「生半可な気持ちでは立ち向かえない」長濱ねる、東京大空襲題材の初舞台オファー時の思いを語る

2026.3.11 16:30

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本日3月11日(水)開催の海⽼名⾹葉⼦追善公演「東京の空」にて、長濱ねるが初舞台を踏む。公演前日、ゲネプロと囲み取材が行われ、本公演の原案・海⽼名⾹葉⼦の息⼦で2代目・林家三平と、出演が決定した時の気持ちや本作への想いなどを語った。

本公演は、落語家・初代林家三平の妻でエッセイストとして活躍する海⽼名⾹葉⼦の原案作品。海⽼名は1945年3月、東京⼤空襲で家族6⼈を亡くし戦争孤児に。その経験から、海⽼名氏は長年にわたり平和の尊さを訴え続けてきた。この悲劇を繰り返してはならない̶̶̶̶その強い思いから、長崎出⾝で被爆三世の長濱ねるが、語り部として海⽼名の体験をもとに朗読をするという企画が⽴ち上った。海⽼名氏の意思を継いで、平和への思いを伝えるため、1945 年の東京⼤空襲から81年後、3月10日の翌日2026年3月11日に公演を⾏うことが決定。

──出演が決まった時のお気持ちを教えてください。
長濱ねる:私は長崎県出身ということもあり、今まで原爆のことや平和活動を通して表現活動することもありました。今回は東京大空襲がテーマ。私にとっては新たなテーマでもありますし、関東圏の方々がどのような思いで乗り越えて、そして今も後世につないでいくときにどのように平和のバトンをつないでいるのか。今回のお話ですごく共感することが多かったので、私で力になれるのならばと思い、演じさせていただきたいと思いました。

長濱:このお話をいただいた時、最初は自分にできるだろうかという不安はありました。自分が体験していないけども、自分が人に届ける立場になるので、生半可な気持ちでは立ち向かえないですし、自分がきちんと責任を担わなければいけないと思いました。

──いよいよ明日、初舞台ですね。
長濱:ちょっとドキドキしています。今まで出演した映像作品だと、表現をどのように受け取られているのか、そういった反応をなかなか知ることがないので、今回目の前でお客さんとキャッチボールできるのがどんなふうになるのかなって、ドキドキしています。
海⽼名⾹葉⼦さんの思いを引き継いで、私が語り部としてお話しできるのが本当に光栄だなと思っています。

──大変だと実感したことは?
長濱:一人での朗読劇ということで、共演者とのキャッチボールがなく…本当に一人の世界の中で、お父さん、お母さん、いろんな役をお話ししていくので、そこの演じ分けが大変です。
どんなふうにお話ししたら(本公演の)その世界の中に入り込んでいけるのか…明日本番なんですけど、ちょっとギリギリまで練習をして迎えたいなと思っています。
──緊張されています?
長濱:めちゃくちゃ緊張してます!

──長濱さんの演技を見ていかがですか?
林家三平:うるっとしますね。まだ母が現存してるように思うんですよ。まだ生きていて、家に帰るといるような気がするんですね。ねるさん(長濱)にはその母の役もやっていただけるし、ここにもし母がいたら、「こんな美しい方が私の役?私いつもへちゃんくれで」って言ってる…(笑)「こんなきれいな方にやっていただいてうれしいわ」って言っている姿が目に見えるように感じますね。

林家:先ほどゲネプロを見させていただいたんですけど、母の本は、感情が入るとみんな声を張り上げちゃうんです。でも、ねるさんは淡々と語っていただいたんですよ。それが一番母の思いや真実に近いんです。母は、感情じゃなくて伝えてほしいんだっていう気持ちを本の中に入れてありますので。ねるさんは、真実に近い状態で表現してもらっているので、明日が本当に楽しみですね。

長濱:演出家の方からも、そういったお話をいただきました。語り部からすると悲しい出来事や恐ろしい状況としてお話ししてしまうけど、あくまで海⽼名さんの目線でお話ししているので、混乱だったり、まだ何が起きてるのかわからない状況を、一緒にその時間を体験してほしいとおっしゃっていました。明日までにもう少しブラッシュアップできたらと思います。

林家:きっと母は見守っていますので。そばにいて、何かあったら助けてくれますから絶対大丈夫だと思います。今日ゲネプロを拝見させていただいて、遺族としてはものすごく安心しましたので。
長濱:ありがとうございます。

──海⽼名さん、見たかったでしょうね
林家:たぶんね…明日私が連れてきますよ(笑)
長濱:お願いします(笑)
林家:ねるさんが代弁してくださること、こんなうれしいことはないと思います。僕は母と55年間一緒でしたから、母のことはもう全部わかってるつもりですので、本当に喜んでますよ。

──ゲネプロですが、実際に舞台で表現してみていかがでしたか?
長濱:(舞台のセットである)ジオラマの中で表現するんですけど、ジオラマは実際に焼け野原になっていて、目に見えてわかるあの恐ろしさを感じられる、新しい舞台なんじゃないかなと思います。

──最後にメッセージをお願いします。
長濱:「東京の空」という意義深い舞台に出演させていただけること、本当にうれしく思います。私はただただ誠実に、切実に表現するだけかなと思っていますので、見てくださる方に何かお渡しできるよう頑張ります。よろしくお願いします。

林家:今回、ねるさんは感情を入れながらも淡々と語ります。その淡々と語る中に本当の真実が見えてきます。私はこのような作品をほかでは見たことがありません。生の声、生の舞台、生の息遣い。ぜひとも劇場で感じてみてください。よろしくお願いします。

【作品概要】
海⽼名⾹葉⼦追善公演 「東京の空」

原案:海⽼名⾹葉⼦
出演:長濱ねる
上演台本・演出:倉本朋幸 プロデューサー:⽥中あやせ、林家まる⼦
日程:2026年3月11日(水) 13:30/17:00(2ステージ)
会場:日本教育会館 ⼀ツ橋ホール
協力:⼀般社団法⼈ 時忘れじの集い

【長濱ねる Profile】
俳優、1998年9月4日⽣まれ。長崎県出⾝。
幼少期を五島列島で過ごす。2019年に「欅坂46」を卒業。その後、俳優として活動し、2023年NHK連続テレビ⼩説「舞いあがれ!」に出演。同年 「ウソ婚」、2024年「若草物語 -恋する姉妹と恋せぬ私-」、2025年「いつか、ヒーロー」、2026年「おコメの⼥ -国税局資料調査科・雑国室-」などの話題作に出演。その他、日本テレビ「news zero」のコメンテーターを務め、J-WAVE 「NTT Group BIBLIOTHECA〜THE WEEKEND LIBRARY〜」のナビゲーターや、エッセイ執筆等、マルチに活躍。
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長濱ねる

【林家三平 Profile】
二代林家三平は、1970年東京都生まれの落語家。父は昭和を代表する落語家・初代林家三平。林家一門の伝統を受け継ぎ、2009年に父の名跡「林家三平」を襲名。テレビや舞台、講演など幅広く活動し、落語の魅力を現代に伝える役割を担っている。温かい人柄と親しみやすい語り口で多くの観客を魅了する。

【原案 海⽼名⾹葉⼦ Profile】
1933年10月6日東京本所⽣まれ。エッセイスト、作家。1945年3月10日の東京⼤空襲で戦争孤児となる。
1952年初代・林家三平と結婚。1980年夫の死後、⼀門30数名を支え、講演会、作家として幅広く活躍。「うしろの正面だあれ」(金の星社)「⺟と昭和とわらべ唄」(鳳書院)など著書多数。長男は九代・林家正蔵、次男は二代・林家三平、孫に林家たま平、林家ぽん平。2025年12月24日逝去(享年92歳)

海⽼名⾹葉⼦

取材・文:entax編集部

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