水樹奈々、脳梗塞からリハビリ経て戻ってきたバンドメンバーとの久々共演に笑顔と涙 喜びのサプライズ満載の25周年ツアーファイナル【NANA MIZUKI LIVE VISION 2025-2026】
続いては水樹いわく「ホッとしていただける時間」。ステンドグラスの美しい輝きが切々と歌を紡ぐ水樹の姿を彩った「Brilliant Star」、無限の星々が浮かぶ銀河の中であの頃の純粋な気持ちに思いを馳せる最新アルバム収録のメロウなミディアム「Blueprint」と、心に染み入るバラード2曲を続けて披露する。特に後者では、水樹がステージを去った後もバンドがロマンチックな演奏を聴かせて、楽曲の余韻を増幅させていた。

team YO-DAのメンバーそれぞれのソロダンスにフォーカスした水樹出演のブリッジムービーが会場を華やかに盛り上げると、ライブ後半戦はダンスパフォーマンスを交えたブロックへ。気品溢れるドレスワンピース衣装にヘッドセットマイクを装着した水樹は、サーチライトの眩い光が会場中を照射した「Take a shot」からサイバーな映像とレーザーがド派手な「Virtual Cruiser」へと流れるように続け、ダンサーとのシンクロした動きと共に魅せる。ライブでの歌唱は久々となるR&B調のミディアムナンバー「それでも君を想い出すから-again-」では、スクリーンに映る水樹の姿がセピア色になり、シリアスな表情を含めてシックなムードを演出していた。

ここで本公演の模様がアニマックスで3月に放送されることを発表すると、いよいよラストスパートに突入。曲中で深紅のフリルドレス衣装に早着替えした歌謡ロックテイストの「Justice to Believe」では、スクリーンに赤いバラの花びらが舞い散るなか情熱的な歌を咲かせると、「夢幻」では妖しくも絢爛な洋館の景色が広がり、艶やかな仕草とボーカルで聴衆を情念渦巻く夢幻の世界に誘う。そして青と赤の波が交差するなか火の鳥が飛ぶ映像が水樹の強くしなやかな歌声と重なった「BRAVE PHOENIX」。圧倒的な光景に会場のボルテージも否応なく上昇していく。

ライブ終盤ながらも、みんなからの無敵なパワーをもらって「このまま7時間くらい歌いたい!」と語るほど、まだまだ元気が有り余っている様子の水樹。20周年の際はコロナ禍と重なりツアーが中止となったため、この25周年ツアーでは「みんなと過ごせることの愛おしさ、特別な一期一会なものであることを噛み締めています」と感謝の気持ちを伝える。目標の77歳ライブまでには「もう一回25周年やっても足りないのよ(笑)」と笑うと、「未来とこれからもよろしくね、という思いを込めて歌います」と、ライブ本編のラストナンバー「ツバサ」を歌い始める。春を感じさせる光り輝く花々のビジュアルと優しく温かな歌声。水樹自身が作詞(吉木絵里子との共作)した愛しい人たちとの思い出を胸に明日へと羽ばたいていく気持ちを綴ったメッセージが会場を包み込み、晴れやかにライブ本編を締め括った。

すかさず巻き起こった盛大な「奈々」コールに応えてのアンコール、様々な布地を繋ぎ合わせて過去・現在・未来を表現したというスカート衣装でステージに舞い戻った水樹は代表曲「ETERNAL BLAZE」を歌唱。それまで水樹のイメージカラーであるブルーに染まっていた会場のペンライトが一面オレンジに変わり、永遠の炎が燃え上がる。決めの“ETERNAL BLAZE”というフレーズで会場がひとつになって合唱&ジャンプ。やはり彼女のライブでこの曲を欠かすことはできない。そして「ETERNAL BLAZE」と並ぶ代表曲「深愛」へ。白と青がまばらに光る客席に向けて、今にも感情が溢れ出しそうな表情で歌を届け、落ちサビで胸元に手を当てるとラスサビにかけて一気に想いを爆発させる。胸がいっぱいになるような名唱だった。
アンコール恒例の挨拶「シャッス!」でファンとの絆を改めて確かめ合うと、ここでうれしいお知らせが。2026年7月より放送される“なのはシリーズ”の完全新作TVアニメーション『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』のオープニングテーマ「CRIMSON BULLET」が、ニューシングルとして7月8日(なのはの日)にリリースされることを発表。さらに約7年ぶりとなるオーケストラライブ『NANA MIZUKI LIVE GRACE 2026 -OPUS IV-』の開催が決定した。2026年も様々な形で水樹奈々の音楽活動に触れることができそうだ。

アンコールはまだまだ終わらない。「パワーは残ってますか?」「思い切りかかってきてよ!」と誘うと、最新アルバムより水樹が作詞・作曲した「Awesome!」へ。チェリボの竿隊もステージ前面に出てきて、シャッフルビートの心が弾む演奏と晴れやかなボーカルで“最高!”のひと時を作り出す。続く「POP MASTER」では、team YO-DAも加わってさらに賑やかになった虹色のステージを、水樹が縦横無尽に行き交いながら会場の隅々にまでエネルギーを届ける。そして観客を年代別に分けたコール&レスポンスで助走をつけると、「世代を超えてひとつになるぞー!」と呼びかけて「Vitalization」をアンコールのラストに投入。スクリーンの映像とレーザー演出が合わさってギラギラとカラフルな光を放つステージから、すべてを解き放つかの如きパワフルな絶唱が真っ直ぐ飛んでくる。オーディエンスの熱気が最高潮にまで高まるなか、最後は全員でジャンプと共に銀テープが発射されて盛大なフィナーレを迎えた。
しかしながらファンの熱狂は収まらない。止むことのない「もう一回!」というコールが、本ツアー初日以来となるダブルアンコールを実現させる。「こんなに素敵なステージを皆さんと共にできたこと、最高の宝物です」と改めて感謝の気持ちを伝えつつ、まだまだみんなと新しい景色を一緒に見ていきたい、「まっさらな気持ちで、たくさんの始まりを重ねていきたいです」と語った水樹が、25周年ツアーの締め括りに歌ったのは「innocent starter」。TVアニメ『魔法少女リリカルなのは』のオープニングテーマであり、先日リリースされた最新ベストアルバム『THE MUSEUM Ⅳ』に新アレンジバージョンが収録された、水樹のキャリアにとって大切な歌だ。
リリースから20数年を経た今も、そこに込められたピュアな想いと、水樹の音楽とファンに向き合う純真な歌心は変わらない。最後は笑顔で前に手を差し伸べ“あの日のように笑いかけて”、25周年を祝うツアーを完走した。

LEDスクリーンを駆使した没入感のあるステージ演出をはじめ、新たな取り組みをふんだんに盛り込み、25年の歩みを彩ってきた楽曲たちを新鮮な形で表現することで、自身の過去・現在・未来を繋ぐライブを実現した水樹。本ツアーで彼女が提示した未来のビジョンが、この先どんな形で結実するのか。2026年の活動も楽しみになるツアーだった。

4枚目となるベストアルバム『THE MUSEUM Ⅳ』











