松村北斗と上白石萌音の“自然さ”は「99.8%ぐらい演技」三宅監督が撮影現場を明かす『夜明けのすべて』

2024.1.31 12:15

1月29日に都内で映画『夜明けのすべて』ティーチイン付き試写会が行われ、三宅唱監督が登壇した。イベントでは、印象に残った役者とのエピソードや主役の2人の演技に対する思いを語った。

本作は、瀬尾まいこ氏の小説を映画化し、月に1度、PMS(月経前症候群)でイライラが抑えられなくなる藤沢さん(演・上白石萌音)と同僚のパニック障害を抱える山添くん(演・松村北斗(SixTONES))の物語。職場の人たちに支えられながら友達でも恋人でもないけれど、どこか同志のような特別な気持ちが芽生えていく2人。いつしか、自分の症状は改善されなくても、相手を助けることができるのではないかと希望を見出していく2人を描いた作品。監督は、『ケイコ 目を澄ませて』で、国内外で絶賛を浴びた三宅唱監督がメガホンをとり、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で夫婦役を演じた松村と上白石がW主演を務めた。さらに、今作は第74回ベルリン国際映画祭『フォーラム部門』への正式出品が決定している。

(※以下、一部ネタバレを含みます)
この日、イベントが始まると予定では司会を務めた映画ライターのSYOの質問から始まるという流れであったが、会場に集まった映画ファンの熱い思いを感じ取ったのか予定を変更し観客から直接、三宅監督に質問する時間にするという粋な計らいからのスタートとなった。

左からSYO、三宅唱監督

精神的な障害のことや自死遺族のことなど映画全体のバランスをどのように考えたのかと問われると「瀬尾さんの小説を映画化するにあたって、なぜこの会社はこんなに素敵なんだろう?という問いがあった。健康を犠牲にして働くのではなくて違う働き方を模索しようという背景があったからこそ、山添くんと藤沢さんが出会う場所が生まれたと小説から受け止めた。映画では多少強調する形で描いた」と語った。ここで司会から「各登場人物のプロフィールを用意したんですよね?」と質問されると「映っている人ほぼ全員のプロフィールを考えた。例えば喫茶店の店員とか会社に出入りしている宅配便の人にもプロフィールがある」という細部まで作り込まれた演出を明かした。

藤沢さんを演じた上白石萌音

また、一番印象に残った役者とのエピソードを問われると「あんまりエピソードを持っていないんですけど」と前置きし悩んでいると、司会から「松村さんと上白石さんとは絵本の話をしたんですよね?」と質問が。「絵本の話をしました。2人とも本をよく読むっていうのを聞いていたので、本の話をした」と話し、その理由として10代の時に聴いていた音楽の話だとズレが生まれるが絵本だったらズレが無いという“テクニック”を披露し、会場の笑いを誘った。

山添くんの恋人がロンドンに行くという場面での描き方についての質問では「別れのやり取りが物語のメインでは無い。手前の部分までで十分だと思った。実際撮影したところ、ロンドンに行くということを聞いた北斗くんの表情、無言の表情で映った!と、これでいけるだろうと思った」と松村の言葉ではない演技について語った。

試写会に登壇した三宅唱監督

また、主演の2人の演技が自然で印象的でという感想があり、役作りなのか演出なのかという質問には「99.8%ぐらい彼ら2人の演技。2人とも事前に役についての研究を丁寧にやっていたし、撮影現場では準備してきたものを一緒に最後相談する形だった。2人でなければ、このような自然で身近に感じられる映画にはならなかったと思います」と2人への熱い思いを述べた。

最後に「パニック障害を抱えた山添くんは映画館に行けない人物である。じゃあどういう映画を作ろうと考える大きなポイントでもありました。あらゆる人が映画館に足を運べる状況ではないですけど、周りで最近映画館に行ってないな、映画館での楽しみを忘れている人がいると思うので、この映画、映画館で見た方がおもしろいよって広げていってくれたらうれしい」とこの映画の作成のポイントを語りながらイベントを締めた。

映画『夜明けのすべて』は2月9日(金)より全国でロードショー。

出演:松村北斗 上白石萌音
渋川清彦 芋生悠 藤間爽子 久保田磨希 足立智充 りょう 光石研
原作:瀬尾まいこ『夜明けのすべて』(水鈴社/文春文庫 刊)
監督:三宅唱
脚本:和田清人 三宅唱
配給:バンダイナムコフィルムワークス=アスミック・エース

写真提供:©瀬尾まいこ/2024「夜明けのすべて」製作委員会

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