「まるでスーパーサイヤ人のバーゲンセール!」日本トップクラスのパルクールアスリートたちが集結【livedoor URBAN SPORTS PARK】
「跡地を、みんなで遊べる聖地へ」を合言葉に、“東京五輪2020”の一部会場を活かした複合型スポーツレジャー施設として10月12日(土)にオープンした『livedoor URBAN SPORTS PARK』。14日(月・祝)までの3日間で、ジュニア世代・キッズ世代が主役となるアーバンスポーツ6競技の大会や体験会のほか、施設で初めて行われる本格的な大会『3×3 JAPAN TOUR 2024 EXTREME』が開催。今回、entaxではパルクールに着目。人気漫画に例えられるほどの実力者たちが集まる中、“日本選手権5連覇”を達成した瞬間などを取材した。
東京・ゆりかもめ『有明テニスの森』駅から徒歩3分。約3.1haの敷地内にロープアスレチックやフードモール、ドッグランカフェなどが整備された本施設。3×3バスケやスケートボード、ボルダリングなど各種アーバンスポーツの競技場がそろっており、中には“東京五輪2020”の舞台となった競技場をそのまま活用したものも──。


オープン初日は、日本のトップ・パルクール・アスリートたちが出場する『第5回パルクール日本選手権』の女子決勝および男子予選と、パルクールの未来を担う16歳以下の選手たちが出場する『パルクール ネクストジェン(ジュニア&キッズ強化候補選手選考会)』の決勝が同時開催。
11月15日(金)~17日(日)に行われる『第2回FIGパルクール世界選手権・北九州』、『第1回FIGパルクールジュニア世界選手権・北九州』の日本代表選手を決める重要な大会だ。


パルクールは様々な障害物を、跳ぶ・飛ぶ・回る・越える・走る・掴(つか)む・振る・登る・降りる・捻るなどの動作を行いながら乗り越えていき、その中でスピードや安全性、機敏性、流れ、そしてダイナミックさを競うアーバンスポーツ。
施設中央部に作られた高低差のある特設ステージは、“客席”と技を披露する選手たちとの距離がわずか1メートル〜数メートル。迫力あるパフォーマンスが披露されるたび、集まった観客からは大きな歓声と拍手が巻き起こった。

午前中からお昼にかけて行われた『ネクストジェン』決勝には、11歳以下の“キッズ”と、12〜16歳の“ジュニア”選手たちが出場。そのあまりのレベルの高さに、大会の司会者からは「まるでスーパーサイヤ人のバーゲンセール」との発言も!これは、鳥山明氏の人気漫画『ドラゴンボール』で、ベジータが息子世代の実力に驚いた際のセリフをオマージュしたものだろう。

結果、“キッズ フリースタイル女子”では田村桃花さんが優勝。「今まで練習してきて本当に良かった」「多い時で4時間練習した」とこれまでの頑張りを振り返った。一方、3位となった細貝柚月さんは、自身の演技を16点と評価。今後の目標を聞かれると「世界3位を目指したいです」とコメントし、場を和ませた。2位の今福七種(いまふく なたね)さんも、「2位はうれしいけど悔しい」「個人的には100点だったけど、審査員側から見た時にもう少し良い得点が取れるように頑張りたい」と今後の課題を掲げていた。

“キッズ フリースタイル男子”では、篠原光陽(ひなた)さんが優勝。表彰式では「去年もネクストジェン出たんですけど、3位でくやしい気持ちで…今年は1位とれたので良かったです」「今日は100点です」と笑顔。2位の伊藤禄之助(ろくのすけ)さんも「予選がボロボロだったけど2位とれて良かったです」「(将来は)みんなと楽しくパルクールできるような選手になりたい」と、喜びを実感していたようだった。
そんな中、家族への感謝を述べたのが、3位の有松咲人(ありまつ さくと)さん。「お父さんとお母さんがパルクールを練習するところにいつも送り迎えしてくれて、そこの感謝の気持ちがすんごい強い」と語り出すと、続けて「昨日、修学旅行の帰りだったんですけど、それなのに僕を日本選手権に連れて行くために、お母さんは夜遅いのに学校まで来てくれて…」と感謝の言葉を重ねた。この日、会場にはお父さんが駆けつけており、我が子の思いに涙を拭っているように見えた。

“ジュニア フリースタイル女子”では、岸上はづき選手が優勝。外でやるのは初めてだという大技を決めることができ、「いつも練習してるから、自分を信じてやったからいけたんかなと」と演技を振り返った。3位の下間由花選手も「バーのところのバク宙が一番上手く決まった」と自身を評価しつつ、「自分の好きなフローができる選手になりたい」と目標を掲げた。
一方、2位の軸屋まい選手は「うれしいけど、めっちゃ悔しいです」と、一部の技の繋(つな)ぎで失敗してしまったとコメント。続けて「世界大会では自分のやりたい最高の技を決めます!」と力強く決意していた。

そして、“ジュニア フリースタイル 男子”の優勝は、「いま自分ができる中で一番難易度の高い技を3個出した」と話す安達仁知(にちる)選手。今回のような公式大会で優勝するのは初めてのことだそう。国内でダントツのスキルを誇る“モンスターパルクールアスリート”大貫海斗選手に憧れているそうで、将来の目標にあげた。
また、「最後の1個が尻餅ついちゃって…」「技のクオリティを上げたい」と悔しさを滲(にじ)ませた3位の成田結乃助(ゆいのすけ)選手は、国内では珍しい難度の高いトリックを得意とする“Hard Trick Style”のパルクールアスリート・関雅仁選手の名前を”今後の目標”としてコメント。2位の永井康太郎選手も「今後はこういった大会でも、自分のやりたいことをやれて、それを結果に結びつけられるように!より“ヤバいこと”ができるような選手になりたい」と将来を見据えた。

午後には、今年6月に行われた予選大会を勝ち抜いた実力者たちが出場する『第5回パルクール日本選手権』女子決勝が開催(男子予選は時間の関係で翌日持ち越し)。全5名の選手たちが、一人ずつ20秒〜45秒の間で迫力の技を披露していった。
結果、5番目に演技をした18歳の永井音寧(ねね)選手が優勝。競技後、得点発表を待つ間には客席からカメラ目線を求められ、ポーズをとりつつ照れてしまうような場面もあったが、表彰式では「この優勝で、日本選手権5連覇。それを目標に頑張ってきたけど、自分は来月の世界選手権にフォーカスしているので、今そのスタート地点に立ったのかなとすごくワクワクしている」と堂々の姿を披露した。


3位の15歳、亀井彩桜(さいら)選手は「ここに立てていることがとてもうれしい」「(今日の演技は)100点中の100点!」と天真爛漫(てんしんらんまん)な笑顔。「次の日本選手権では1位をとります!」と早くも挑戦状をたたきつけていた。

一方、今回表彰台に上がった3人の中で“ベテラン”とも言えるのが2位の泉ひかり選手。決勝では練習してまだ3日目という新技を披露し、見事成功。大舞台にも関わらず挑戦した理由については「こうした大会に出ながらどんどん新しいことや自分のできないことに挑戦したくて…」とさすがのコメント。

高校時代にパルクールを始めた泉選手は、北欧やアジアでの世界大会に積極的に出場し、2019年にはFIG パルクール ワールドカップシリーズにてスピード部門で1位、フリースタイル部門で2位。国内大会では2021年に日本選手権でスピードラン優勝など、これまでにも輝かしい成績をおさめている。
そんな泉選手は今後の目標を聞かれると「自分はもう今年29歳なんですけど、大会にはこうやって若い子たちが出てきているので、ここから先、自分も選手として頑張るんですけど、若い子たちを応援できる、サポートできるような、またその子たちの目標になれるような選手であり続けたいなと思います」と、先を走る者としての思いを語った。

