ポール・ウェラー、6年ぶりの来日公演初日ライブレポ-ト 進化し続けるレジェンドによる最高の今

2024.1.31 15:15

ポール・ウェラーが、2018年以来となる6年ぶりのジャパンツアーを1月26日、大阪・なんばHatchよりスタートさせた。

〈伝説のロックスター、ポール・ウェラー〉
ポール・ウェラーは、ザ・ジャム、ザ・スタイル・カウンシルを経てソロとして1991年に初来日以来、コンスタントにジャパンツアーを行っている。キャリアを重ねた近年もリバイバルやノスタルジーな来日公演ではなく、新作を携えたツアーを実施。前作『オン・サンセット』(2020年)で、1980年代〜2020年代にわたる5つの年代でアルバムが全英1位を獲得するという記録を、ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、デヴィッド・ギルモアに続いて打ち立てた。2021年リリースの最新アルバム『ファット・ポップ』でもソロ6枚目、キャリア通算8枚目の全英1位を獲得している。御年65歳でいまだ現役、UKロックシーンの生きる伝説として第一線で活躍し続けているのがポール・ウェラーなのだ。

〈6年ぶりの来日公演〉
世界的なコロナ禍によって海外ツアー延期などの影響が出ていたため、今回の来日公演はウェラーにとっても日本のファンにとっても待望の実現だった。そんな期待に満ちた初日の大阪・なんばHatchには、この日を待ちわびた多くの人々が足を運び、フロアは開場時から静かな熱を帯びていた。そして開演時間ジャストに、ギタリストのスティーヴ・クラドックをはじめ、ベース、キーボード、サックスにツインドラムという6名のサポートメンバーと共にウェラーが登場すると、大きな歓声が巻き起こった。冒頭から華やかなホーンの躍動感に心躍る幕開けで、ウェラーがテレキャスターをかき鳴らしワウを踏む姿は、もうそれだけで絵になるたたずまいだ。美しく整えられたシルバーのヘアー、シャープなシルエットは相変わらずクールで、そんな彼を音のみならず豊潤なコーラスでも支える、気心知れたバンド陣の演奏も頼もしい限りだった。

Photo by 濵田 志野

〈衰えを知らないパフォーマンス〉
3年越しの初お披露目となる最新作『ファット・ポップ』からの楽曲「Cosmic Fringes」では、エレクトロなビートを軽やかに取り込んだ。「ドーモアリガトウ!」と日本語であいさつした後は、ザ・スタイル・カウンシル時代の「My Ever Changing Moods」、「A Man of Great Promise」を立て続けに届け、オーディエンスは一気に歓喜の渦に包まれた。ムーディーなライティングを背に、まるで衰えを知らないかのように響きわたるボーカル。ウェラーの充実のパフォーマンスには自ずとオーディエンスのクラップも沸き立ち、まだ序盤ながらこの時点で「本当に見に来てよかった!」と心底思った方も多かったことだろう。
時にエレキギター、アコースティックギター、時にピアノを奏でながら、『ワイルド・ウッド』(1993年)や『スタンリー・ロード』(1995年)収録の初期曲を多数披露した。かと思えば、再び最新アルバムからフルートの音色が映えるメロウな「Glad Times」やベースラインが印象的なタイトル曲「Fat Pop」と、栄光にすがることなくアップデートされ続けるモダンな新曲、さらには、パンデミックでツアーが開催できなかった『オン・サンセット』の収録曲等を、惜しみなく歌い上げていく。これぞミュージシャンの理想のエイジングだと思わせる、モッド・ファーザーの熟成する歌声と色気がたまらない。
イントロからどよめきと喜びの声で沸いたのは、スタカンの名曲「Shout To The Top」! 長尺のサックスソロでも大いに盛り上がり、その熱狂のままいよいよライブは後半戦へと突入。久々の日本で一曲でも多く歌おうと言わんばかりの怒濤の展開で、ギターの掛け合いからドラム、ベース、キーボード、サックスと目まぐるしく見せ場が変わったソロ回しでも、途切れぬグルーヴで会場の熱量をぐんぐん上げていく。高揚感の中、クライマックスに容赦なく投下されたザ・ジャム時代の「Start!」を含め、20曲歌い切った後でも伸びやかなウェラーのシャウトにシンクロした満場の拳が、鮮やかにラストシーンを彩った。

Photo by 濵田 志野

〈まさかのダブルアンコール〉
6年ぶりにウェラーがもたらした最高の一夜に、会場の拍手は鳴りやまなかった。足早に舞台へと戻ったアンコールでも、ソロ、スタカン、ジャムと、自身の道のりを横断する新旧織り交ぜたセットリストで楽しませ、まさかのダブルアンコールでは、星空のような照明がウェラーを照らし、とびきりロマンチックな大団円へ。全28曲にわたり終始、哀愁漂うダンディズムにシビれ、グッドヴァイブな雰囲気に包まれた、約2時間の夢のひととき。今後のジャパンツアーにも期待が高まる、大満足のステージとなった。

なお、ジャパンツアーは1月27日(土)愛知・ダイアモンドホール、同30日(火)北海道・Zepp Sapporo、2月1日(木)宮城・仙台PIT、同3日(土)・4日(日)東京・EX THEATER ROPPONGIと続く。また、来日記念盤となる日本独自企画盤『ファット・ポップ・エクストラ』も発売中。

==大阪公演セットリスト==

  1. Rip The Pages Up
  2. Nova
  3. Cosmic Fringes
  4. My Ever Changing Moods
  5. A Man of Great Promise
  6. All The Pictures On The Wall
  7. Stanley Road
  8. Glad Times
  9. Village
  10. Hung Up
  11. Fat Pop
  12. More
  13. Shout to the Top
  14. Jumble Queen
  15. Saturns Pattern
  16. All Or Nothing
  17. Above The Clouds
  18. Into Tomorrow
  19. Start!
  20. Peacock Suit
  21. Old Father Tyme
  22. Headstart For Happiness
  23. That Pleasure
  24. Broken Stones / You Do Something To Me
  25. Tales From The Riverbank
  26. Wild Wood
  27. The Changingman
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◆商品情報

ポール・ウェラー『ファット・ポップ・エクストラ』
PAUL WELLER / FAT POP EXTRA

◆来日公演日程 PAUL WELLER JAPAN 2024
1/26(⾦)⼤阪 なんばHATCH
1/27(⼟)愛知 DIAMOND HALL  SOLD OUT
1/30(火)北海道 Zepp Sapporo SOLD OUT
2/1(⽊)宮城 仙台PIT
2/3(⼟)東京 EX シアター六本木 SOLD OUT
2/4(⽇)東京 EX シアター六本木 SOLD OUT

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Photo by 濵田 志野

     

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