中村獅童ファミリー 妻・沙織さんが明かす「歌舞伎が嫌ならやめてもいい」という考え方
2025.6.10 12:20
沙織さんの1日は、朝ごはん・陽喜くんのお弁当作りにはじまり、夏幹くんの幼稚園への送迎、歌舞伎関係者へのお礼状書き、歌舞伎の稽古と、スケジュールがみっちり。右も左も分からない歌舞伎界で、息子2人のために奮闘しているのがわかる。
そんな沙織さんの努力の影には、獅童の母・陽子さんから受け継いだ思いがあった。
現在の中村獅童は2代目で、初代・獅童は父・小川三喜雄さん。しかし、獅童が生まれる前に、自らの意思で歌舞伎役者を廃業。そのため獅童は、本来なら親から引き継ぐ「歌舞伎の演目」がなかった。母・陽子さんは、歌舞伎界での後ろ盾がない息子のために、「いつか獅童がお芝居を出せるような役者になったら、これをやらせてください」といった、新作歌舞伎の企画書を作成。獅童に内緒で売り込みをしていたのだという。
それを知った時、獅童は「泣くよね」といい、「写真を見てても思い出すけど、愛情深く育ててくれたんだなって、すごい実感してます」と語った。
息子のやりたいことのためなら全力でサポートする。この姿勢は、獅童の妻・沙織さんにも。「やるって言ったことに対しては、いい結果を出してほしいじゃないですか、親として。だからそれの最善を尽くしている」という沙織さん。
さらに、「舞台に立つ上では、一応“獅童の子ども“として立たせていただいているので、見どころのある役をいただくことも多いですけど、やっぱりそうじゃなくなったときに、果たして、ちやほやされたまま、何も芸を身につけずに、お声がけしていただいたのに何もできなかった、というのが一番怖いので」と、著名な父をもつがゆえの2人の将来を案じ、2人のためにと日々支え続ける理由を明かした。
そんな歌舞伎役者の息子をもつ、獅童の母・陽子さんと、妻・沙織さんには、共通の考え方がある。それは“歌舞伎が嫌ならやめてもいい”ということ。歌舞伎役者になりたいと言ったのは息子たちであり、そのためならば最善のサポートをするが、嫌になったら続けなくてもいいのだという。
母・陽子さんは、獅童に「やめるんだったらやめたらいいし、自分の好きなことをやればいい」と何度も言っていたのだという。一方沙織さんも、陽喜くんと夏幹くんに対して「初お目見えのとき、初舞台のとき、名前が変わるときも、ちゃんと説明をして、“あなたはやりますか、やりませんか”といったら、2人とも“やります”って」「自分で決めたことなので。私はそれに対して応援するだけなので。“やめたい”と言ったら、どうぞやめていいよ(と言うつもり)」と語った。
歌舞伎役者を続けてほしいのではなく、好きなことだから全力で応援するという、子どもの意志を尊重する2人の母。その姿に、スタジオが感嘆した。