【声優インタビュー】なぜツガイはペアなのか?声優・中村悠一&諏訪部順一が読み解く、アニメ『黄泉のツガイ』の魅力と本質

2026.5.1 18:00

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アニメ『黄泉のツガイ』の画像

アニメ『黄泉のツガイ』にてデラ役を務める中村悠一と、影森ジン役の諏訪部順一にインタビュー。演じるキャラクターは秘密だらけ? 「ツガイ」がペアである理由は? タイトル回収はあるのか? 原作者が忍ばせているであろうテーマとは? ベテラン声優の2人が、“ヨミツガ”を語る──。
※中村&諏訪部が”オリジナルツガイ”を考案する独自インタビューも配信中「絶対ラスボス(笑)」

本作『黄泉のツガイ』は、『鋼の錬金術師』の荒川弘が描く幻怪(げんかい)ファンタジー。山奥の村で育った少年ユルが、妖怪・UMA・幽霊のような姿をした“対の存在”「ツガイ」を巡る過酷な運命に巻き込まれていく。月刊「少年ガンガン」にて連載中の原作漫画は、シリーズ累計600万部を突破(2026年3月29日時点)。

4月4日(土)より連続2クールで放送を開始したTVアニメは、2003〜2011年にかけて放送・公開された“ハガレン”シリーズと同様、スクウェア・エニックス×アニプレックス×ボンズの強力タッグで制作されている。

中村演じるデラ(田寺リュウ)は、第1話で窮地に陥った主人公ユルを助けてくれる行商人 兼 “番(ツガイ)小者”。ツガイを連れていないが“見える”人であり、性格も飄々(ひょうひょう)としていて掴みどころがない謎めいたキャラクター。一方、諏訪部演じるジン(影森ジン)はユルの村を襲った一味のひとり。「掃除屋(スカベンジャー)」というチョウチンアンコウのような2匹のツガイを従え、執拗にユルを追っているがその目的とは…?

|「絶対理由があると思う!」中村悠一&諏訪部順一が読み解く『黄泉のツガイ』

──まずは、それぞれ演じられるデラとジンがどんなキャラクターなのか、おふたりの口から改めて教えていただけますか?

諏訪部:ジンは物語冒頭、ユルが暮らしていた東村を襲撃したサイドの人間です。主人公目線からすると、仲間ではないですが敵とも言えない……そういう立ち位置です。あと、いつもきちんとした格好をしている、目つきがあまりよろしくないメガネ男子です(笑)

諏訪部演じるジンとツガイ「掃除屋(スカベンジャー)」の片割れ(小さい方)「誠」

諏訪部:この作品は、物語が展開していく中、それぞれのキャラクターの見え方がどんどん変わっていきます。自分が任されているジンのイメージなども、あらかじめたくさん語ってしまうと面白さを減らしてしまうことにつながると思いますので、割愛させていただければと。とにかく、ご視聴いただければと。

中村:そうですよね。デラも現状は、もう見たままのキャラクターといいますか。ただそれも、結局のところ先々になったら「実は…」ということがあるかもしれない。そういう余白が多い状態で描かれているので、今はユルに対して味方として出てはいるんですけど、本当にそのままゴールまで進むのかというと分からない。

中村:どのキャラクターもですが、原作で語られていないことがまだまだ多すぎるんです(笑) それに、荒川先生の作品は、“THE・悪人”というのは描かない気もしています。おそらくキャスト側も、キャラクターがどう転がってもいいように自分の役に対して余白を作りながら演じていると思います。「悪党として演じる」「正義として演じる」というだけではない幅を持たせないと、今の段階では難しいですね。

中村演じるデラ

──そうした“幅を持たせた役作り”をすることは、よくある事なんでしょうか?

中村:“定番の主人公”という役でもない限りは、結構あることかなと思います。ただ、特に強い気はしますけどね、この『黄泉のツガイ』は(笑)

諏訪部:そうですね。全体的ににそういう感じがします。

──そんな先の読めない本作。原作を含め、おふたりはどのような作品であると見ていますか?

中村:原作の中に、“ツガイも人間も、一人では生きていけない”という言葉がぽろっと出てくるんですが、ひょっとしたら“それ”が荒川先生の言いたいこと、描きたいものなのかなと思っています。常に何かと「ツガイ」になる──「1人」じゃなく「2人で立つ」というのがテーマになっているのかなと。「ツガイ」がペアなのにはなにか理由があると思うので! 1人に対して1人つけばいいところを、なぜ2人なのか──タイトルには『黄泉の』とついていますし、荒川先生が最終的に何を描いていきたいのか、やはりそこは惹かれるものがありますよね。

主人公ユル(中央)とツガイ「左右様」

諏訪部:自分も原作を読んで、とても面白い作品だと思いました。荒川先生が描く緩急といいますか、シリアスとコミカルのバランスがとても心地いいです。信じていいのか? いけないのか? “表と裏”が入れ変わっていくような状況に翻弄されながら、主人公であるユルがアイデンティティーをどう保っていくのか? 様々な謎をどう解き明かしていくのか? 伏線が回収されていくカタルシスもあると思います。

影森家に仕える黒谷ハルオとツガイ「兎と亀」(個々名は「うさちゃん」と「カメちゃん」)

──アニメーション自体もかなりパワフルに描かれているように感じました。完成した映像を見て、どんなところに魅力を感じましたか?

中村:まず言えるのは、原作を丁寧に表現しているところがすごく魅力的に思いました。原作で読んでいたときに感じた作品としての魅力が、そのままアニメーションとして表現されている。カメラ位置や表現の部分でアレンジが加わってはいるんですが、原作リスペクトの上で作られているなと思える点は、大きな評価点になるのかなと。

中村:あと個人的に一番印象的だったのは、“色”ですね。カラーになったときに、「あっ、このキャラはこういう感じなんだ」と。特に「左右様」が、あんな紅白のめでたい感じの色なんだって(笑) 原作で描かれているのはもう少しシックな赤・白の感じだったので。“影森”という諏訪部さんたちのチームも、カラーになると漫画で見ていた以上に奥行きがあって、スタイリッシュさが際立つなって。原作だとね、“黒塗りの人たち”ですもんね?(笑)

“影森家”の面々とユルたち

諏訪部:(笑) でも本当に、原作に対するリスペクトは強く感じます。そこに、単なる紙芝居にならないよう、映像としての演出もきちんと詰め込んである。アニメにした意味がある作品になっていると思いました。画作りが、色合いなどを含め全体的に割と明るめになっている気がします。特に第1話などは、東村の住人たちが大変なことになるわけですが、そうしたシーンもダークになり過ぎることがなかったような。荒川先生の作品が持つポップさのようなものを維持する一助になっているような印象を受けましたね。

諏訪部:いち視聴者目線で言うと、バッドエンドで終わる作品は近頃しんどくて(笑) やはりハッピーエンドで終わってほしいと思うので、こういう明るさを感じる空気感はうれしいです。

命懸けの戦闘シーンにも随所でコミカルな演出が。

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中村悠一の写真
《中村悠一 Profile》香川県出身。2月20日生まれ。インテンション所属。 主な出演作として『呪術廻戦』五条悟、『ONE PIECE』ロキ、『日本三國』賀来泰明、『とんがり帽子のアトリエ』オルーギオ、『逃げ上手の若君』諏訪頼重、『葬送のフリーレン』ザイン、吹き替えでは『アベンジャーズ(シリーズ)』キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)など。【公式サイト】

諏訪部順一の写真

《諏訪部順一 Profile》東京都出身。3月29日生まれ。東京俳優生活協同組合(俳協)所属。 主な出演作として『テニスの王子様』跡部景吾、『黒子のバスケ』青峰大輝、『僕のヒーローアカデミア』相澤消太、『Fate/stay night』アーチャー、『呪術廻戦』両面宿儺、『BLEACH』グリムジョーなど。【公式SNS】

TVアニメ『黄泉のツガイ』
TOKYO MX・BS11・群馬テレビ・とちぎテレビほかにて、4月4日(土)23時30分より連続2クール放送

<キャスト>
ユル:小野賢章
アサ:宮本侑芽
デラ:中村悠一
ガブちゃん:久野美咲
右:小山力也
左:本田貴子
ハナ:島袋美由利
ジン:諏訪部順一
【公式サイト】
【公式X(@tsugai_official )】
※推奨ハッシュタグ:#黄泉のツガイ #ヨミツガ

画像:©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX, Project TSUGAI
取材・文:entax

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