映画『あぶない刑事』公開を振り返り、舘ひろし「社長、今日公開しました」故・石原裕次郎を訪ねていたことを明かす
2025.6.23 14:45
丸の内 TOEI閉館に伴い開催中の「さよなら 丸の内TOEI」。6月21日(土)に『あぶない刑事』(1987)の上映あいさつが行われ、舘ひろしと柴田恭兵が登壇した。
「ラストショータイムin丸の内TOEI!」MCからの開会宣言とともに舞台あいさつが開始されると、これまでの「あぶない刑事」シリーズの舞台あいさつイベントをまとめたオープニング映像がサプライズで劇場に流れ、1996年に「丸の内TOEI」に初めて登壇した模様やこれまでのイベントが紹介された。会場のボルテージがマックスになったところで、劇中のスーツ衣裳で颯爽と登場した二人は、2分近くも鳴りやまない拍手に包まれつつ、「50 年前、東映の『暴力教室』で俳優としてデビューしました。この丸の内TOEIも自分の中でたくさん思い出のある映画館です」と舘ひろしが切り出し、「あぶない刑事と柴田恭兵に出会ったことで、自分の俳優人生が豊かになった」と感慨深くあいさつをした。

一方、柴田は第一声で「こんなに狭かったかなぁ」とおどけながら、久々の丸の内TOEIでの登壇を懐かしみつつ、超高倍率となった本舞台あいさつにちなんで、「『あぶない刑事』も“運”だけでやってきた映画です。会いに来てくれてありがとう。皆さんに会いたかった!」と話すと、会場は大きな拍手と笑顔に包まれた。

まずは、思い出に残っている『あぶない刑事』の舞台あいさつについての話題に。舘は「一作目の公開の時は、映画が斜陽になりかけていた時期だったが、階段の下までお客さんがいっぱいになっていた」と、当時のすさまじい人気ぶりを振り返った。柴田は、一作目の公開初日舞台あいさつが終わった後、当時東映の社長だった岡田茂に「柴田君、この映画はよくわからんのぉ、こんなのヒットするのかね」と言われたことにカチンときて、「社長にとって分かり易い映画はヒットしません。社長に“分からないから”絶対ヒットします!」と啖呵をきったエピソードを披露し会場を沸かせた。
続いて、映画化を初めて聞いたときの印象を聞かれると、舘は、テレビシリーズで終わりだと思っていたこともあり、「めんどくさいなぁ」という最初の印象を語り、当時は石原裕次郎が亡くなった年でもあり、公開初日にはチケットとパンフレットを持って自宅を訪ね、「社長、今日公開しました」と大ヒットの報告をしに行ったことを明かした。柴田は、テレビのギャグが映画でも伝わるかがとても心配で、自ら舞台あいさつ後に映画館にお客さんの反応を見に行ったことがあると語った。その際に、お客さんがすごくウケていたことがうれしくて、次の映画では『もっとやって良いんだ』と自信をもてたエピソードを語った。
