子氏、リクルートSUUMO編集長・池本洋一氏、UR都市機構 理事長・石田優氏が登壇。団地の未来像について活発な議論が交わされた。

池本氏はSUUMO編集長の立場から「現在の住宅マーケットでは賃貸住宅の賃料が高騰しているが、賃貸の問い合わせは増加している」と指摘。理由としては「それ(賃貸)以上に物件価格の方が高いので、今は賃貸住まいがいいと考える方が多い」と明かした。特に《第3次団地ブーム》について言及し、「若い世代からは団地が“緑が多く、敷地が広い、コスパの良い賢い選択肢”と見られている」と分析した。
一方、井上教授はUR賃貸住宅の新事業メッセージ「ゆるやかに、くらしつながる。」というコンセプトについて「人と人が繋がるということより、まず暮らしが繋がるということが重要。高齢者や子育て世帯が抱える暮らしの難しさをサポートしあえる関係性が求められていると思うので、私はすごく良いメッセージだなと思います」と評価した。
佐藤氏は「“ゆるやか”という言葉がキーワード。隈研吾さんと初めて団地を見に行った時に“ゆるくていいよね”と共感したんです」と新メッセージ策定の背景を語った。
石田理事長は「このメッセージは我々にとっての第一歩だと思っています。言葉にできていなかったことを言葉にして発信することで、理解を深めていってもらいたい」と語った。

池本編集長は最後に「“ゆるやかにつながる”というのは簡単ではないが、様々なチャレンジを各団地が実施し、それを社会に発信していくことで新しい価値が生まれると思います」と期待を寄せた。