草彅剛『隣の人に変な目で見られる…』車掌役での“クセ”がプライベートにまで影響?Netflix映画『新幹線大爆破』舞台あいさつ

草彅剛主演のNetflix映画『新幹線大爆破』。劇場公開の記念舞台あいさつが開催され、樋口真嗣監督と草彅剛が登壇した。
草彅は「今日はちょっと雨も降って足元の悪い中、劇場に駆けつけてくださりありがとうございます。短い時間ですが上映も終わった後なのでネタバレも含めて楽しい時間を過ごしましょう」とにっこり。
樋口監督は「ええと…まあ僕の話はいいんですよ、僕が話す時間がもったいない!」となぜか映画館スタッフの制服を着て登場した樋口監督は「実は今日グランドシネマサンシャイン 池袋の制服と名札を借りまして、今日はマチダです」と照れ笑いを見せる。
昨日から音響調整のためグランドシネマサンシャイン 池袋に通っているという樋口監督について草彅は「みなさんスクリーンでの上映楽しんでいただけましたか?家で見るのもいいけど、劇場の迫力、すごいよね!監督がまた音響とか調整して頑張って準備したんです!」と代わりに苦労を語り、客席からは大きな拍手が湧き起こった。
♦草彅剛「今でも新幹線に乗るとき…」
映画の撮影時を振り返ろうとすると、どんどんエピソードがあふれ出すふたり。まずは草彅が「高市は車掌だから『出発進行!』ってセリフを劇中でも宣伝でも言うことが多かったじゃないですか。今でも新幹線に乗るときに一人で言ってしまうんです。隣の人に変な目で見られる」と私生活への影響を暴露すると「実は撮影前からJR東日本さんで研修を受けたんですよね。教える人によって手の角度のこだわりがあったりして、おもしろかったよね」と樋口監督。草彅は「現場でもJRの方に細かく指導をいただいたら身に沁(し)みついちゃって大変」と苦労を思い返すも楽しそうに話していた。
♦草彅も嫉妬?「僕がやりたい!」
大規模な撮影の裏側について話が及ぶと樋口監督は「実際の新幹線でも撮影はしていますが、セットとして実寸大の車両を2両ほど作ったんです。だからリアルな撮影ができたんですが実寸大だからセッティングも大変でした。そして新幹線を止める水タンクもあったんですが、あれもスタッフ30~40人で動かすなど大変な撮影でした」と労力を割いたことを振り返る。
草彅は「松尾(諭)さん演じる後藤が、細田(佳央太)くん演じる藤井の体が衝撃で浮きそうになるところを抑えるというほんの数秒の、下手したら一瞬しか目に入らないというカットがあったんですが、松尾さんをワイヤーで吊って引っ張る人たちと水をかける人たち、そして窓ガラスの破片に見立てたものを投げる人たちとで総勢50人くらいの人力で撮影していたんです。人件費も含めてたぶん一番お金がかかっているカットだったので『僕がやりたい!なんで僕じゃないの?』とずっと言っていました。僕のカットはまったく人件費がかかってなかった!」と嫉妬心をあらわにしていた。

♦無意識?演技?劇中の1シーンに隠された草彅の“クセ”
草彅が「クライマックスだった」と語るシーンは、高市と豊嶋花扮する柚月が対峙するシーン。命と向き合う緊迫したシーンでもあったため、樋口監督は前日の撮影後にリハーサルを提案したという。2~3時間ほど行い翌日の撮影に備えたが、次の朝もまたリハーサルが行われたそうで「朝から撮影するから前の日の夜に練習したと思ったのに、現場に入るなり監督が僕と豊嶋さんを座らせて身の上話を始めるんです『俺は高校時代にノストラダムスの予言を信じていたのに裏切られた』とか『大人が嫌いだった』とかなんとか高校生の頃からの生い立ちを話しはじめて。僕も豊嶋さんもぽかーんとしてたけど監督が『そういう思いを役に込めてほしいんだよ』と話しながら泣いてたので、しっかりやらなきゃと再び気合をいれていたら、監督が『じゃ、昼飯食ってから撮影ね』と。今撮らないの!?」とびっくりしたエピソードを明かし、その瞬間を思い出しながら盛大に突っ込みをいれた草彅に観客は大爆笑。樋口監督は「ごめんごめん」と平謝りだったが、草彅は「でもおかげでいいシーンが撮れました」と、樋口監督と熱い抱擁(ほうよう)を交わした。
樋口監督からは草彅のあるシーンでの細かい演技に対する指摘も飛んだ。「JRの職員さんは絶対にポケットに手を入れてはいけない、というルールがあるんです。草彅さんはジーニストだから、普段実は自然とそのポーズをしていることがあります(笑)。撮影では我慢してもらっていたんですが、1シーン思いっきり手をポケットに突っ込んでいるシーンがあるんです」と暴露。
「えっ、ほんとに!気づかなかった!」と焦る草彅だったが、「斎藤工さん演じる総括指令長の笠置と電話を切ったあとだったから、『もう俺はJR職員の顔を捨てる』という決意表明の演技なのかな?と思っていたけど違ったのか!」と無意識のお芝居であったことが明かされふたりで笑い合った。
イベントの最後には、「初めてのNetflix、そして『日本沈没』から20年という月日を経て大好きな樋口監督とまたご一緒することができたという思い出深い作品になりました。出発進行という高市の言葉どおり、自分の人生もまだまだ走り続けていきたいですし、
監督とも今度は20年といわずもっと早く、楽しいレールにのって素晴らしい未来に作品を残していきたいです」(草彅)、「劇場で見るのはやっぱりいいねと思ったり。これからも配信で楽しんでいただけるとうれしいです」(樋口)と締めくくった。そしてフォトタイムの間も仲良しなふたりの会話は止まらず、終始和やかなイベントとなった。

Netflix 映画『新幹線大爆破』
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