松下洸平 ミュージシャンから俳優に転向も仕事が全くない…「毎日怒られながら、必死」終わりの見えない日々を振り返る

2025.6.2 12:20
松下洸平の写真

俳優の松下洸平(38)が、31日放送の『Google Pixel presents ANOTHER SKY(アナザースカイ)』に出演した。俳優業の他にもタレントやシンガーソングライターなど、さまざまな顔を持つ松下が、今回はアメリカ・ニューヨークを訪問。これまでの道のりを振り返った。

さまざまな肩書を持つ彼だが、最初の仕事は歌手だった。美術科の高校を卒業後、音楽の専門学校に進学し、21歳という若さでシンガーソングライターとしてメジャーデビュー。その瞬間のことを思い出すと、「“来たな”と。“これは売れるぞ”と。漠然とした自信とか夢が広がった」と話す。しかし現実は甘くなく、デビュー後は結果が振るわず、活動を休止することに。音楽に賭けていただけに「他なにすればいいんだろう」と大きな壁にぶつかったという。

そんな状態だった松下に訪れた転機は、突然舞い込んできたミュージカルのオーディション。主要人物の1人が決まっておらず、記念受験のつもりで受けてみたという。「僕は役者になるつもりは全然なかった」というが、結果はまさかの合格。実際に舞台に立ってみると「超楽しいじゃん」と、芝居の世界に魅了され、俳優としてのキャリアが始まった。ただもちろんのこと、芝居の世界も音楽と同じく険しい道のり。想像もしていなかったようなハードな現実に直面したという。

一度舞台に立ったからといって、すぐにオファーが殺到するようなことはあるはずもなく、けれどなんとか業界とのかかわりを持つため、演劇雑誌のライターとしても働くこともあったという。また、演技の仕事をもらえても、初舞台のときの初心者に優しい雰囲気はそこになく「毎日怒られながら、必死でしたね」と振り返った。

そんなふうに芝居の世界になんとかしがみつき、長い苦悩の先に日の目を見たのは、2019年放送のNHK連続テレビ小説『スカーレット』への出演。毎年のようにオーディションに参加するも一次審査より先に進めない中、「これが最後」という気持ちで受けた結果だった。終わりが見えないかに思われた苦労が報われ、「めちゃくちゃうれしかったし、その瞬間、ある意味夢だったものが1個かなった」と、喜びかみしめたというが、そこがゴールではないことを、すぐに思い知ったという。「ゴールテープを切った瞬間に、もう目の前に新しい白線が引かれていた」と、次から次へ新たな荒波に飛び込む日々が始まった。

そうして今や、現場に引っ張りだこの俳優になった松下。はじめてのミュージカル出演から15年が経過した今年は、ミュージカル『ケイン&アベル』の主演・ケイン役に抜てきされた。それでもなお、挑戦の日々は続いており、「一歩一歩階段を上っていっても、上には上がいて、一生超えられなさそうな偉大な先輩方が僕の前をずっと歩いていらっしゃるから必死ですね」と話す。つらい現実に今なお打ちのめされることがありながら、仕事について話す松下の顔はどこか楽しげ。それは自分が本当に楽しいと思えることをやれているからに他ならない。

「自分が楽しいと思うことをやるべき。それに尽きる気がします。好きだったらしんどくても頑張れるはず。自分がこれが好きかどうかわからなくなる瞬間があると思うんですよ。そういうときときは大いに休めばいいし、立ち止まって考えるべきだと思う。答えを知ってるのは自分だから、決めるのは自分」とコメント。長い苦悩、幾度もの挫折を味わった松下だからこその言葉を口にする。「不安もあるし期待もあるし、どっちもありますけど、真っ白な紙見るとテンション上がるんですよ。何か描きたいなと思っちゃうんで、だから白紙のほうが面白いと思いますよ」と、これから先も予想などできない未来に対して、希望を語った。

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写真提供:(C)日テレ

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