【独自インタビュー】キタニタツヤがもし「絵の道」に進んでいたら? “キタニ流”のインプット作業とは? 『ケロロ軍曹』『リズム天国』など趣味の話題も

2026.6.2 12:00

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|楽曲作りで大事にしているのは、“ゴール”を決めること

キタニタツヤの写真
フィンセント・ファン・ゴッホ《夜のカフェテラス(フォルム広場)》(1888年9月16日頃)  
所蔵先:クレラー=ミュラー美術館

──こと制作・創作(何かに集中して作品を作ること)においては、キタニさんとファン・ゴッホ(画業の方)はある意味で似ているようにも思います。ご自身の中では、何か思い当たる節はありますか?

キタニ:やっぱり自分で手を動かすものですし、基本的には自分が好きに、自由に作るものじゃないですか。例えばそれが広告デザインとかだったら、いただいた注文に対して絵や曲をかきますよね。僕はタイアップの音楽とかを作ることもありますが、必要な条件を満たした後は、もう自分の好きに手を動かします。そこは、絵も一緒だと思うんです。

…となると、やっぱり自分の内面みたいなもの──何が好きかとか、何が嫌いかとか、自分がどんなものを見てきたかみたいなエッセンスが隠そうとしても出ちゃうと思うので、共通しているとしたらそういうところかなと思います。

──ちなみに、今回の「肺魚」はどれくらいの期間をかけて制作されたんですか?

キタニ:実際に手を動かしていたのは1〜2週間だと思いますけど、それまでにずーっと悩んで何にも進まなかった時期がありますね。何を書いたらいいんだろう、みたいな。そういうのを入れたら、たぶん3か月はかかっていると思います。マジで手うごかなかったですね…(笑) やっぱり(ファン・ゴッホを扱うという)プレッシャーみたいなものがあるじゃないですか。すでにそれ単体で成立しているアートがあって、そこに対して僕ができることってなんぞや…と思いまして。

──特に悩まれたのは、メロディーラインだったり歌詞だったり?

キタニ:そもそものコンセプトですかね。どんな歌を書くべきなのか──。ファン・ゴッホの作品にも人生にも“上がり下がり”があって、どこにスポットを当てるかで曲の雰囲気は全然違うものになると思うんですけど、依頼をくださった方々からは「もうキタニさんの自由な解釈でどうぞ!」みたいな(笑) 明るい曲でも暗い曲でも良い感じだったので、逆に何をしていいか難しかったですね。最終的には、ファン・ゴッホの作品をたくさん見た後に気づいた“自分のこと”を書こうというところで方針が定まって、コンセプトが決まって進みました。

展覧会における“キタニが思わず足を止めた作品”は、オランダ時代に描かれた《秋の風景》だという。
フィンセント・ファン・ゴッホ《秋の風景》(1885年11月)
所蔵先:クレラー=ミュラー美術館

──今回はそれだけプレッシャーが大きかったというのもあると思いますが、“コンセプトを決めるまでの時間”を重視するのは、キタニさんのこだわりの一つのようにも感じます。

キタニ:最初に“ゴール”を決めるのが、自分にとってはすごく大事ですね。そこに時間がかかると、本当にそれまで何の作業も進まないんですけど、それ(ゴール=コンセプト)がないと自分は音楽を作ることができないというか──“なんとなく手を動かしているうちに、これができた”みたいなことはあまりしませんね。パッと決まるときはパッと決まるんですけど(笑)

──楽曲制作というアウトプットには、そのぶん多くのインプットが必要になるのではと思います。そのために、普段から意識的にやられていることなどがあればお聞かせください。

キタニ:自分は、ほかの人間の言葉とかを聞くのがすごく好きなんです。なので、Twitter(X)も大好きですし、「note」で知らない人の日記とかブログを読んだりするのも、居酒屋で人と話すのも大好きなんです。“とにかく誰かの話を聞く”というのが、自分にとって大きいインプットかもしれないですね。

──誰かとご飯を食べていて気になる言葉があったら、家に帰ってからメモしたり?

キタニ:話しながら、「ごめん、ちょっと今メモるわ」とかもやりますよ(笑) やっぱり自分以外の人がどんなことを考えているのか、すごく気になるんですよね。

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