【独自インタビュー】稽古の合間もひたすら素振り!彩風咲奈×『HiGH&LOW THE戦国 外伝』、ストイックすぎる舞台裏

2026.6.24 17:45

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彩風咲奈の写真

『HiGH&LOW THE 戦国』のアナザーストーリーとして完全新作で届けられる舞台『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』。懸賞金上位に名を連ねる女海賊の頭領・謝羽良彩音(じゃばら あやね)を演じるのは、2024年に宝塚歌劇団を退団し、俳優として新たな歩みを始めた彩風咲奈だ。妖艶な美貌と豪快な剣術を併せ持つ彩音というキャラクターに、彩風はどう向き合っているのか。独占インタビューをお届けする。

――今回の謝羽良彩音という役をどのように受け止めていますか。

役のプロフィールにも色々書いてありますけど、心の内に「影」を隠している女性ではあるんです。演じる上ではもちろん役が持っているものとして向き合うのですが、あまりそこにとらわれすぎず、「見せよう」としすぎず、皆さんとお芝居をしていく中で彩音の姿をどんどん作っていけたらなと思っています。
セリフがかなり荒々しい言葉だったり、豪快な立ち回りも付いていたりするので、「女性役だから」というよりは、いろんなものにとらわれずに挑戦していけたらなと。
メインビジュアルを撮影するときに、決め台詞を言う動画の撮影もあったんです。久しぶりに決め台詞のようなものを言うのがちょっと恥ずかしくて、「どうやってたっけ?」って思う自分がいました。稽古に入ったら全然そんなことはなかったんですけれども。彩音を演じる上では、立ち方やお腹の力の入れ具合みたいなものが男役時代の経験とちょっと似ているかなと思います。

――ご自身もこれまで組を率いる立場、座のトップという経験をされてきました。今回の役作りとリンクする部分はありますか。

あるかもしれないですね。ただ、自分の感情ではなく「役の感情」で演じたいので、最初から自分と深く紐(ひも)づけることはあまりしないんです。でもやっぱり台本を読む中で自然に心が動いたり熱くなったりするところは、自分の中にあるものなんだろうなって。仲間を思う気持ちとか、そういうものがあるから心が動くんだろうなって思うんですよね。だから、自然に結びついていくところはそのまま結びつけて、彩音という人を作りたいなと思っています。

彩風咲奈の写真

――彩風さんのファンが一番驚くだろうなというポイントはどこでしょうか?

もう本当に、こんなに戦っている私は今までいなかった!なので、そこが驚いていただけるところかなと思います。1幕でもすでに何場面か戦っていますし、2幕にはもっと大きな立ち回りのシーンがありそうなので、思う存分戦っている姿を見ていただきたいです。

――男性が多く、立ち回りもある現場は初めてだそうですね。

初めてです。笹森さんは「女性と戦うのが初めてで、殴る動きが怖くて」とおっしゃっていたそうなんですが、逆に私のほうが全然気にしていないかもしれないです。男性と殺陣をするのは楽しい!自分が男役をやってきたからか、男性か女性かという境目があまりなくて、普通に受け入れてやっています。

――これまでに経験した立ち回りと今回のアクション、一番違うのはどんなところですか。

スピード感が全然違いました。宝塚の立ち回りのときは、舞台のストーリーがまずあってストーリー優先の立ち回りという感じだったんですけど、今回はアクションが先に立つときがある。そこが宝塚と違うかなと思うんですよね。それと、思ったより筋肉痛が来なかったんですよ。立ち回りで使う腕の筋肉はあまり普段使わないので、「立ち回りしたな」という感覚はちょっとありましたけど、もっと全身痛くなるんじゃないかと思っていたら意外と大丈夫でした。

――謝羽良一家のメンバーとは、稽古場でどんな過ごし方を?

謝羽良一家の三人──私と山田健登くんと川久保(拓司)さん──は皆さん立ち回りの経験があまりなくて。山田くんは完全に初めてなんだそうで、空いている時間があったら一緒に刀を振っています。稽古場のセット裏で。しゃべっている時間というよりも「とりあえず振っとこう」みたいな(素振りをしながら)ふと気づいたら健登くんも横で振っていたりします。一家そろって。

――かなりストイックですね。

これを機に「得意です」って言えるようになりたいですよね。やるからにはしっかりやりたいので。

彩風咲奈の写真

――彩音は妖艶でありながら豪快で冷徹、いろんな面がある役ですが、今お稽古で一番楽しい部分はどんなところですか。

やっぱり皆さんとのセッションはすごく楽しいです。いろんな舞台でいろんな経験を積んでこられた方々とご一緒していますが、小野塚(勇人)さんにしても笹森(裕貴)さんにしても、お芝居のテイストがそれぞれ全然違うんです。でもそれがおもしろいんですよ。「この線でいきます」ではなくて、それぞれの違いが本当に盗賊、海賊、山賊の違いになっているような感覚で。だから私も、周りがこうやっているからこう、とは思わずに、まずは自分の思った道を突き進んでいきたいなと思っています。

――謝羽良一家は「酒と歌と宴を愛する」一家で、彩音にも聴かせどころの歌がありますよね。歌やパフォーマンスの部分はいかがですか。

ちょうど昨日謝羽良一家のシーンをお稽古したんですけど、無条件に楽しいですね!男性キャストだからこその無邪気なわちゃわちゃ感──お酒を飲んで、食べて、歌って、騒いで楽しもうっていうのが、皆さんから伝わってきて、「ただ楽しんでいいんだ」ってすごく受け取れるんです。皆さんが「かしら!」って盛り上げてくださるので、自分はそれに乗っかって楽しませていただいています。

――舞台のストーリーを読むと重そうな印象もありますが、盛り上がるシーンもあるんですね。

あります、あります。前半は特に多いと思います。舞台のストーリーに入ると、その人ではなく「役」としてずっといるじゃないですが。でもこのHiGH&LOWのおもしろいところは、セリフの中に「その役者のことを言っているんじゃない?」みたいなエッセンスがたまに入る部分でもあるんです。今まであまり経験したことがなくてすごく楽しいし、ファンの方もきっとそこを「待ってました!!」と楽しんでいただけるんじゃないかなって。ストーリーという大きな軸がありつつ、そこからの脱線までおもしろいのがこの作品の魅力だなと思います。

――初めて彩風さんを観るハイローファンには、どこに注目してほしいですか。

彩風咲奈という人を自己紹介するには、この謝羽良彩音は持ってこいの役というか。男役とは違うけれども、自分が学んできた宝塚での男役のエッセンスも出せる。そしてそこだけではなくて、まだ歩み出したばかりですけれども、俳優としての自分の姿や思いもこの役に投影できる。この役を自己紹介にして、彩風咲奈を知っていただけたらなと思います。

――宝塚を退団されて環境も大きく変わったと思いますが、現場に入るときの気持ちに変化はありましたか。

毎日楽しみです。稽古場に行くのがすごく楽しいんですよね。自分が考えてきたものと全然違うものが飛んできたりするので、その戸惑いすら楽しい。今日も新しいことに挑戦できる、新しい人に出会えるっていうのがすごく楽しいです。演出の平沼さんとも細かく決めていくというより、今は自分が考えてきたことをドンって野放しに、好きにやらせていただけるという感じなんです。あまり細々と詰めすぎずに、まずはやってみる。そこから更に作り上げていけたらなと思っています。

彩風咲奈の写真

――最後に、読者の方にメッセージをお願いします。

舞台をあまり観たことがない方にも、この作品はうってつけなんじゃないかと思います。舞台らしさもあるし、テレビシリーズから引き継いできた魂もある。難しいストーリーではないので、どなたでも、どんな年代の方でも楽しんでいただけます。芝居、歌、ダンス、立ち回り、一つ一つを切り離しても楽しめる熱い作品なので、ぜひいろんな楽しみ方を見つけに来てください。劇場でお待ちしています!

『HiGH&LOW THE 戦国 外伝』公演概要
演出:平沼紀久
出演:小野塚勇人 笹森裕貴 彩風咲奈 山田健登 蒼木陣 小澤竜心 八木将康 うえきやサトシ 土井ケイト 夏川椎菜 佐藤日向 伊勢大貴 納谷健 川久保拓司 伊達暁 伊藤正之 ほか
公演日程:2026年7月15日〜30日 東京・東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
     2026年8月7日〜9日 大阪・梅田芸術劇場メインホール
     2026年8月14日〜16日 愛知・御園座
公演HP

取材・文:entax編集部

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