日本の“無自覚なサイバーリスク”に警鐘!ビジネスパーソンに潜む「落とし穴」 NordVPNがメディアラウンドテーブル開催
個人向けセキュリティサービスを提供するNordVPN(本社:オランダ・アムステルダム)は10月7日(火)、最高技術責任者(CTO)のマリユス・ブリエディスと日本代表の小原拓郎が登壇するメディア向けラウンドテーブルを都内で開催。日本市場向けの最新調査結果を発表した。
本イベントでは、日本のビジネスパーソン1,000名を対象とした最新のサイバーセキュリティ意識調査の結果が発表され、多くの人が自身のセキュリティを過信し、無意識のうちに深刻なリスクに晒されている実態が明らかに。この結果を受け、マリユスと小原が日本のメディアと議論を交わし、なぜ日本では“知識と行動のギャップ”が生まれるのか、その背景と対策について、グローバルな視点から活発な議論が展開された。

|NordVPNのビジョンと進化を続ける最新技術
イベントは、「誰もが自由で安全なインターネットを利用できる環境を実現したい」というNord Securityの紹介からスタート。その中核をなす「NordVPN」は、単なるVPN製品から「サイバーセキュリティの総合的なアプリケーション」へと進化し、通信の暗号化や厳格なノーログポリシーといった基本機能に加え、常に最先端の技術を導入。CTOのマリユスは、その代表例として3つの最新技術を紹介した。
独自のAI(特許取得済み)を活用し、マルウェアやフィッシングサイトを未然にブロックする「脅威対策Pro™」機能のほかに、将来の量子コンピュータによる解読リスクに備える「耐量子暗号化(PQC)」の全アプリへの導入、さらにVPN通信を通常のWebブラウジングのように見せかけ、ネットワークによる検知・ブロックを回避する独自プロトコル「NordWhisper」も紹介。これらの先進技術と、大手監査法人Deloitte Audit Lithuania(デロイト・オーディット・リトアニア)による5回目のノーログ監査認証で、NordVPNの信頼性を支えている。
|最高技術責任者マリユスが警鐘を鳴らす、日本のビジネスパーソンに潜む「落とし穴」
本イベントの核心として、日本のビジネスパーソン1,000名を対象とした最新調査の結果が発表。CTOのマリユスは、グローバルな視点から日本の特異性を指摘し、警鐘を鳴らした。
▶︎意識と行動の深刻なギャップ:
回答者の約半数(47%)が無意識に危険な行動をとっており、特に自身のセキュリティに「自信がある」と回答した人ほどリスクの高い行動を取る傾向が明らかに。
▶︎長時間労働者のリスク:
月40時間以上残業する人は、公共Wi-Fiの利用率が平均の2.3倍に達するなど、多忙な中でセキュリティ対策が疎かになる実態が浮き彫りに。
▶︎見過ごされる自宅のWi-Fiルーター:
6割以上が自宅のWi-Fiルーターの対策が不十分であり、23%がIDやパスワードを初期設定のまま使用。CTOのマリユスは「ルーターへのハッキングは非常に危険であり、OSやアプリと同様にアップデートが不可欠です」と強く訴えた。
▶︎ダークウェブに流出する膨大なクッキー情報:
今年ダークウェブ上で観測された940億点以上のクッキーのうち、2億5,000万点以上が日本から流出したもの。さらに、そのうち2,000万点は現在もアクティブな状態にあり、攻撃に悪用される危険性があると報告された。
こうした中、質疑応答のコーナーでは活発な議論が交わされた。日本のビジネスパーソンが見過ごしがちな具体的なセキュリティの課題について、マリユスが専門的な見地から見解を述べた。
HTTPS通信の普及により、現代における公共Wi-Fiのリスクについても安全と思われがちだが、マリユスは「通信の一部が暗号化されるだけで、他のアプリ通信は保護されません。古いプロトコル(TLS 1.2)ではトラッキングも防げず、十分ではありません」と回答。通信の『経路』だけでなく『両端』のデータ保護も重要」と、カフェや空港などでデータを盗み見る中間者攻撃のリスクを避けるため、VPNによる通信全体の暗号化が依然として不可欠だと強調した。
また、企業におけるデータ損失防止(DLP)が最大の課題の一つであると指摘し、「社員が業務データを個人クラウドや生成AIに持ち出すリスクに対し、技術的な対策と並行して、継続的な社員への啓蒙と教育が最も重要だ」と述べた。マリユスは、社員一人のデバイスのウィルス感染が企業全体に与える影響について、「セキュリティの強さは“最も脆弱なリンク”で決まる。個人のデバイスが感染すれば、会社のネットワーク全体が危険に晒される」と語り、組織における個人のセキュリティ意識の重要性を強調した。
さらに、日本で数千億円規模の被害が報告されている投資詐欺やロマンス詐欺についても、「脅威対策Pro™」機能が既知の悪質なリンクやウォレットアドレスをブロックすることで、こうした詐欺被害を未然に防ぐ一助となると言及した。






