「ボールがともだち」酷暑で外遊びが減るなか日本サッカー協会&キリンが新たな屋内運動プログラム開発!全国約1,000園への導入目指す
2025.7.9 17:00
未来を担う子どもたちにフォーカスを当て、健やかな毎日をサポートする『キリンキッズケア』プロジェクトを推進するキリンホールディングス株式会社は7月2日(水)、室内で楽しく身体を動かしながら運動不足を解消できる<新運動プログラム>を披露するメディア向け取材会を実施。実際にプログラムを体験した貞静(ていせい)幼稚園(東京・文京区)の園児たちからは「家でもやりたい」「全部楽しかった」と笑顔があふれた。
6月16日より始動した『キリンキッズケア』プロジェクトは、キリンが持つヘルスサイエンスの知見を活かし、「子どもの健康」と子どもたちにとってよりよい社会の実現を目指すもの。子どもの健康課題が顕在化しやすい幼少期(2-3歳児〜小学校低学年)を対象とした取り組みから開始し、順次広げていく予定だという。
環境省と気象庁の統計では近年、夏季の平均気温上昇と猛暑日が増加傾向にあり、体調調節機能が未発達な子どもたちは、酷暑によって日中の屋外活動が制限され、屋内で過ごす時間が増えているという。キリンの調査でも、保護者の72.6%が「夏は外遊び時間を短縮・屋内遊びに変更する季節」と答え、93.4%が「暑さを理由に外遊びを制限した経験がある」と回答。さらに77.6%が体力低下、77.2%が運動不足を不安視していることが分かっている。
こうした背景を踏まえ開発されたのが、公益財団法人日本サッカー協会(JFA)と共同で行う『屋内運動プログラム』。屋内でも子どもたちが自発的に楽しく全身を動かし、安全に配慮しながら運動不足の解消やコミュニケーションの促進といった健康維持を図りながら免疫ケアをサポート。ボールを軸に「ボールがともだち」という感覚を育みながら多様な動き作りと仲間との協調を促し、昨年開始した「免疫ケアサポートアクション」と連携し、全国の幼稚園・保育園約1,000園への導入を目指すという。

7月2日(水)実施のメディア向け取材会ではまず、JFA 技術委員会普及ダイレクターの中山雅雄氏がプログラム設計のポイントを紹介。「比較的狭いエリアでも子どもたちが十分に体を動かし、ボールをあやつりながらも鬼ごっこ感覚で仲間と一緒になって走ったり相手の動きに合わせてみたりといった“動き作り”を意識した」と、その工夫を説明。
続けて「この場だけでこのプログラムが終わらず、子どもたちが色んな発想やインスピレーションを受けて、家に帰ってから家族と遊んでみたり、幼稚園のお友だちと自分たちだけで新たな“動き作り”をしてみたり、いろいろな形で発展していってもらえるような活動になっていったら素晴らしいなと思います」と、本プログラムへの将来像を語った。

「今日ここはお部屋ではなく、森のなかです。早速みんなで森のなかを冒険したいと思います」という貞静幼稚園の先生からの声かけでデモンストレーションがスタート。年長園児23名が参加し、先生の合図に合わせた全身運動やボールを用いたアクティビティを約30分にわたり披露。子どもたちの笑顔と汗が弾む様子に、会場は温かな空気に包まれた。


水分補給後、デモンストレーションを体験した園児たちからは「(プログラムは)全部楽しかった」「家でもやりたい」「本当に全部楽しかった」との声があがり、友だちと一緒に思い切り身体を動かし、楽しい時間を過ごした様子が伺えた。講師を担当した中林楓花先生も「普段の遊びは園庭で氷鬼、室内ではおままごとなどの“ごっこ遊び”が中心ですが、このプログラムを取り入れることで“ルールを考えながら身体を動かす”運動遊びができました。身体だけでなく頭も働かせる点が、普段の遊びとの大きな違いでとても良いと感じました」と喜んでいた。

貞静幼稚園 冨田敦園長からも次のようなコメントが。
「連日35℃前後の暑さが続くなか、屋外での活動はどうしても制限せざるを得ません。それでも子どもたちには、たくさん遊び、しっかり体を動かしてほしいという願いがあります。外がこれほど暑い今、室内で行える運動プログラムがあることは、本当に子どもたちの助けになると感じています。今回、キリンさんがこうした取り組みを考えてくださったので、私たちも導入し、子どもたちの運動や身体づくりに少しでも役立てたいと考えております。現状、外遊びは登園後のわずか30〜40分程度に限られています。本来ならもっと動きたい子どもたちにとっては十分とは言えず、ストレスや“もっと遊びたい”という気持ちが溜(た)まりがちです。このプログラムで運動不足が少しでも解消され、子どもたちが笑顔で過ごせればうれしく思います」
