カンヌ映画祭で映画『国宝』が大絶賛!吉沢亮×横浜流星主演作に6分間のスタンディングオベーション
2025.5.20 17:30
吉沢亮主演、横浜流星共演の映画『国宝』がカンヌ国際映画祭「監督週間」部門での公式上映で大絶賛を浴びた。会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれ、約6分間にわたるスタンディングオベーションが続いた。
本作は、2002年『パレード』で山本周五郎賞、『パークライフ』で芥川賞を受賞、2007年『悪人』では、毎日出版文化賞、大佛次郎賞など数々の賞に輝いた吉田修一の最高傑作との呼び声高い『国宝』が原作。
任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶ、田中泯、森七菜、見上愛、永瀬正敏、宮澤エマ、黒川想矢、越山敬達、三浦貴大、嶋田久作らが名を連ね、映画『国宝』の世界を彩る。本作のメガホンをとるのは、『フラガール』(2006 年)で日本中を感動の涙で包んだ李相日監督。
現地時間5月18日に行われた公式上映には、吉沢亮、横浜流星、渡辺謙、李相日監督が参加。上映開始前、「監督週間」ディレクターのジュリアン・レジ氏は「本日は日本の監督をお迎えしまして、我々も非常に気に入った作品を紹介させていただきます。最近ではなかなか見ないメロドラマで、半世紀に及ぶ日本人の歌舞伎役者の半生を描いた作品です。そしてこの作品の特徴といえるのが、歌舞伎役者でもなく女形でもない、日本の映画界のスターの人たちが1年半かけて稽古をし、歌舞伎を再現しつつ、様々な人たちに歌舞伎を理解していただけるような映画になっています。」と紹介。

李相日監督は「歴史あるカンヌ国際映画祭、そしてとても意義の深い成り立ちであるこの監督週間に選ばれたことを本当に、とてもとても、日本のスタッフも他の役者も全員が光栄に思っております」とあいさつ。吉沢亮は「映画に携わっている者にとっての憧れの地で、世界中の皆さまに、日本の伝統芸能である歌舞伎を題材とした映画をお届けできることを非常に光栄に思います。僕と流星が1年半かけて歌舞伎というものと向き合って、どうにか完成させた作品です。皆さまがどのようにこの作品を観てくださるのか、非常に不安もありますが、すごく楽しみにしております。今日は最後までお楽しみください。」と述べた。

横浜流星は「映画人としての憧れの地、カンヌに来ることができ、非常にうれしく思っております。日本の伝統芸能を題材にした人間ドラマが皆さまの心にどう届くのか、非常に楽しみにしております。上映を楽しんでご覧ください」とコメント。

渡辺謙は流ちょうな英語で「本日ここに立てたことを本当に光栄に思います。2人の才能ある俳優の努力のたまものであるこの映画は、成功を手に入れるはずです。私は彼らの献身に心から敬意を払います。どうかこの作品をお楽しみください。そして繰り返しますが、この映画は少しだけ長いです(笑)」と笑いを交えながらあいさつ。

上映後、会場は大きな拍手と歓声に包まれ、歌舞伎の大向こうさながらに「KIKUO!」との声が上がった。約6分にわたる熱狂的なスタンディングオベーションが続き、吉沢と横浜は熱く抱き合い、李監督と渡辺は握手をするなど、お互いを称えあい、喜びを分かち合った。

李監督は「最後の最後で、ものすごくちゃんと我々が込めたものがすべて届いている、伝わっているという感触がダイレクトにあって、震えが来る感じがしました」と感動を語った。吉沢は「我々がこの作品に込めた熱量みたいなものをしっかり受け取ってくださって、これだけの盛り上がりを見せてくださり、すごく胸に来るものがありました」、横浜は「観終わった後の鳴りやまない拍手、あの光景はこれから先も忘れないと思いますし、本当に役者をやっていてよかったなと思える瞬間でした」と、2人とも感激の面持ちでコメント。渡辺は「最後に喜久雄が観た風景を僕らみんなで観させてもらった、そんな気がしました。ちょっとやっぱりここ(胸)が震えました」と述べ、4人全員が涙を滲ませた。

海外の観客からは「とても美しくて印象に残る映画でした。映像も非常に印象的で、素晴らしかったです。クライマックスのシーン、すべては語りきれませんがコントラストがとても美しかったです。もっともっと続きを観たいと感じさせました」「とても面白かったです。私が予想していた以上のものでした。監督の演出も素晴らしくて、すべてが自分にとっては新しい世界であり、すべての観点が自分にとっては発見でした。私は歌舞伎についてまったく知らなかったので、この映画は歌舞伎と日本文化に対してのいい発見になりました」などの感想が寄せられた。

《ストーリー》
後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる2人。ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく…。誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる ――。
映画『国宝』は2025年6月6日(金)より全国東宝系にて公開
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