橋本環奈 作品への熱い思いが止まらず「話しすぎちゃった…」舞台『千と千尋の神隠し』製作会見
2024.3.1 17:05
3月11日から6月20日にかけて帝国劇場をはじめロンドンでも上演される、舞台『千と千尋の神隠し』の製作会見が2月29日に都内で行われ、千尋役で主演を務める橋本環奈、上白石萌音、川栄李奈、福地桃子（クアトロキャスト）を含む総勢22名の豪華キャスト・スタッフが登壇した。
原作は、2001年に公開された宮崎駿監督による不朽の名作。2022年に英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエイト・ディレクターのジョン・ケアード氏翻案・演出により舞台化された。2023年の再演を経て、今年3月から6月まで日本で全国ツアーを行い、並行して4月から8月にかけてロンドンでの公演も予定されている。ロンドン・コロシアムで、日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模とされており、注目が集まっている。
橋本から順番に総勢22名のキャスト・スタッフが順番に登壇していく中、顔を見合わせてほほ笑み合う様子やBGMで流れていた『千と千尋の神隠し』の音楽に合わせて体を揺らすなど仲の良さが伝わってくる登場で会見はスタート。
冒頭のあいさつで橋本は「私にとって初演の時からかけがえのない作品になりました。役者人生の中で、これだけ充実した時間を過ごせるのは本当に幸せなことだなと」と感慨深そうに初演からの思いを語った。思い出を話す中、「今日見ていただいても分かる通り、とにかくキャストが多いので長くしゃべるとアレだなと思うんですけど言いたいことがたくさんあるんですよね」と22名に及ぶ登壇者が全員あいさつするということもあり、途中で時間を気にする場面も。稽古については「こんなにも初演からやっていることが変わることがびっくりなくらい、ジョンの演出が毎日違うので。このシーンって前回はこう言われたけどなっていうのが全く通用しないし…いい意味でね！（笑）」と大変さを語りながらも演出のジョン氏にお茶目に返す場面もみられた。その後も作品に対する思いは止まらず「本当にとにかくお客さんに早く見ていただきたいし、どれだけ期待をしていただいても期待を裏切らない作品になっていると思います。話しすぎちゃった…」と反省？する様子に会場からは笑いが。
続く、上白石は「今年も大好きな作品に携われること、一員になれることをとても幸せに思っております。どの会場でも素朴に素晴らしいストーリーを信じて伝えることに徹して大切に千尋を演じたいなと思っております」と静かにゆっくりと思いを語った。
新キャストとしてオーディションを経て、今回から参加した川栄は「初演の時に萌音ちゃんの千尋を帝劇に見に行かせていただいて、幕が空いた瞬間に本物の千尋がいるって鳥肌が立ったのを今でも覚えていて。その作品に自分が参加できるなんて思ってもいなかったので、今この場に立っていることを本当にうれしく思います」と緊張した面持ちでコメント。
同じくオーディションを経て、今回からの参加となる福地は「絶賛稽古中なんですが、まだ千尋として参加していることが不思議でたまらない気持ち。今日は、いつも稽古を頑張っているみなさんと立たせてもらっているということで、不安というよりは楽しみだなっていう気持ちです」と明るく話した。
――この作品は、キャリアの中でどのような位置付け？
オリジナルキャストとしてロンドン公演の幕開けを行う気持ちは？
橋本は「どのような位置付け…難しいな…」と悩みつつも「初演の時に初めて舞台をやらせていただいた。本当に新しいことだらけで、こんなに感情が動くことがあるんだって自分でも驚いた。役者人生の中で、絶対に何十年たっても忘れられない役、作品になったなと思うので位置付けが難しい…。この先いろんな役をやったとしてもきっと色褪せないだろうし、忘れることのできない関係性に千尋となれたんじゃないかなって思います」と千尋に対する熱い思いを語った。また、ロンドン公演については「ロンドンでの幕開けは正直まだ想像できてない部分もあって、ネットで写真とか見ても本当に、ここ（ロンドン・コロシアム）の舞台立つのかな？って。やることはわかってるけど、実感がない」と率直な思いを語った。
上白石は「本当に大切な作品。街中で10歳ぐらいの子を見かけると目で追ってしまう。いまだに千尋のために子どもを研究している。ずっと千尋を心の中に飼ってるんだなって感じる。おいしいもの食べた時や素敵なものを見た時に千尋はどんな顔をするかな？って思う自分がいる。演じる役ではあるけど、友達のような子どものような愛しい存在ですし、作品自体も折に触れて思い出す大切なもの」と役へのいとおしさを話した。また「ロンドン公演は私も全く想像がついてなくて、本当に私たちがやるのかな？って」と上白石も率直な思いを語るも「この間、ロンドン公演までのローテーションが発表されて千尋をやる回数を数えたらとんでもないことになっていて（笑）。とにかくロンドンでやるとか関係なく健康第一だなって思ってます」と公演数の多さを改めて実感した様子だった。
――カンパニーの方から掛けられた言葉で印象的なものは？
川栄は「体力面など不安なことが多い中で、私がわからないことをやって背中で見せてくれる萌音ちゃんと、環奈ちゃんは「大丈夫だよ！できるよ！いけるっしょ！」って本当に明るくて（笑）この2人に私と桃ちゃんは助けられていて、この2人を見習いながら新しい千尋を作っていけたら」と2人の先輩の頼もしさを語った。
フォトセッション終了後に千尋役以外が降段する際には、ジョン氏が声をかけ上白石が爆笑し、他の3人に通訳して橋本、川栄、福地も笑うといった姿も見られるなど、終始カンパニー全体の仲の良さが伝わってくる会見だった。
舞台『千と千尋の神隠し』
2024年3月11日〜30日 東京 帝国劇場
2024年4月30日〜8月24日 ロンドン ロンドン・コロシアム
2024年4月7日〜4月20日 愛知 御園座
2024年4月27日〜5月19日 福岡 博多座
2024年5月27日〜6月6日 大阪 梅田芸術劇場メインホール
2024年6月15日〜6月20日 北海道 札幌文化芸術劇場 hitaru
千尋役：橋本環奈/上白石萌音/川栄李奈/福地桃子
ハク役：醍醐虎汰朗/三浦宏規/増子敦貴(GENIC)
カオナシ役：森山開次/小㞍健太/山野 光/中川 賢
リン/千尋の母 役：妃海 風/華 優希/実咲凜音
釜爺役：田口トモロヲ/橋本さとし/宮崎吐夢
湯婆婆/銭婆 役：夏木マリ/朴 璐美/羽野晶紀/春風ひとみ
写真提供：©︎entax
