アニメ『葬送のフリーレン』あのヴィアベルが“おんぶ”に“恋バナ”…視聴者も思わず「ギャップ萌(も)えかよ!」

2024.1.30 17:45

1月26日に放送されたアニメ『葬送のフリーレン』第20話。ついに宮廷魔法使いのデンケンがフリーレンの前に姿を現した一方で、ヴィアベル率いる第8パーティーと交戦していたフェルンは機転をきかせ、その熾烈(しれつ)な争いを決着へと導く……。そんななか、高圧的な見た目や態度から“冷酷無比なキャラクター”として見られていたヴィアベルが意外な一面を見せたことが話題に。傷ついた仲間を優しくおぶり、果ては初恋を思わせる純愛エピソードまで吐露する姿に、視聴者からは「ギャップ萌え」「一気に好きになった」など好感の声が寄せられている。

(以下、アニメ最新話までのネタバレを含みます)

■“残酷さ”のせめぎ合い

広大な湖を中心に広がる森林地帯を舞台に、3人一組のパーティー戦として始まった一級魔法使い試験 第一次試験。終了時刻となる“日没”が近づくにつれ、参加者たちの狙いは、合格条件の一つである「小鳥〈隕鉄鳥(シュティレ)〉の捕獲」からその“強奪”へと移っていった。

“キィン…! キィン…!” まるで硬い金属同士をぶつけるような甲高い音が、地鳴りとともに森に響く。その正体は、第8パーティーのヴィアベルを襲う、ユーベルの“見えない攻撃”。〈防御魔法〉に弾かれた“何か”が周囲の木々を次々と切り倒していく。「(おっかねぇな。おそらくは“物体を切り裂く魔法”…)」。

軌道の読めない攻撃に少しずつ傷を負っていくヴィアベルだったが、冷静さは失わない。分析を進めるうち、その“射程”が5mほどであることに気づく。距離を保てばそこまで脅威ではないだろう。ヴィアベルが気づいたことに、ユーベルもまた気がついた。笑みを浮かべて向かい合う両者……。沈黙を破ったのは、ヴィアベルの魔法だった。

「ソルガニール〈見た者を拘束する魔法〉」。鋭いまでのつり目をカッと見開いてヴィアベルが唱えると、ユーベルの周囲を“光のリング”が囲い、一気に縮小。その身体をグッとこわばらせた。彼女が持つ槍(やり)のようなつえが音を立てて落ち、同時に膝をつく。「(体が動かない…。魔力も操作できないな…)」。

ヴィアベルの強力な“拘束魔法”は、彼が目をそらさない限り持続する。その状態で相手の命を奪うことは極めてたやすい。彼の仲間であるエーレは言っていた。『あいつが使うのは品性のまるでない、勝つための卑怯(ひきょう)な魔法』だと。

拘束魔法で動けないユーベル 劣勢のはずが、その表情には余裕が感じられる

……ところが、この“詰み”の状況でヴィアベルは「ラストチャンスだ。シュティレを置いて失せろ」と降伏を要求。あまつさえ、〈ソルガニール〉を解くのだった。

ユーベルの中で疑問が2つ生まれる。1つは、なぜさっさとこの魔法を使わなかったのか。ヴィアベルたち第8パーティーはもともと、ユーベルたち第4パーティーに奇襲をかけてきた。茂みに隠れたまま相手を拘束した方がずっとリスクが低いはず…。

そしてもう1つは、なぜ拘束中にシュティレを奪わないのか。動けないユーベルに近づいて、腰元のシュティレのカゴに手を伸ばせばいいはず…。なのに、それをしないのは…?

刹那、ユーベルはシュティレの入ったカゴを宙へ投げた。とっさのことに、ヴィアベルの視線が思わずカゴを追う。機を逃さないユーベルはサッとかがみ込むと、足元のつえを拾いながら地を蹴った。虚をつかれたヴィアベルが視線を戻したとき、その眼前には彼女が振るうつえ先しか見えなかった。

「ぐっ…!」。タッチの差で反射が追いつく。鮮血はヴィアベルの両目の僅か下…、鼻背(びはい)から飛んだ。後ずさると同時に〈ソルガニール〉をかける。状況は元に戻ったが、ユーベルはニヤリと笑って言った。「視界に全身を納めていないと無理なのか」

「……目を狙いやがったな」。“弱点”に感づかれたことよりも、ヴィアベルには“それ”が気になった。もし自分がユーベルの立場なら“首”を狙った。だが彼女はあえて、“狙い”をずらしたのだ。「…戦場でも、同じような事をした奴らはいたぜ」。ヴィアベルの経験則では、“そういう”類の人間はみな、賊害を楽しむ変態……。北部魔法隊隊長である彼の脳裏には、これまで見てきた“地獄のような日常”がよみがえっていた。

ユーベルの攻撃をいなすヴィアベル 2人は似たように笑みを浮かべるが、その“裏”には大きな違いがあるようだ

◆あっけない幕引き

ユーベルにつえを突き付けながら、ヴィアベルは語る。彼が隊長を務める北部魔法隊は対魔族専門の傭兵(ようへい)だが、有事には国同士の戦争にも動員されていたことを。戦いでは相手の弱点をつくことは単なる戦略で、戦場に現れた“敵”が小さな子どもの兵士なんてことはザラだったことを…。「地獄なんかじゃない。“北の果て”じゃ日常だ…」。そう言って笑う彼の表情は、どこか悲しげだった。

対して、ユーベルにとってヴィアベルの話は、合点がいく時間だった。“その人が得意とする魔法は人生や人間性に大きく関わっている”、というのが彼女の持論。相手の動きを封じる彼の魔法はまるで、“命を奪うまでの猶予”を欲しがってるようではないか? 「驚いたよ。とうに両手は血で染まっているのに、まだ人間でありたいと思っているんだ」。

皮肉をきかせた煽(あお)り文句に、ヴィアベルはただ笑って、そして認める。「そうだ。でもな嬢ちゃん。俺はためらい、臆(おく)することはあっても…」。“必要なら、全部ヤってきた”。ヴィアベルのつえが、魔法を放たんと光り輝いた……。そのとき。

「動かないでください」。まるでそよ風のように、“彼女”はそこにいた。ユーベルにつえを突きつけるヴィアベルのこめかみに、気づけばフェルンがつえ先を向けている。「…驚いたぜ。完全に魔力を消せるのか」。

おそらく第4パーティーでシュティレを捕まえたのも彼女だろう。たったの“1手”で、ヴィアベルにはフェルンの実力が計り知れないものだと分かった。だとすると気がかりなのは…。「エーレと戦っていたな。あいつはどうした?」。フェルンは淡々と、だがつぶやくように答える。「…ろしました」

エーレに対して基礎魔法だけで応戦したフェルン その戦い方はフリーレンゆずりだ

◆下心

第一次試験の合格条件は日没までにシュティレを捕獲していること、そして試験終了時にパーティーメンバー全員がそろっていること。仲間の1人を“消された”ヴィアベルは、すでに不合格が決まったことを理由にフェルンたちの元を去った。ユーベルを手にかけることは必要ではなくなったと言い残して…。

やがてひどくえぐれた地面の上に、ヴィアベルはエーレを見つける。眠るように横たわる彼女に近づくと、ようやくフェルンに“してやられた”ことに気がついた。「平然と嘘(うそ)つきやがって…」。エーレは生きていた。

「おい、起きろエーレ。魔力ぎれかよ、ダッセェな。魔法学校の首席だろ?」「…一般攻撃魔法の物量で押し切られた。さばききれなかった…」。寝起きのまま答えた彼女だったが、その言葉の信憑(しんぴょう)性は“現場”を見れば明らかだった。ひとまずは、もう1人の仲間であるシャルフと合流することに。ヴィアベルは“激戦”による疲労でエーレが歩けないことを知ると、「仕方ねぇな」と“浮遊魔法”で彼女を運ぶ。まるで物みたいに、と怒った彼女は「おんぶして!」とねだる。

エーレ設定画 フェルンとの戦闘では「ドラガーテ〈石を弾丸に変える魔法〉」で“石の雨”を降らせた

その後、エーレと同じように敗北していたシャルフも“回収”したヴィアベルは、1人はおんぶし、1人は浮かせて森を進む。あと2〜3時間もすれば日没の今、歩くことさえできない2人を連れてシュティレを捕まえることはもはや不可能。「俺たちの不合格は確定だな…」。不服そうにつぶやくヴィアベルだったが、それでも決して仲間を置いていくことはしなかった。

「その優しさが、あなたが魔族と戦う理由なのかしら…」。ヴィアベルにおぶられながらエーレはふと、巨大な魔族に真っ向から挑む“背中”を思い出していた。彼女の村もまた、北部魔法隊によって救われていたのだ。ヴィアベルは笑った。「優しさなんかで命張れるか! 人間は欲望のために戦うんだよ。俺の場合は、下心だ」。“故郷に好きなやつがいたんだ”と、ヴィアベルは幼き日の約束を明かし始めた。

ーー今から29年前。勇者ヒンメルがこの世をさり、大魔族アウラが再び活動を始めた頃のこと。北側諸国の魔族の動きが活発化するなか、ヴィアベルが好意を抱いていた少女が家族とともに中央諸国へ転居することになった。

当時まだ4つか5つだった彼は、彼女を見送る場面で“格好”をつけた。“魔族は全員、自分が倒す。だからその時は帰ってこい”と、柔らかな笑顔を無理に浮かべて……。今ではもう、顔も名前も忘れてしまった彼女との約束のために、彼は戦い続けていたのだった。

ほほ笑みとたわいない話題が続く道中、不意にエーレが「ねぇ、あれ…」と指を差す。その先には、木の枝でのんびり過ごすシュティレが一羽。ヴィアベルが即座に“拘束魔法”を発動させると、鳥はポトリと地面に落ちた。「今までの苦労はなんだったんだ…。ツキが回ってくんのが、遅すぎんだよ」。ふてくされるヴィアベルを横目に、シュティレはピィと鳴いた。

一方その頃フリーレンたちはデンケンたちと対峙(たいじ) こちらでもシュティレの争奪戦が行われようとしていた…

◆ヴィアベルに“ギャップ萌(も)え”する視聴者続々

シュティレをめぐって激しい争いが繰り広げられた今話だが、当初冷酷に見えていたヴィアベルの意外な優しさや“恋バナ”が明かされると、SNSにはそのギャップにハマる視聴者が続出。

「ヴィアベルかわいい!」「…意外といいやつなんだな」「推しになりそう…」「こんなん、おま、お前ーー!!!好きじゃん!!!」といった声のほか、「あの見た目、実は良い奴、CV谷山紀章…好きやん…」と、“中の人”も合わせて魅力的に思うファンもいた。

また“シュタフェル”や“ラヴィカン”など、本作では色々な“カップリング”が人気となっているが、「ヴィアベルとエーレのサイドストーリーをもっと見たいんだが…」「ヴィアベル×エーレっていうカップリングもいいなぁ… 」など、2人の関係性に好感を持つ声も多かった。

次回『葬送のフリーレン』第21話「魔法の世界」は、2月2日(金)「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」(全国 30 局ネット)にて放送予定。いよいよフリーレンたちとデンケンたち、強者による戦いの火ぶたが切られる。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

             

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