「重くて苦しいだけじゃない」 南沙良&馬場ふみかが語る映画『愛されなくても別に』の“光”

2025.6.10 13:45
井樫彩監督と南沙良と馬場ふみかの写真

『響け!ユーフォニアム』で知られる武田綾乃の小説を原作とする映画『愛されなくても別に』の完成披露舞台挨拶が6月8日に行われ、主演の南沙良、馬場ふみか、井樫彩監督が登壇した。毒親や虐待など家族間の問題を抱える女性たちの物語を描く本作は、2025年7月4日(金)より全国公開される。

映画上映後、満員の会場に登場した3名は大きな拍手で迎えられた。SNSでは「2人が共に過ごす日常がとても愛おしかった」「日々感じている不安やしんどさが、少し晴れた気がします」と高評価の声が寄せられている。

南と馬場は本作でそれぞれ、浪費家の母親に依存される主人公・宮田陽彩(みやた・ひいろ)役と過酷な家庭環境で育った江永雅(えなが・みやび)役を演じた。2人は本作のクランクイン前にアクティングコーチのもとでレッスンを受けたという。

馬場は「本編では描かれていなかった母親とのシーンを実際にレッスンでやらせていただいて。それ自体は、(劇中で)陽彩に話している内容のことだったんですけど、クランクインの前にそれを一度(芝居で)やっていたことで、そのシーンを演じることに対してもそうですし、雅という人物を理解するという点でも役に立った」と撮影前のレッスンについて語った。
南も「今までお芝居について学ぶ機会があまりなかったので。これまでワークショップに行ったことはあったんですけど、座学で学ぶという機会が本当になかった。だからすごく新鮮でしたし、勉強になりました」と振り返った。

井樫監督は「彼女たちにとって、役をやる上で手助けになることは何だろうと思って。シーンに描かれてないこととか、そういうことが本編に影響するんじゃないかなと思い、やってもらったという感じですね」と説明した。

南沙良の写真
南沙良

2人の関係性について馬場は「最初はどうやってしゃべろうかなと思っていたんですけど、毎日撮影で一緒にいることが多かったんで。お互いの存在にどんどん慣れていく感じがあって。それが実際の陽彩と雅の関係性にもすごく反映されて、仲良くなってきたなと感じました」と語った。

井樫監督も「撮影中、気付いたらふたりが隣同士で座っていて。ただ無言で座っているのがいいなと。別に社交辞令的な会話もないし、ふたりでボソボソしゃべって、お茶を飲んでいるだけ。その空気感がすてきだなと思いました」と2人の関係性を見守っていたことを明かした。

井樫彩監督の写真
井樫彩監督

イベントでは、6月11日が南の23歳の誕生日、6月21日が馬場の30歳の誕生日ということで、井樫監督からサプライズで花束が贈られた。南は「体調を崩さず健康に。去年1年もそうだったんですが、より新しいことにチャレンジしていける1年になったらいいなと思っています」と1年の抱負を語った。馬場も「ちょうど30代に入るということで。先輩方からも30代は楽しいぞとすごく言われるので、楽しみにしています。楽しく、健康な日々を営んでいきたいと思っています」と決意を語った。

馬場ふみかの写真

最後に馬場は「チラシや予告編を見ると、重くて苦しい作品のように感じられるかもしれないですが、実際に観終えた後は、さわやかさだったり、ちょっとした”光”を感じられるような、そんな作品になっているんじゃないかなと思っております」と本作の魅力を語った。
南も「本当に、生きるということだけですごく難しいことだなと、わたしは日々思っていて。そしてそう思う方もたくさんいらっしゃると思うんです。だからそういう方に届いたらいいなというか、登場人物たちの悩みや勇気、そういったものに寄り添えたらいいのではないかなと思っています」とメッセージを贈った。

井樫彩監督と南沙良と馬場ふみかの写真

《STORY》
宮⽥陽彩(19)は、“クソ”のような⼤学⽣活を送っていた。⼤学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の⺟に変わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と⺟と2⼈暮らしの家計8万を収める⽇々。遊ぶ時間も、⾦もない。何かに期待して⽣きてきたことがない。親にも、友⼈にも…。いつものように早朝にバイトを終えた宮⽥は、⺟のために朝ご飯を作り、家事をした後に⼤学に登校していた。そこで⼤学の同級⽣であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(24)のひょんな噂を⽿にする。威圧的な髪⾊、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮⽥とは正反対の彼⼥の噂。「江永さんのお⽗さんって殺⼈犯なんだって」他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが⼈⽣を変えていく−。

映画『愛されなくても別に』は2025年7月4日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
公式HPはこちらから

Ⓒ武⽥綾乃/講談社 Ⓒ2025 映画「愛されなくても別に」製作委員会

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