『葬送のフリーレン』シュタルク役・小林千晃 アフレコ現場でも“フェルン”から塩対応? 「タメ口で話そうとしたら…」

2023.10.10 07:30

10月6日(金)に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』の「死者の幻影」(ネット配信「第5話」)で、戦士でありながら臆病な性格の持ち主「シュタルク」がついに登場。フリーレンたちの前でその弱々しい本性が露見した際にはフェルンからかなりの白い目で見られてしまったが、アニメを見ていたファンからは「ひたすらにかわいい」「かわいすぎて変な声出た」など、情けない姿のシュタルクも愛おしむ声が相次いだ。

今回はそんなシュタルクを演じている小林千晃への「単独インタビュー 後編」。フリーレン役・種﨑敦美やフェルン役・市ノ瀬加那とのアフレコ裏話に加え、シュタルクの師匠「アイゼン」を演じている上田燿司への思いが明かされた。

――ムードメーカーだけど臆病な戦士「シュタルク」をどう演じていますか?

小林 「格好よくならないようにしたいな」っていうのはありますね。普通にしゃべっていても、それが格好よく聞こえちゃうと、やっぱりシュタルクとは別の要素になってしまうので、ちょっとほんのり「やる時にはやる、その時に格好よさが滲(にじ)んだらいいな」みたいな感じでやっています。基本的には年相応の思春期の、女の子の気持ちがわからない鈍感な少年くらいになったらいいなと。でも僕がアフレコに参加した頃には、種﨑さん(フリーレン役)と市ノ瀬さん(フェルン役)の間で空気感みたいなのができあがっていたので、そちらに溶け込むことを意識したかもしれないですね。

臆病だけどムードメーカー 戦士「シュタルク」

――どうやって溶け込んだんですか?

小林 例えば実際に相手とある程度の距離があった場合、少し大きな声を出してしゃべると思うんですが、それをアニメの中で、フリーレンとフェルンとしゃべっている時にやってしまうと、なんとなくシュタルクだけ圧が強く聞こえちゃうんじゃないかと思うんです。なので、そういう物理的距離感はあまり意識しないようにしました。実際の距離よりも、種﨑さんと市ノ瀬さんに合わせるというか、「こういうニュアンスでやったら怖がられちゃいそう」とか、いろんなことを加味してアフレコをしていました。“心の距離”というか、隣で種﨑さんや市ノ瀬さんがしゃべってくれていて、そこに合わせるってことを意識しました。

フリーレン・フェルン・シュタルクの「新パーティー」

――種﨑さんや市ノ瀬さんと一緒にアフレコをすることは多いんですか?

小林 この作品に関していえば全編、新パーティーで一緒に録れていますね。誰一人欠けることなく。やっぱり作品の中でも3人が常に一緒に行動しているのもあって、僕たちも3人で掛け合わせていただけないと空気感とかがつかみにくいところもあったので、それはすごく助かりましたね。

――アフレコ現場でも「パーティー感」があるんでしょうか?

小林 実は僕が最初に第5話で合流した時は、もうだいぶ空気感とかができあがってるのかなと思いきや、二人とも一言も話さなかったんですよ(笑)。一瞬だけ「お互いにまだ心許してないのかな?」と思ったんですけど、どうやらそういうわけでもなく、お二人の間ではそれが自然なスタイルだったようです。でもこの作品と一緒という訳ではないですが、シュタルクがムードメーカーなら、僕もある程度、この現場では率先してしゃべった方がいいかなって思ったのもあって、わりと僕が参加してからは3人でおしゃべりできるような空間にしたいなって勝手に思いましたね(笑)。

――ムードメーカーとしての手応えは?

小林 市ノ瀬さんとはほぼ同年代なので砕けたおしゃべりもしてますね。ただその中で市ノ瀬さんと「タメ口で話そう」みたいな感じの話になった時がありまして、僕はタメ口で話してて、その最初の頃は市ノ瀬さんもタメ口で話してくれてたんですけど、翌週行ったらもう敬語に戻ってて(笑)。なんかやっぱそういうところに市ノ瀬さんの静かな部分というか、そういうところが「フェルン」にぴったりなんだろうなとも思いますね。

――種﨑さんにも「フリーレン」と似ている部分があったり?

小林 種﨑さんは先輩っていうのもありますし、やはり“座長”なんですよね。座長の中でも「こうやった方がいいよ」とか実際に声に出して、それこそ休憩時間に現場を盛り上げるっていう方もいるんですが、種﨑さんはどっちかというと背中で見せてくれるタイプなんです。とにかく率先して、フリーレンなので一番セリフ量も多いけど、もちろん淀(よど)みなく、一言も噛(か)まずにやられるのを見て、僕らも頑張らなきゃって自然に思わせてくれるような振る舞いをしてくれますね。だからそういう他愛ない会話がなくても、現場の締まり具合で言えば最初からすごくしっかりしていた現場だなと思います。そういうところはやっぱりフェルンにとってのフリーレンのような、“師匠”という感じがありますね。

シュタルクの師匠・アイゼン(右)とハイター(左)

――師匠といえば、シュタルクの師匠「アイゼン」役を上田燿司さんが演じていますね。

小林 まだ燿司さんと掛け合えてないんですよ。でもやっぱり「上田燿司さん」という役者さん自体を僕はすごく尊敬しているので、そういった部分からも師弟関係になれてすごくうれしかったなというのは、もともと(役が)決まった時から思っていましたね。実際にアフレコでは、先に燿司さんが録っていて、その音声を聞きながらやらせていただくことが多いんですが、やっぱり燿司さんのどっしり構えてるというか、底が見えない、奥行きのあるお芝居がすごくて。シュタルクでいえば戦士として、僕でいえば役者として燿司さんに少しでも近づきたいなっていう思いが、なんかリンクしているなと思いましたね。

『葬送のフリーレン』
勇者とそのパーティーによって魔王が倒された“その後”の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打ち倒した千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく壮大なストーリーが描かれている。

【小林千晃(こばやし ちあき)Profile】
2019年放送の『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』でアニメ初主演し、2021年に第15回「声優アワード」で新人男優賞を受賞。2023年には「地獄楽」「スプリガン」「マッシュル-MASHLE-」など、多数の人気作で立て続けに主役を担当。自身がパーソナリティを務めているソロラジオ番組「小林千晃のBlue Monologue」(文化放送 超!A&G+)は先日第100回の放送をむかえた。

TVアニメ『葬送のフリーレン』10月6日より日本テレビ系 毎週金曜よる11時
「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送 (全国30局ネット)

画像:©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
写真:©entax

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