『君と世界が終わる日に』『パンチドランク・ウーマン』の監督&プロデューサーが明かす舞台裏~徹底的にこだわった”リアル”な世界観とは

2026.7.10 12:30

この記事をシェア

  • Twitter
  • Facebook
  • Line
中茎強監督と鈴木亜希乃プロデューサーの写真

竹内涼真主演のドラマ『君と世界が終わる日に』シリーズと、篠原涼子主演のドラマ『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』シリーズの中茎強監督と鈴木亜希乃プロデューサーの対談が公開された。

人間を食らう恐ろしい“生ける屍”(ゴーレム)が蔓延(はびこ)る終末世界で繰り広げられる、極限のサバイバルラブストーリーを描くドラマ『君と世界が終わる日に』シリーズ。氷川拘置所の女刑務官・冬木こずえがひとりの殺人犯と出会うことで悪女へと変貌していく、刑務官と殺人犯との禁断の恋と、前代未聞の脱獄劇を描くドラマ『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』シリーズ。

そんな2作品でタッグを組んだ中茎強監督と鈴木亜希乃プロデューサーの対談が実現。お互いの印象や、ドラマでの印章に残ったエピソードについて語った。

■2人の出会いは響(竹内涼真)のとあるワンシーンがきっかけ…

鈴木:最初の出会いは『きみセカ』のシーズン1で、当時、中茎さんはセカンドの監督として入っていただいて。

シーズン1の第4話で、響(竹内涼真)が松明を持って炎でゴーレムを倒していくシーンがあるんですけど、台本では簡単に書いてあるけど、実際どうやって撮ろうかなと考えていて…。元々PVやMVを撮られていた中茎監督らしい、ハイスピードを駆使しためちゃくちゃかっこいいシーンになって、その時に中茎さんのオリジナリティとか個性とか、すごく才能のある方だなと思いました。

その後のSeason3ではチーフ監督をやっていただいて、(改めて)いい方だなと思って、自分がオリジナルでやる時は中茎さんにお願いしたいなと。

鈴木亜希乃プロデューサーの写真

中茎:(松明を)投げるシーンの時も、「美打ち」(スタッフ全員で、各シーンの撮影について話し合う打ち合わせ)があって。そこで「竹内君が松明を1回構えて投げてこうやってこうなるのはどうかな」って言ったら、(鈴木さんに)「は?」って言われて(笑)あまりにも台本に書いていないことを僕がやるから。

鈴木:台本を元に監督が割り(どんなカットを撮るのか、カット数がどれくらいになるかを決めるもの)を作るんですけど、「ゴーレムを倒す」っていう一行がブワァッッと広がって、「何カット撮るんだ」って思ったけど、めちゃくちゃかっこよくなりましたね。中茎さんは俳優もシーンもかっこよく撮れる。それって当たり前のようで、実は当たり前じゃなくて。本当に決めたいシーンをかっこよく撮れるのは稀有だなぁと。

鈴木亜希乃プロデューサーの写真

『パンチドランク・ウーマン』も、『きみセカ』と同じくらいちょっと壮大な世界観で、ちょっと非日常なものをやりたかった企画なので、中茎さんが持ってる個性みたいなもので、パンチドランク・ウーマンの世界をより広げてくれるんじゃないかっていうところで、私からオファーさせていただきましたね。

■中茎「いいものを作るためには遠慮しない」

中茎:鈴木亜希乃っていうプロデューサーのオリジナリティが半端なくて(笑)『きみセカ』もそうでしたけど、まともなロケ場所がない(笑)廃墟とか、都内近郊では撮れない、人もいない場所で。このオリジナリティをどういうふうに映像化するか、まずは彼女の思いを聞くところから毎回スタートしてるのが大きいですね。

鈴木:中茎さんはほんとに私と話してくれるんですよね。ドラマの企画書は数枚なので、この紙の中に全部込めようとは思うんですけど、どうしても詰め切れない思いとか、具体的にイメージしてることを最初に聞いてくださる。そこら辺がすごく中茎さんらしいなというか。『パンチドランク・ウーマン』も、こずえ(篠原涼子)のことをどう思っているかとか、怜治(ジェシー)とか佐伯(藤木直人)の魅力とかをすごく聞いてくれて…。

中茎:亜希乃プロデューサーはゼロイチで、僕はそのイチを十、百、下手すりゃ千にするのが仕事だと思ってるんで、2人がしっかりと同じ方向を向くことが大事だよね。だからすごく細かいことまで聞くし、僕も聞いていて何回かキャッチボールしていく中で修正していくっていう。その作業が楽しくもあり…この2人でやった作業をいかに100人ぐらいのスタッフに浸透するかが難しい。

そこを伝えるのが僕の仕事で、カメラマンだったり照明だったり録音もそうですし、俳優もですけど、同じ赤でもみんなが見てる赤が違うし。統一するのが僕たちの役目かなってところで、まず話す。ずれたらすごく言い合いしちゃうから、いいもの作るためには遠慮はしないし、全部作品のためであることが大きいですかね。

中茎強監督

鈴木:そうですね、結局お互いに作品が一番大事みたいなところで動けてる。

■『パンチドランク・ウーマン』でこだわった”リアル”な世界観

鈴木:『パンチドランク・ウーマン』で、いろんな人に映像の美しさだったり、ほかで見れない映像美みたいなところをすごく褒めていただいたなと思って。邦画のドラマっぽくないっていうか。その辺で中茎さんが工夫したこととか聞ければ。

中茎:実際に(刑務所を)見に行ったんだよね、なにせ行ったことがないから(笑)実際見たときに、中で起きる脱獄っていうものを日本に落とし込んだときに、海外で色々な人種が混ざるような作品はあるけど、じゃあこれをアジア人でやったときにどこまでおもしろく、なおかつ積極的に見てもらえるか。作る僕たちが照れずに、むしろいいじゃんと思えるようにするためにどうすればいいかっていうところを考えたのが最初で。今回はカメラマンの坂本と相談しながら、「ALEXA Mini」っていう、通常の映画で撮るようなカメラを使ってるのがまず一つ大きくて。値段は高いんですけど(笑)

中茎強監督と鈴木亜希乃プロデューサーの写真

鈴木:坂本さんにお願いされて、「いや今回はこれがいいと思うんです」って。いいのは分かるんだけどどうしよう。でも私がかっこよくしたいって言った手前、受け入れなきゃいけないので、色々と弾いて…(笑)でもほんとそれはやって良かったですよね。

中茎:良かったですね。後は、フレームレートって大体30fpsが多いんですけど、これを24fpsにしていて。僕やっぱり最近やっていて思うんですけど、人が見る感覚って24コマに近いというか。30コマとか60コマになると滑らかすぎちゃって、現実味がなくなってくると思うんですよね。だから今回は特に、めちゃくちゃフィクションだけどリアルに見せるためには、この24フレームは絶対にマストだと思いました。

中茎強監督

鈴木:今回中茎さんがすごくこだわってくれたのが、海外の実在した事件とはいえ、やっぱりアメリカのアラバマ州で起きたってやっぱめちゃめちゃフィクションなんですよね、我々日本人からしたら。実際に起きた事件とは言いつつ、どこか突拍子のないものだとは思っていて。

実際に台本を私が中心になって作ってくんですけど、何かしら事件を起こすとなると、設定上どうしても突拍子もない事件が出てきてしまって、それを物語として面白いからやりたいときに、やっぱりベースの世界観はよりリアリティが必要で…

中茎:実際のリアルな刑務所とかってすごく実は平和なんだよね。

鈴木:めっちゃびっくりしましたよね。見学に行ったのは刑務所ですけど、すごくある意味施設っぽいというか、クリーム色の。

中茎:そう。ちょっと優しいピンク色の壁とかね。やっぱそれにしてしまうと、途端にそこから脱獄ってなかなかどうなのかな、とか。リアリティと、亜希乃さんが考えたオリジナルの『パンチドランク・ウーマン』の世界観を作るためには、ある程度脱獄がすごく難しかったり、ある程度の“怖さ”。圧倒的に脅威に見えなきゃいけないなって話はずっとしてたよね。

鈴木:そうですね。とにかくこの拘置所という場所が恐怖で、そこから出さない話だし。

■実は心配性?怜治役・ジェシーの演技について「より情緒が出てきて…」

中茎:今回は圧倒的にビジュアルとか設定が重要だったから、そこをカメラから、あと照明から考えましたね。シーズン2はHuluで配信になったので、スペシャルな感じと変わった感じを出すために、セットの色を変えたもんね。

鈴木:そう、まったく同じ作りで、全部白く塗っただけなんですよね(笑)同じ場所で撮ってるっていう感じなんですけど。

シーズン2では一つステージが上がった刑務所にしたいっていうのもあって、最新テクノロジーのスマートプリズンみたいなアイデアが出ていて。

中茎さんが最初にシーズン2の1話の台本を読んでくださったときに、スマートプリズンっていう機械的なものと相反して、やっぱこずえ、怜治、佐伯のドロドロした人間模様が面白いって言ってくださって。

あまり意識して作ってなかったっていうのも変なんですけど、新しい刑務所の話で三人の三角関係が、「そっちもステージが上がってれいばいいな」って思いで作ってたんですけど。それを”静の空間“でものすごい”動“が起きている。なんかそこである意味人間関係ドロドロを描きたいって言ってくださって。そこからあのライティングが生まれたりして。気づいてる人もいると思うんですけど、あの真っ白な空間とやっぱスナックとかこずえの部屋が相反している。

鈴木亜希乃プロデューサーの写真

中茎:(部屋が)ありえないくらい赤かったりとか、ありえないぐらいブルーだったりとかね(笑)やっぱシーズン1・2やって、より僕たちもキャラクターってものが分かってきてたってところと、スタッフも俳優陣も分かっていたから。

鈴木:シーズン2はみなさんのお芝居が格段にパワーアップして良かったですね。篠原さんもより狂気というかね。藤木さんは特にね、佐伯の狂気の覚醒みたいな。怜治もね、すごく良かったです

中茎:良くなった。怜治(ジェシー)なんかめちゃめちゃ心配性だから。最初すごく緊張しながらやってて。シーズン2は本当にいい。怜治のキャラクターに脂の乗った芝居が見られる。

鈴木:逆に怜治はより情緒が出てきて。そのへんも良かったですよね。俳優部のみなさんが、話し合いが出来て、積極的にどうしましょうっていうのを聞いてきてくださって。そして座長の篠原さんがとってもすてきな方でね。やりやすかったのもありますよね。

篠原涼子の写真

篠原涼子が語る、中茎強監督と鈴木亜希乃プロデューサーの印象とは?また、篠原涼子の驚きの撮影秘話が飛び出す!

対談記事の続きはこちらから!

ドラマ『君と世界が終わる日に』
Season1~5 Huluで全話配信中

【ドラマ公式HPはこちら】
【Hulu作品ページはこちら】

ドラマ『パンチドランク・ウーマン −脱獄まであと××日−』
Season1~2 Huluで全話配信中

【ドラマ公式HPはこちら】
【Hulu作品ページはこちら】

文:entax編集部

クオカードプレゼントキャンペーン2024