群馬・赤城山で話題の新施設“レールのない駅”『ほぼの駅 AKAGI』。仕掛け人・糸井重里が語る魅力&なぜUFO?
日本百名山の1つ、群馬・赤城山の山頂エリアに4月末、グランドオープンした『ほぼの駅 AKAGI』が注目を集めている。かつてはケーブルカーが通り『赤城山頂駅』として親しまれていたが、1968年に全線が廃止。1980年代には旧駅舎はレストランとして運営されている。今回この場所を受け継いだのが、日本を代表するコピーライター糸井重里が会長を務める株式会社ほぼ日。これまで糸井は、「おいしい生活。」「くうねるあそぶ。」など数々の広告コピー、「もののけ姫」「となりのトトロ」「魔女の宅急便」などのスタジオジブリ作品のキャッチコピー、ゲームソフト『MOTHER』シリーズの企画・シナリオ担当など、多方面で活躍している。そんな糸井が「ほぼの駅 AKAGI」で何を目指しているのか、entax編集部が糸井を直撃した。
◆糸井「良い話しすぎちゃって、涙ぐみそうになりましたよ(笑)」
──ほぼ日・糸井さんが『ほぼの駅 AKAGI』を始めようと思った経緯は?
「まず、東京にずっとこもっているのはよくないなと思って。これから地方とどうつながれるのか、考えたかったんです。そのきっかけが、東日本大震災。そのときに知り合った(宮城県)気仙沼の人たちと、僕らはすごく仲がいいんです。もともと何の縁もなかったのに、あのとき以来、親戚みたいに付き合っていて。ふだん生活をしている場所の外にもう1つ拠点を持つことで、自分たちも変わったし、気仙沼の人たちも僕らと付き合うことで“あんなことができる、こんなことができる”って変わってくれて、すごくいい例だったんです。それなら、家賃の高い東京にこだわらずに、もっと広い場所を使って何かできるんじゃないかと」


「じゃあどこだろうって言ったときに、僕は“赤城の景色”が思い浮かんだんです。そんな簡単に手に入るとは思えませんでしたが、赤城は縁があったので、まず見に行こうってなりました(糸井は群馬・前橋市出身)。実際に赤城に見に行ったら、すごくいい場所だったので、いわば一目惚れですね」
「普段なら採算の計画をしっかり立てるところですが、この場所については厳密に考えずに進めてきました。単純にいうと、【場所】というものは【場所】そのものがメディアなんですよ。例えば、『静岡』にとっては、【富士山】はメディアなんです。【富士山】が見える場所は、キャラクター商品があるのと同じ力があるんです。そういう意味では、赤城山にかつての旧駅舎があるのは、レールがないおかげで、ここから行きたい場所へ、どこへでも行ける、【行きたいと願うところなら、どこへでも行けるよ。】というコンセプトになる。例えば恋人たちが知り合って、ここまでたどり着いて、ここから二人でどこに行こうか、もしかしたら家庭を作る旅に出るかもしれない。受験生がここにきて、志望の学校に行けますようにって、切符をもらうとか。誰でも来られる始まりの場所にしたい。感じてほしい。ちょっと良い話をしすぎちゃって、涙ぐみそうになりました(笑)」


◆こだわりの“食”は「映画のタイトルみたい」
──特にこだわったポイントは?
「やっぱり“来てよかった”と思ってもらうことですね。景色を見て、おいしいものを食べて、リラックスできたらそれでいい。その中でも【食】は一生懸命やっています。今、群馬県は豚肉とキャベツが名物なんです。キャベツは僕が子どものときはまだ名物じゃなかったと思うんですね。豚肉も当時はまだだったと思う。キャベツって言葉の響きもいいんですよね。【豚とキャベツ】って、なんか映画のタイトルみたいじゃない(笑)。ハンバーグも豚肉でつくっているので、トンバーグ。とにかく地元の方にご迷惑になんないようにって思っています。そういう言葉の響きとか結構、元々僕コピーライターなんで、一生懸命考えるんですよ。ただの仕事のほうが一生懸命です(笑)」
赤城山麗のブラウンスイス牛のミルクを使用した『あかぎのソフトクリーム』、赤城のりんごを使ったほぼの駅弁、赤城南麗の豚肉を100%使用した『むっちりトンバーグ(ハンバーグ)』など充実。『あかぎのうま豚汁』は、ジャパン(和風)、イタリア的(トマトベース)、インド(カレー味)の3つの味が楽しめる。



◆なぜ UFO?
『ほぼの駅 AKAGI』では、ほぼ日のアイテムや、ここでしか買えない『ほぼの駅 AKAGI』オリジナルのグッズも充実。その中には、糸井が考案した、あらゆる場所に『UFO』を出現させることができる『UFO 自由自在』というグッズも。なぜ赤城山でUFO?

━━糸井さんが UFO やろうって言ったときは、他の皆さんはどんな反応を?
「なんとなくやり過ごされました、いったん(笑)。地元の赤城山と何の根拠もないじゃない。観光地の土産っぽくないじゃない。それは分かってるんです。でもここしかないものがほしいじゃない。あと、これ(UFO)があれば、顔出し看板を作らなくても、景色が主役の顔出し看板になるじゃない、と思ったんです」
━━なるほど
「みんな気づかないんですよ。『UFO』そのものが商品ではなく、その商品のある環境を主役にするんですよ(笑)」

遊び心満点の「ほぼの駅 AKAGI」。もともと終着駅だった場所が「希望への出発の駅」に。
絶景を眺めながらひと息ついたり、美味しいものを味わいながらのんびり過ごしたり、訪れる人が思い思いの時間を過ごせる。周辺には覚満淵や大沼、小沼といった豊かな自然が広がり、条件がそろえば雲海が広がることもあるという。前橋市街から一般道でアクセス可能なので、ぜひ訪れていただきたい。

『ほぼの駅 AKAGI』
・営業時間:午前10時~午後4時(ランチタイム 11:30~14:00/LO.13:30)
・定休日:不定休(X や Instagram などの SNS で営業カレンダーをご確認ください)
・住所:〒371-0101 群馬県前橋市富士見町赤城山鳥居峠
■公式 HP
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取材・文:entax 編集部








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