食パンくわえてイケメンと衝突!少女漫画の王道展開、でもその元ネタは? 衝撃の事実にスタジオ騒然

10月7日に放送を開始した『X秒後の新世界』は、日常の中に潜む見逃しがちな謎や不思議な現象を新しい視点で解明・検証し、X秒後に視聴者を新世界へと誘う新感覚バラエティ番組。初回放送となる今回は2時間SPで様々な謎の解明にあたった。『172秒後、少女漫画を読み返したくなる』と題したパートでは、少女漫画の王道展開について分析。驚きの事実が明らかになった。
“少女漫画を読み返したくなる”というテーマに、出演者たちははじめ首をかしげる。そんな中で投げかけられた質問が「食パンをくわえて走る少女にこの後何が起こる?」というもの。ヒコロヒーが「これはもう、一個しかない。曲がり角で男の子とぶつかって、“なんなのアイツ!”って教室行ったら、その子が転校してくる」と回答すると、霜降り明星・せいやも「そうそう!まさしく」とうなずく。まさにベタ中のベタ。少女漫画の冒頭シーンと言えばこれ、といった展開である。しかし続いて告げられた情報が、出演者たちをどよめかせた。このシーンの完全な元ネタとなる少女漫画は存在しないのだという。
いったいどういうことなのか。サブカルやエンタメに詳しいライター、田幸(たこう)和歌子氏に話を聞くと、「“遅刻する食パン少女”の元ネタとして定説になったのは、1990年代前半に大ヒットした、『サルでも描けるまんが教室』、通称“サルまん”」と話す。『サルまん』とは、ヒットする漫画の定番やお約束をユーモアたっぷりに分析・解説した書籍。その中で劇画調のキャラクター達が“ウケる少女まんがの描き方”として紹介していたものこそ、「ちこくちこく」と叫びながらトーストをくわえて家をとび出すヒロインが、道行くイケメンと衝突するあの展開だった。
しかしこの書籍は、あくまで少女漫画の定番パターンを紹介したもの。その“さらに元ネタとなった漫画があるはず”と、田幸氏も当然そう考え、古今東西あらゆる少女漫画を調査したという。しかし「“遅刻する”、“食パンをくわえている”、“誰かとぶつかる”という3つがそろった作品は実はない」という結論に至ったそう。実際にスタッフ総出で調査してみたものの、結果は同じ。誰もが思い浮かべるあの展開と完全一致する作品は発見できなかった。
『サルまん』の作者、竹熊健太郎氏にもこの結果を伝えると、「無意識に定番として描いたんだろうね。なんの違和感もなく、あるあるネタと思い込んで最初に描いた。多分いくつかの事例が混合してる」とコメント。1人の勘違いから生まれた描写が、実際に存在するかのように人々の中で広まっていたことが判明した。
少女漫画の住民とはおそらく真反対に住む、コメディ調の劇画キャラクターの解説が発祥ということで、あのちゃんは「もっとキュンキュンするものとして3個そろってたのに、“サルまん”が元ってのはちょっと…」と、ショックを受けた様子。せいやも「もっと(元ネタは)キラキラしてるもんやと思ってたのに、(絵が)エグイやつが解説してた」と同調し、知らなければ幸せでいられた真実がまた一つ明らかになるのだった。
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