松坂桃李「え、歌ってくれる!!」寺尾聰の生「ルビーの指環」に大興奮 映画『父と僕の終わらない歌』公開初日舞台あいさつ
2025.5.26 15:45それぞれが作品への強い愛を語る中、ここで、5月18日に78歳の誕生日を迎えたばかりの寺尾へサプライズゲストが。作中で、寺尾演じる哲太の主治医を演じ、寺尾とは古くから親交の深い佐藤浩市が大きな花束を手に舞台袖に姿を見せると、予期せぬゲストに寺尾も思わず大興奮の表情。 舞台の中央でがっちりとハグを交わした。
「言葉が出ないほどうれしいです」と声が上ずる寺尾。「佐藤浩市さんは、ずっーっと親の代からの付き合いで、血は繋がっていないけれど“弟”のような存在です。これまでの共演では、実際に向かい合って芝居をしたことがなかったけれど、この作品では向かい合って芝居ができてうれしかったです。腰抜かすぐらいうれしいです!」と、よろこびを爆発させる。互いに“寺にい”、“こうちゃん”と、兄弟のような親しみを込めて呼び合う仲だという寺尾と佐藤浩市。


この日は本作で親子を演じた松坂桃李、過去に息子役を演じたディーン、そして、弟のような存在という佐藤浩市に囲まれ、「羨ましいでしょ?みなさん。こんな最高のいい男ばっかりが“兄弟”だったり“息子”だったりで!(笑)」と声を弾ませ、会場の笑いを誘った。その後も一人一人の共演者に対して、愛情深い言葉を投げかける寺尾だが、小泉監督に対して「最後に出演しようと背中を押してくれたのは、小泉監督の『寺尾さんの代表作にします。』という言葉でした。実際に観ていただいて、代表作になったかどうか・・・」と、客席に問いかけるとこの日一番の拍手喝采(かっさい)が。寺尾自身も“代表作”とうなずける客席の反応に、寺尾と小泉も顔を合わせうれしそうな様子を見せた。
さらにこの日はもう一つ、寺尾へのサプライズのプレゼントが。劇中で見事な歌声を披露した寺尾だが、その楽曲が収められた、キャストのサイン入り“特製レコード”が贈られた。世界に一つしかない超貴重なレコードに、「これをコピーして・・・(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「いやー、これはうれしいな!」と満面の笑みをこぼす。劇中で“レコードデビューを目指す父”を演じた寺尾だが、最高の形の“特製レコード”となって実現することとなった。

音楽についての話題になると、撮影中に代表曲の一つ『ルビーの指環』を寺尾が生歌唱したというエピソードを、松坂桃李、松坂慶子が披露。「贅沢でしたね。エキストラさんとか皆さんがいるテストの時に、『ルビーの指環』を歌われて・・・『え、歌ってくれる!!』となって。それはすっごいうれしかったですね」と、超貴重なシーンに立ち会った当時の興奮を明かす。そんな松坂に対し寺尾も「彼はあんまり歌が得意じゃないっていうんですけど、一緒に歌うシーンは本当に素晴らしくて。あんまり気持ちよかったので、飛び跳ねて歌っちゃいました」と、作品を象徴するようなドライブ中の親子の歌唱シーンを楽しそうに振り返った。

温かな雰囲気をまとったキャスト陣の愛のあふれるトークで、笑いあり涙ありとなった舞台あいさつ。最後に松坂は「ようやく皆様に届けることができてうれしく思っております。本当に愛に包まれて、心を支えてくれるような、寄り添ってくれるような、そんな作品になればいいなと思います。ぜひ沢山の方に広めていただければと思います!」とにこやかに呼びかけ、寺尾は「映画というのは長い時間をかけて、よく『心を一つにして』というんですけど、なかなかうまくいかない者なんです。ただ、この映画は紛れもなく皆が一体となって、手を繋いで出来上がった作品です。文字通り“心を込めて”作った作品です。映画のテーマは悲しいテーマかもしれません、辛い部分もあるでしょう。でも愛に包まれた中で完結していく映画です。日本中の皆さん、ぜひ、ぜひ、ぜひ、劇場に行って観てください」と舞台あいさつを締めくくった。

映画『父と僕の終わらない歌』
5月23日(金)より全国公開中