アニメ『薬屋のひとりごと』編集部が選ぶ“もう一度見たい”名場面

2024.4.5 18:45

2023年10月より約5か月間にわたって放送されてきたアニメ『薬屋のひとりごと』。シリーズ累計3300万部を突破し、各種配信サイトでも常にランキング上位をキープしていた大人気作品。後宮を舞台に「毒見役」の少女が、様々な難事件を解決する本作には、後宮という舞台設定から、謎に包まれたキャラクターたち、謎解き好きにはたまらない推理後のスッキリさなど見どころが満載。今回は3月23日にアニメの最終回を迎えたことを記念して、もう一度見たい名場面をentax編集部がチョイス。ぜひ、ご自身の好きなシーンを思い浮かべながら読んでみてほしい。

（以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます）

◆名場面その①『そばかすの秘密』

1話から主人公の猫猫（マオマオ）は壬氏（ジンシ）に気に入られ、事あるごとに頼られては、毒の知識を使い事件を解決していく。そんな中、華やかな大イベント“園遊会”で猫猫は玉葉妃（ギョクヨウヒ）の侍女として参加することに。いつもの服装とは違い華やかな衣装を身にまとうことになり、他の侍女に「たまにはそばかすも隠さなきゃ」と指摘される。だがその“そばかす”こそ猫猫が自身でほどこした化粧であることを明かす。「毎日そばかすの化粧をしていました。化粧はきれいにするだけのものではありません」と話す猫猫は、女に飢えている男に裏路地に連れ込まれないようにするために、毎日そばかすをつけていたと告白。

第1話からそばかすの付いた顔で認識していた視聴者からすると、まさかきれいな顔立ちを隠すために、わざとそばかすを付けていたとは夢にも思わず、猫猫の明かした秘密に驚いた人も多いだろう。この第5話で猫猫たちのいる世界はキラキラした後宮だけではないことがわかり、少し闇が見えたシーンといえる。その後もそばかすのない素顔の猫猫が登場するたびに、普段とのギャップにキュンキュンきた人も多いのではないだろうか。

◆名場面その②『猫猫と壬氏のギャップ』

先程も紹介した“そばかす”という外見のギャップ以外にも猫猫の毒好きや酒好きが高じて、普段の冷静なテンションがはね上がる瞬間が稀に見られ、そちらも話題を集めていた。第11話では阿多妃（アードゥオヒ）が城壁の上で会った猫猫に「一杯付き合わないか」と酒を見せると、冷静に話していた表情から一変、目がキラキラと輝き酒を求める。

さらに第19話では壬氏から仕事を頼まれるも、渋っていた猫猫に“牛黄（ごおう）”をやろうと壬氏が話すと、これまた一変「牛黄とは薬の一種であり牛の胆石！千いるうちの一頭にしかないとされる薬の最高級品！！」「それをくれるというのか！？本当か、うそじゃないだろうな！？」とまくしたてる。その食いつきぶりに引く壬氏と、猫猫をなだめる壬氏の付き人・高順（ガオシュン）の流れも何度も見たくなるシーン間違いなし。

壬氏は誰もがひかれる美貌をもち常に人前では笑顔を絶やさないが、猫猫のことが気になるのか、事あるごとに猫猫の些細（ささい）なひと言に振り回されていた。武官の李白（リハク）と仲良くしゃべっているとやきもちをやいたように現れたり、猫猫と一緒にいると無邪気な笑顔を浮かべる壬氏に愛（いと）しい気持ちになる視聴者も多かったのではないだろうか。

◆名場面その③『全ての事件の伏線回収』

第19話ではこれまで猫猫が解いてきた食中毒で亡くなった珍味好きの官僚や、甘党の官僚が亡くなった事件、倉庫爆発、彫金細工師の謎の遺言など数々の事件の不可解なつながりに違和感をもった猫猫は、祭事中の建物に向かう。そこで武官と言い合いになり殴り飛ばされた猫猫を見て、武官に怒りを覚えた視聴者も多いだろう。そして猫猫がボロボロになりながら祭事にたどり着いた瞬間、柱の金具が外れる音がして、祭事を行っていた者“壬氏”を救ったのだ。その後怪我をおった猫猫を壬氏が抱きかかえて運ぶシーンは、挿入歌も相まって我々視聴者が涙なしには見られないシーンだった。

この第19話ではこれまで猫猫とともに視聴者も追ってきた過去の事件が1つにつながっていく構成に驚き、さらに視聴者が愛する主人公・猫猫が殴られるという痛々しさも感じ、壬氏が猫猫を抱きかかえるという“キュン”ポイントもあった。一方で猫猫の実の父・羅漢の心情がまだわからない中の複雑な表情を見て、考察をする視聴者も多い回となっていた。