アニメ『葬送のフリーレン』 今季冬アニメ“最高作画”の声 複製体との激戦にファン大興奮「すごすぎて涙出た」

2024.3.12 19:15

3月8日に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』第26話。熾烈(しれつ)を極める“複製体フリーレン”との戦いは、まるで宇宙空間にいるような美しくも激しい魔法の応酬へ。激闘の果てに、フェルンは“魔法の高み”を見るのだった…。そんな今話は、本作を手掛ける斎藤圭一郎監督が「ここまで積み上げてきたありったけをぶつけた」とコメントするほど。SNSでの反響も大きく「今期冬アニメの中で一番の作画」「すごすぎて涙出てきた」と絶賛の声が並ぶほか、そのクオリティーの高さから“映画化”を求めるファンが後を絶たない。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

◆想定の範囲内

未踏破ダンジョン〈零落の王墓〉最深部へと続く扉の前、杖(つえ)を構えた三者がそろう。フリーレンとフェルン、そして実力も魔力も技術さえも模倣したフリーレンの“複製体”。一級魔法使い試験 第二次試験に合格するにはこの戦いを制し、複製体自体を生み出す神話時代の魔物〈シュピーゲル(水鏡の悪魔)〉を倒さなくてはいけない。

“複製体”はチラリとフェルンを見やると、次にフリーレンへと視線を運ぶ。“対処すべきはこちら…”と考えたのだろうか。互いの目を合わせたまま、“フリーレンたち”はふわりと宙へ浮かんだ。直後、杖先が同時に向き合う。瞬時に防御魔法を展開し、杖先を右へ左へとずらしながら相手の隙をうかがい合う。“行動パターン”はどうやら同じようだ。フリーレンたちはまた同時に魔法を唱えた。

「〈ジュドラジルム(破滅の雷を放つ魔法)〉」。瞬間、紫色の球が出現し、割れたかと思えば弾け飛ぶ。蛇のようにうねる光の線を走らせながら雷鳴の如く轟音(ごうおん)を響かせた。周囲の地面を割るほどのとてつもない威力。フェルンはひとり、柱の陰へと転がり込んだ。彼女の狙いは、“複製体”のある致命的な隙をつくこと。 “フリーレン”には、魔法を使う際のほんのわずかな一瞬だけ魔力探知が途切れる悪癖がある。フェルンは壮絶な二者の戦いをひっそりと見つめながら、 “そのとき”をじっと待った。

フリーレンvs複製体(画像は第25話より引用)

一方、フリーレンたちの戦いは熾烈(しれつ)を極めていく。「〈ヴォルザンベル(地獄の業火を出す魔法)〉」。高熱を帯びた深紅の光が、まるでマグマのようにあふれ出て広間を赤黒く染め上げる。刹那、フリーレンは気づく。「(魔力探知が途切れた)」。この隙に潜伏したフェルンを複製体は警戒するだろうが、今は目の前の“自分”に対処するので精一杯のはず。“フリーレンの怖さ”を一番わかっているのも、また自分なのだから…。

空中で魔法をぶつけ合う最中、 “複製体”が距離を縮めてきた頃合いでフリーレンはふと笑みを浮かべる。そのまま体をひるがえすと、自身の背中に隠れていたフェルンの杖から一筋の光が放たれる。速射性に優れた一般攻撃魔法〈ゾルトラーク〉。エルフにとってはまだなじみの浅いその魔法は、“複製体”ごと地面を貫いた。

だが辛うじて防御魔法が間に合ったのか、土煙のなかに見え隠れする“複製体”はどうやら無傷。それどころか、何やら手のひらに魔力を集めていた…。小さな黒い球体を包むオレンジ色の光。それは徐々に宙高く浮かんでいき、自身を中心に渦巻く暴風を巻き起こした。引き込まれた大小様々な瓦礫(がれき)が巡る様子は、まるで宇宙…。やがてオレンジ色の光は周囲の瓦礫ともども大爆発を起こし、フリーレンが展開した防御魔法と相殺した。

すると、“今度はこちらの番”と言わんばかりにフリーレンは次の一手へ。転がる瓦礫を逆に利用して巨大なゴーレムを仕立て上げる。剛建なその肩に乗り立つと、紫色の“雷光”を杖とゴーレムの胸先から同時に放った。自身の前面に大きく防御魔法を展開する“複製体”を、数多(あまた)の爆発と土煙が覆い隠していく。…視界が晴れる頃、フェルンはすでに“背後”をとっていた。防御から一転、 “複製体”が攻撃魔法を放とうとしたそのとき、再び放たれる〈ゾルトラーク〉。しかし、敵もまた“フリーレン”。瞬時に全身を守るよう展開された防御魔法によって、フェルンの攻撃はまたも空振りに終わった。「想定の範囲内だね。ここから先は消耗戦だ」。フリーレンは自身の複製体と改めて視線を交わす…。

“複製体”と相対するフリーレン

◆魔法の高み

一進一退が続く激戦の最中、“複製体”の攻撃をギリギリで交わしながらフリーレンは現状を分析していた。「(この“隙”も駄目だな…)」。ちらとフェルンを見やる。自分であれば見逃さない“複製体”のわずかな隙も、彼女ではまだ気付くことができないようだ。「(……やっぱりやるしかない)」

―― “複製体”との戦いに挑む前、魔力探知の隙だけでは不十分だと考えこむフェルンがぼそりとつぶやいた。「もっと大きな隙があれば勝てるのですが…」。その肩にフリーレンは手を置いて答える。「“勝てる”んだね? なら、隙を作ろう」。提案したのは、こちらからあえて“隙“を見せることで複製体のさらなる”隙“を生み出すというもの。危険は承知の上だが、ほかに勝利を見込める策は現状ない。

「では、その場合の作戦は…?」。不安なまま尋ねる弟子に、フリーレンは背を向けたまま応じる。「任せるよ。フェルンが勝てると思っているのなら勝てる。……だって私は、フェルンのことを“なめて”いるから」。師から放たれた意外な言葉に、フェルンは一瞬戸惑いを見せるもすぐにほほ笑んだ。“それ”は決して侮辱の意味ではない。長い年月を共にするなかで、2人の間にはいつしか不思議な信頼関係が生まれていた。「それは良かったです。なら、十分勝機はありますね」。フェルンの表情が自信に満ちると、フリーレンの口元にも笑みが浮かぶのだった――

拘束魔法の実験シーン 動けないフェルンをフリーレンがつんつんする様子からも2人の関係性がうかがえる

とどまることなくフリーレンを襲う、“複製体”の攻撃。それは宇宙の創生を思わせるような、星の消滅に似たような魔法の数々。だが、なおも冷静に対処し続けるフリーレンを見て、“複製体”はいよいよその膨大な魔力を解放する。杖先に生じた巨大な魔法陣から吹き出した漆黒の光は、触れたもの全てを飲みこまんとフリーレンへ。すぐさま展開された防御魔法を圧倒的な力で打ちたたいた。

フリーレンを守る魔法の“壁”に、次第にヒビが入っていく…。だが彼女はどこかタイミングを計るように、その様子を落ち着いて見ていた。やがて防御壁がガラスのように砕け散ると、避けきれなかった魔法の一部がフリーレンの左腕を焦がす。その“隙”を敵は見逃さない。一気に距離を詰めてフリーレンの鼻先に杖を向けると、王手をかけたその一撃を放たんと眩(まばゆ)い光を集めた…。

まさに、そのときだった。 “複製体”の背中をフェルンの〈ゾルトラーク〉が刺した。彼女はそのまま反撃の猶予も逃走の余地も与えずに、幾度となく追撃を放つ。揺れ動く土煙の隙間から見えた“複製体”は両腕が消し飛んでいた。「(致命傷だ。トドメを…)」。フェルンが思考を巡らせた一瞬、“複製体”と視線が合った。こちらを鋭く睨(にら)みつけている。直後、フェルンの体ははるか後方へと吹き飛ばされていた…。

「(…何が起こった? 攻撃された!?)」。苦悶(くもん)の表情を浮かべながら状況を整理する。どういうわけか、目があっただけで壁に叩き付けられた。そればかりか体はメリメリと壁に食いこんでいき、今にも押しつぶされてしまいそうだ。「(魔力を全く感じない…。この攻撃を、私は魔法として認識できていない…)」。圧倒的な実力を持つ“フリーレン”が見せた、“魔法の高み”。フェルンは吐血しながらも「(すごいです…)」と、師の持つ異次元の強さに笑みを浮かべる。

「でも、らしくないです。……“隙”だらけです」。フェルンが呟(つぶや)いた瞬間、フリーレンは“複製体”の背後をとっていた。建物を震わせるほどの轟音を放つ一撃。不意をつかれた“複製体”は、魔法の光に埋もれながら塵(ちり)となった…。「よくやった、フェルン。“あれ”を見せるほど追い詰められたのは80年ぶりかな」。弟子の成長ぶりに、フリーレンは誇らしげな笑顔を浮かべる。倒れ込んだフェルンに手を差し伸べると、扉向こうのシュピーゲルのもとへ向かったのだった。

“複製体”の隙をついたフェルン

◆ファン大興奮! 神作画の戦闘シーンに思わず涙?

見事最深部へたどり着いたフリーレンたちはその後、複製体を生み出していたシュピーゲルも撃破。無事だった受験者たちが最深部へと集い、第二次試験は終了した。圧倒的な実力を持つ“二人のフリーレン”の大迫力な戦闘が描かれた今話、視聴者からは「いきなりド級の魔法戦から始まって変な声出ちゃった。何この惑星みたいな魔法…」「映画館で観ても言葉失うレベルやのに週一のアニメで放送しちゃっていいの?」「今期冬アニメの中で一番の作画だと思う」と大絶賛の声。

なかには「すごすぎて涙出てきた」というファンもいたほか、「戦闘シーン集をまとめて映画館で上映してください。大スクリーンで観たすぎる」「サントラも素晴らしいから映画館の音響で聴きたい」「映画館で見たいなー。総集編とかやってもらえませんかね?」と、アニメ『葬送のフリーレン』の“映画化”を待ち望む声が多く上がっていた。

次回『葬送のフリーレン』第27話「人間の時代」は、3月15日(金)「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」(全国 30 局ネット)にて放送予定。果たして、続く第三次試験の内容はどのようなものなのか。

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©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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