シム・ウンギョン主演 映画『旅と日々』に河合優実・高田万作が出演決定 「ウソのなさに、感動しました」
2025.7.1 15:00
シム・ウンギョン主演、今年11月7日(金)公開の映画『旅と日々』に、河合優実と高田万作が出演することが発表された。あわせて、30秒予告映像も公開された。
本作はつげ義春の『海辺の叙景』『ほんやら洞のべんさん』を原作に、シム・ウンギョンを主演、共演に堤真一を迎えた三宅唱監督の最新作。脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先でのべん造(堤真一)との出会いをきっかけに、人生と向き合っていく過程を李本人が綴っていく物語。ひっそりと身を寄せ合う登場人物たちが、やさしさと愛おしさあふれるまなざしで描かれていく。
♦予告映像が公開!
解禁された30秒の予告編は、「行き詰まった脚本家が旅に出た」というコピーから始まる。たどり着いた宿で、宿主であるべん造に「幸せな気分さ、なる話はどうだや?」と問いかけられる李。眼鏡を曇らせながら、うどんを満足そうに頬張る李。雪の中でうっとりするように周囲の音に耳を澄ませる李。行動のひとつひとつに人間味あふれる李のキャラクターの魅力が詰まっている。

さらに「なしてこんなとこ来たの?」と尋ねられると「なんとなくです」と答える李に呼応するように、夏の海で「なんにもしたくなくて」と答える渚(河合優実)の姿が映し出される。そんな雪深い山奥と夏の海辺の風景が行き交う映像、そして「毎日が旅の途中だ」というコピーそのままに、日常と非日常が交錯する旅路へと思わず引き込まれる。
<河合優実 コメント全文>
――本作のお話をもらったとき、率直にどのように思いましたか
『きみの鳥はうたえる』が大好きで、いつか三宅監督とご一緒したいと思い続けていたので、すごくうれしかったです。
――脚本を読んで、どう思いましたか
ふたつの原作を、夏と冬でメタ的に構成しなおすことに驚きがあり、とても面白いと思いました。また、三宅監督が何か新しいことに挑戦している印象があったので、一緒に映画を作ることが楽しみな脚本だと思いました。
――三宅監督との仕事は如何でしたか?
最初に、「監督と演者というより、一緒に作っていく人として接します」と言ってくださったのですが、それがすごくうれしかったです。三宅さんは気さくで話しやすい方ですが、環境づくりはとにかく丁寧で、素晴らしい現場でした。
――完成した映画を観て
傑作だ、と思いました。ほんのささやかな物語の中に、無数の感慨があります。全てのカットが、本当に美しいものを撮っている、または、本当に畏(おそ)れながら撮っている、という感じがして、そういう意味でのウソのなさに、感動しました。皆さんの素晴らしい仕事の結集だと思います。自分がこの映画の中に残っていることがうれしいです。

<髙田万作 コメント全文>
――本作のお話をもらったとき、率直にどのように思いましたか
オーディションの話を頂いた時から、三宅唱監督作品という事もあり「絶対にやりたい」と思っていましたし、自分にとって必ず転機になる作品だと確信していました。合格の連絡をもらった時は、プレッシャーもありましたが、それ以上に早く現場に入りたい気持ちが強かったです。
――脚本を読んで、どう思いましたか
原作の、『海辺の叙景』の少し怖くて、でも目を離せないあの感覚が、脚本に上手く落とし込まれているなと思いました。読みながら、この先2人はどんな結末を迎えてしまうんだろうと、少しゾワゾワした気分になりました。
――三宅監督との仕事は如何でしたか?
監督自身が、現場をすごく楽しまれてるなと思いました。いつも笑顔で、スタッフの方と楽しそうに試行錯誤されてる姿が、すごく印象的でした。演技指導に関しても、監督の言葉ひとつひとつが信頼に満ちていて、難しい演技にも安心して挑戦することができました。
――完成した映画を観て
ただそこに立って、風を受けながら、場所に身を委ねる。旅なんてそれだけで十分だと思える映画でした。言葉に囚われていた主人公が、この旅を通して少しずつほどけていく様な感覚が、皆さんにも伝わればいいなと思います。素敵な作品に関わることが出来て光栄でした。
♦ストーリー
強い日差しが注ぎ込む夏の海。ビーチが似合わない夏男がひとりでたたずんでいると、影のある女・渚に出会う。何を語るでもなく、なんとなく散策するふたり。翌日、ふたりはまた浜辺で会う。台風が近づき大雨が降りしきる中、ふたりは海で泳ぐのだった……。
つげ義春の漫画を原作に李が脚本を書いた映画を大学の授業の一環で上映していた。上映後、学生との質疑応答で映画の感想を問われ、「私には才能がないな、と思いました」と答える李。冬になり、李はひょんなことから訪れた雪荒ぶ旅先の山奥でおんぼろ宿に迷い込む。
雪の重みで今にも落ちてしまいそうな屋根。やる気の感じられない宿主、べん造。暖房もない、まともな食事も出ない、布団も自分で敷く始末。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出すのだった……。

映画『旅と日々』
11月7日(金)TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー
出演:シム・ウンギョン 堤真一 河合優実 高田万作
配給:ビターズ・エンド