『葬送のフリーレン』フェルン役・市ノ瀬加那 主人公役・種﨑敦美とのオーディション裏話を明かす

2023.9.29 16:15

『週刊少年サンデー』で連載中の漫画『葬送のフリーレン』のTVアニメが、日本テレビ系『金曜ロードショー』にて初回2時間スペシャルで放送。10月6日からは毎週金曜よる11時「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で放送される。entaxではフリーレンの弟子として共に旅をすることになる魔法使い「フェルン」を演じている市ノ瀬加那に単独インタビュー。その模様を前後編の2回にわたってお届けする。

今回は自身と似ていると話す「フェルン」の役作りの話や、出演をかけた本作オーディションでの「フリーレン役・種﨑敦美さんとのまさかの事態」などを語ってもらった。

――『葬送のフリーレン』との出会いは?

市ノ瀬 作品のタイトル自体は以前から知っていまして、オーディションの話をいただいた時に、原作を読み込みました。とても繊細な作品だけど、ものすごくしっかりとした芯があるようなイメージです。普通なら「魔王を倒しに行くぞ」っていうところから始まるんですが、この作品は勇者一向が魔王を倒した後の物語ということで、その辺りもすごく新鮮な印象を受けましたね。

――作品を読んでみてどんなことを感じましたか?

市ノ瀬 やっぱり人生という壮大な物語なので、生きていく事について改めて考えさせられました。年々時の流れを早く感じるんです。本当はやるべきことがいっぱいあるのにせっかくの休みの日に寝て過ごしちゃったなと思うこともありますし、高校から今までがあっという間に一瞬で過ぎていって、ついこないだ「ハッピーニューイヤー!」って言ってなかったっけって(笑)。だからもうちょっと丁寧に生きていきたいなって思いましたね。難しいんですけど、日々なにかに打ち込んでいたいなっていう気持ちになりました。

©entax

――「フェルン」の声を担当することとなった経緯は?

市ノ瀬 フェルン役1本でオーディションを受けました。ただオーディションが終わったら一旦そういった気持ちを忘れるようにしました。気持ちが強すぎるとなにかのセンサーが働くのか、今まであまり決まらなくて…(笑)

――決まった時のお気持ちは?

市ノ瀬 すごくうれしかったのもあるんですが、とても驚いたと言いますか。実はちょうど私の前にオーディションを受けていた方がフリーレン役の種﨑さんでした。他にもオーディションを受けている方が知ってる方ばかりだったので、より一層緊張感が高まったんですけど、私の中のフェルンを一生懸命ぶつけてみようと思って、気持ちを切り替えてオーディションには臨みました。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

――フェルンを演じる上で意識したことは?

市ノ瀬 フェルンは普通の人間でエルフではないので「フリーレンとの対比のために感情をもっとのせてください」とディレクションで言っていただきました。でも出しすぎるとフェルンのキャラクターとはちょっと離れてしまうし、『葬送のフリーレン』の世界観にもちょっと合わなくなってしまうので、フェルンなりの感情の豊かさみたいなものを意識してお芝居をしました。結構そのあんばいが難しくて、特に最初の頃とかはどこまでやったらいいのかなって模索しながらやらせていただきました。フェルンは「ムー」って頬(ほお)を膨らませたりして感情を表情で見せることもあるんですけど、基本的には淡々とした中に感情が出ていたりするんです。なので一見普通にしゃべってそうでもちょっとだけ語尾を変えたり。あとはその時その時の、他の声優さんとのお芝居で受けたもので出たものもいっぱいありますね。私は家で結構練習してきちゃう方なんですが、自分なりのフェルンの方向性がなんとなく決まったら、あとは現場で皆さんのお芝居を受けて、その上でフェルンなりの感情を出してみようと意識しています。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

――ご自身がフェルンと共通しているところはありますか?

市ノ瀬 私は自分のことを比較的おとなしいタイプかなぁと思っているんですが、フェルンも基本的にはおとなしい部分が多い子なのかなと。でもすねたりもして、等身大の女の子らしさがいっぱいあってかわいい部分もありますね。あとは物語の最初の頃、フェルンは一人前になるために魔法使いになるんですが、すごくひたむきで真っ直ぐな、真面目なところがあって、なんか私もすごい真面目って言われるので、そういうところがフェルンのお芝居に“らしさ”としてのせられていたらいいなと思いますね。

――結構のめり込んでしまうタイプ?

市ノ瀬 声優の道とかもそうでしたね。これをやるって決めたらそれしか考えられなくなっちゃうので、自分の熱中していることに対して途中でやめたりっていうのは今までなかったです。

©entax

★インタビュー後編はコチラ
日本テレビ系【金曜ロードショー】にて「初回2時間スペシャル ~旅立ちの章~」放送

10月6日より日本テレビ系 毎週金曜よる11時
「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送 (全国30局ネット)

『葬送のフリーレン』
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。

【市ノ瀬加那(いちのせ かな)Profile】
2018年の『ダーリン・イン・ザ・フランキス』イチゴ役で初めてメインキャラクターを演じ、その後『Fairy gone フェアリーゴーン』『キャロル&チューズデイ』『社長、バトルの時間です!』など数々の作品に出演。2021年に第15回「声優アワード」で新人女優賞を受賞。2022年から2023年にかけて2シーズンで放送された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、ガンダムTVシリーズ初となる女性主人公・スレッタ・マーキュリーを演じた。

画像:©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
写真:©entax

クオカードプレゼントキャンペーン2024

  • Twitter
  • Facebook
  • Line

SNS

featured

text_newarticles

categories