カンヌで6分間のスタンディングオベーション!吉沢亮「この作品は自分の集大成であり、代表作になってほしい」映画『国宝』ジャパンプレミア
2025.6.2 15:00続いて京都での撮影について語るパートに。吉沢は「僕と横浜くんの踊りから入りました。一つの役の準備にここまで長い期間を設けるというのは初めての経験だったので、僕自身どんな体験をするのか未知数でした。不安を抱えながらも、この作品は自分の集大成であり、僕の代表作になって欲しいという思いも乗せた撮影だったので、ものすごい覚悟を持っていましたし、その分苦しみもしました」と覚悟について熱く語った。
渡辺は「この2人もすごいですが、舞台のときは必ず200人くらいエキストラの方に参加していただいて、自分たちが映らないシーンでもずっと座って拍手したり応援の声をかけてくれたり、一日中お付き合いいただいて胸が熱くなりました。あと、京都はスタジオが土なのですが、最後に踊る劇場はセットです。種田陽平、会心のセットなんです!なぜかというと、土を掘ってそこにエレベーターをつけてセリを出したんです。これは京都ならではです。セットを見ただけで感心しました。世界の種田陽平です!」と会場に駆けつけていた、美術監督を務めた種田陽平を紹介し、会場から大きな拍手が贈られた。

横浜は「もう本当にただただ作品と向き合って俊介として生きていた日々だったので、撮影で出し切って帰って反省の繰り返しでした」と振り返った。
高畑は「私もエキストラの皆さんと一緒に客席で見させていただくタイミングが多かったので、本当ただのファンみたいに観ていたのですが、やはり歌舞伎や舞台は引きの世界で、空気で受け取るものが多いと思うんですけど、映画になると圧倒的にすごい寄りの強さがあって感動しました。撮影中に見せてもらったカメラモニターの吉沢くんの寄りのカットがあまりに美しくて、引きでも寄りでも見れてラッキーだったなと思いました」と褒めると、吉沢は「ありがとうございます。頑張りました(笑)」と照れる場面も。
寺島は「私は歌舞伎の世界の生まれなので、『国宝』では大垣幸子として存在しつつも、自分が今まで生きてきた環境などのエッセンスなど、どこか私が存在することでこの映画にリアリティが出ればいいな、そういう役割で李監督は私を呼んでくださったのかなと思っておりました。喜久雄と俊介の少年期を演じた子役の2人も含めて、パフォーマンスをする方たちの撮影の分量がすごいですよ。だからこそ素晴らしいんですけれど、私たちは観客として応援するしかなく、本当に途中でタオル投げたくなっちゃうくらい本当に頑張っていたので、先に観てくださった方たちの評判が良いと、とてもうれしくなっちゃって、ウキウキしています。6月6日の初日、本当に大成功間違いないと私は確信しております」と自信を見せた。

演目のシーンについて、吉沢と横浜が「たしかに多かったね(笑)。体力的に精神的にもなかなかハードな日々ではありましたけどどうにか頑張りました」(吉沢)「でも、こんなに妥協せず、ワンカットワンカットに魂を込めてくださる方もなかなかいないので、幸せな環境でした」(横浜)と振り返ると、李監督は「そうやって言ってもらえると、やった甲斐があったなと報われますね」と微笑んだ。

森は「私は京都での撮影はそんなに多くなかったのですが、2人の演目の時にセットを見に行きました。今日はそれ以来の京都なのですが、あのセットを見てからだと京都の街並みにすごくもっと興味が湧いてきて、こんな素晴らしい街で撮られた映画がこれから公開されると思うと…」とよろこびを語った。
見上は「私は屋内も屋外も全て京都で撮っていたのですが、今回場所の持つパワーみたいなものをすごく感じた現場で、今まで屋内撮影は東京のセットでもそんなに変わらないだろうと思ってるところもありましたが、実際に京都でお茶屋さんのシーンなどを撮影していく中で、床や壁、そういうところににじみ出る色々な人の匂いや歴史みたいなものが、街にも建物にもすごく漂っているなと思って、それがすごくこれまで撮影してきた場所とは違うなと感じました」と振り返った。

田中は「とにかく桁外れの門外漢があって、やってはいけないことかもしれないとドキドキするような仕事で、まだ未だに僕の中では終わった気がしてないというか。いわゆる伝統と呼ばれている芸能には、この80歳になるまで触れてきてないんです。僕はそういうものは全部生活の中にあるだろうというふうに自分に言い聞かせてきて、そして前へ行こうという風にして生きてきた人間なので、どのくらいショックが大きかったかご想像できるかと思いますけれども。ぜひ映画の中で僕の内面を想像してご覧になっていただけたらと思います。2人(吉沢・横浜)の努力はもう壮絶です。本当にこれは、きっと伝統のためにもなると思います。2人の体を伝統が侵食した、これは大事件だと僕は思っています」と、芸術家らしい独特の表現で感想を述べた。
渡辺は「今日が本当に初めて一般の方にお目にかける日です。先ほど見上君も仰ってくださったんですけど、僕も襲名披露の『鶴亀』という踊りをすごく素敵な神社で吉沢と一緒に奉納の舞を踊ったんですけど、やっぱり何か神を感じるんだよね。何か歴史を感じる。そういう場所でこの映画を届けられるっていうのは、この先にふさわしい幕開けだなと思いますね」と述べた。
公開まであと1週間と迫る現在の心境について、吉沢は「我々のこの作品に込めた思いというのは皆様に伝わっていると思いますが、ここまで関係者の試写やカンヌ国際映画祭でたくさんの方に、この作品を絶賛していただいています。皆様の中でもこの作品のハードルや期待値が高まっているとも思いますが、確実にその期待は超えていく作品になっていると思います。極上のエンタテインメント作品を皆様にお届けできると確信しております。ぜひ最後まで楽しんでご覧ください」と力強く語った。

<イベント概要>
映画『国宝』ジャパンプレミア
5月30日(金) 世界遺産 真言宗総本山 東寺
映画『国宝』
6月6日(金)全国東宝系にて公開