三宅健が溶け込みすぎて… 宮藤官九郎「絶対に地元の方だ」と勘違い
2025.1.21 13:00
映画『サンセット・サンライズ』の公開初日舞台挨拶が開催され、主演の菅田将暉をはじめ、井上真央、中村雅俊、三宅健、監 督の岸善幸、脚本の宮藤官九郎が上映後の舞台挨拶に登壇した。
本作は、コロナ禍の日本で、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディ。都会から移住した釣り好きサラリーマン⻄尾晋作(菅田将暉)と、宮城県・ 南三陸で生きる住⺠との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描く。
■撮影時の“中村雅俊”とのエピソードをキャスト陣が語る
本作のイベントで、菅田将暉、井上真央、中村雅俊が顔を揃えるのは今回が初めて。
菅田は「現場で中村さんと最初にお芝居したのが、僕(晋作)が家を借りることになって、電話がかかってきて、電話に出たら遠くに中村さんと井上さんが双眼鏡を持ちながらこっちを見ているというシーンでした。現場でも本当に遠くに(中村さんが)見えたんですけど、(指と指を狭むポーズをしながら)こんなんで(笑) “小さい中村さん”を覚えています」と懐かしそうに述懐。

この言葉に中村も「俺も“小さい菅田くん”を覚えてます(笑) その時、菅田くんを初めて見ました。それまで会ったこともないので『これが菅田か…』と思って見ていました」と初共演を振り返った。
井上は“父”中村について「いつもシュッとされているので、(役柄の衣装の)腹巻とか、ももひきをつけている姿が想像できなかったんですけど、いざ現場に現われるとすごく似合ってらっしゃって(笑) でも方言については、雅俊さんはネイティブなはずなのに、すごく現場で練習されていた」と現場での様子について明かす。

宮城県出身の中村は「俺ね、ネイティブの宮城弁をしゃべれると思ったら、意外と難しいんですよ(苦笑) 俺は女川で、(本作の舞台の)気仙沼とはビミョーに違っていて結構、練習しました。自分で言ってて“あれ? これネイティブじゃないな…”と思いながら」と苦笑交じりに語った。
さらに中村は「最初の問題は“俺が漁師に見えない”というところから始まって…」と振り返ったが、岸監督は「ご協力いただいた漁師さんたちになじんでいただいて、魚のさばき方とかを一緒にやっていくうちにどんどん漁師に見えてきました」と称賛を送った。

■宮藤官九郎の脚本に監督「実は、CGですごく大変だったんです」
様々な小ネタが満載の、宮藤の脚本について、菅田は「そういうの(=小ネタ)がいっぱいで、冒頭のアニエスベー(※釣りのエサのイソメが『アニエスベーのロゴに見える』というギャグ)に始まり… これ、どうやって撮るんだろう?って思っていたら、すごく大変だったみたいです、現場で(笑)」と指摘。
宮藤は「アオイソメがアニエスベーに見えるなって、前から思っていたんです(笑) どうやって撮るんだろうと思っていましたけど、(完成した映画を)見たら完璧」と製作陣を称賛した。

岸監督は「実は、CGですごく大変だったんです (苦笑)。イソメの口が開いてエイリアンみたいになるところまで想定したんですけど、流石にそこまではお金がなかったです」と明かし、菅田も「CG部の人も発注が来た時、ビックリしたでしょうね。(気仙沼の描写の)大自然がリアルで“イソメが CG”って変な話ですね(笑)」と楽しそうに笑みを浮かべていた。

井上は「コメディ要素だけでなく、宮藤さんが描く、さみしさ、モヤモヤした気持ちがふっとにじみ出る瞬間、 (自身が演じた)百香の最初の“キレイ…”というひと言もそうですけど、見ている人に託す感じがすごく好きです」と語り、三宅も「笑いも大好きですけど、行間を感じられる脚本だったので、『泣く』とか意識せずとも、気づいたら宮藤さんのセリフで気持ちを持っていかれることが多々ありました」と明かした。
■三宅健の現地への溶け込みっぷりに宮藤思わず勘違い…
そんな宮藤は、三宅との撮影を振り返りエピソードを語る。宮藤は「現場でお会いした時、金髪で真ん中がちょっと黒くなってる人がいて」と話すと「“絶対に地元の方だ…。地元の暴走族が来ちゃったんだな”と思ったら本物の三宅さんでした(笑) すごくハマっていてビックリしました」と勘違いエピソードを明かし、会場は笑いに包まれた。
■中村のかつての付き人・小日向文世と初共演
共に演じるシーンはなかったものの、かつて中村の付き人を務めていた小日向文世と、初めて同じ作品へ出演。中村は「エンドロールで、名前が並んで出てくるのは初めて。特別な思いでした。すごく嬉しくて、最後のタイトルを見た時“あぁ、小日向と俺が映ってる…”と」と感慨深げに語り、会場は温かい拍手に包まれた。

菅田が「小日向さんが中村さんに“つなぎを借りパクされた”と楽しそうに話していました」と小日向から聞かされたという“疑惑”について、真相を尋ねると中村は「もう40何年前の話(笑) あいつが、デカいつなぎを着ていて、それがすごく良いんですよ。“小日向、それちょっと貸してよ”って言って、そのまま何かの番組に出て、返さずにいたら何十年も経っていて。“雅俊さん、あれ、どうしました?”って聞くから『あんなのどこ行ったか知らねぇよ』って言ったら“ひどい!”って(笑)」と明かし、再び会場は笑いに包まれていた。
■菅田&中村 朝焼けシーンの撮影でうっとり
劇中の、中村と菅田が2人で朝焼けの中で歌う感動的なシーンについては、菅田は「気持ちよかったですねぇ。朝の気仙沼の水平線がキレイで…」としみじみ。
中村も「感激するほど素晴らしい景色でいい感じでした」とうなずいていた。
■キャスト陣の2025 年の“初笑い”は?
2025 年の“初笑い”エピソードを尋ねられると、三宅は、自身の初笑いとして、本作のライブ配信イベントでの井上のある振る舞いについて言及。「おそらくYouTubeの生配信を井上さんはやったことないからご存じなくて、僕が配信にコメントを寄せてくれる人たちのコメントを自分の携帯で見ていたんですけど、僕のスマホを取って“私が撮ってあげる”って言い出して(笑) 『この人、本当に天然なんだな』って笑っちゃいました。とてもかわいらしい人だなと思いました」と井上の天然でキュートな一面を明かした。

そして舞台挨拶の最後には、菅田が「みなさんのおかげで公開できて、こうして舞台挨拶ができてうれしいです」と感謝の思いを口にする。続けて「(この映画を見て)晋作のように、いろんなところに旅に行くきっかけになったり、“おいしいものが食べたいな”と気仙沼や東北の地に足を運んでいただけるとうれしいです。あとは、どうかみなさま、今年も一年、健康でがんばっていきましょう!」と呼びかけた。
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映画『サンセット・サンライズ』は、全国公開中。
出演:菅田将暉、井上真央、中村雅俊、三宅健、池脇千鶴、
竹原ピストル、山本浩司、好井まさお、小日向文世 ほか
脚本:宮藤官九郎
監督:岸善幸
配給:ワーナー・ブラザース映画