ドラマ『リズム』出演の吉柳咲良を単独取材:得意のダンスを生かし「こんなに踊るドラマある?」

2023.7.4 20:00

7月4日スタートのドラマ『リズム』(フジテレビ火曜深夜放送)で、ダンスの実力がありながら人前で踊れない高校生・立花めぐみを演じる俳優の吉柳咲良さん。entax取材班は単独取材を敢行し、ダンスシーンの撮影秘話や岡本圭人さんら共演者との現場での雰囲気などを聞いた。かつてないほどのダンスシーンがあるドラマの注目ポイントは……?

ドラマ『リズム』
妻とのすれ違いに悩む主人公・舞城傑(まいじょうすぐる/愛称マイちゃん)がダンスを通じて出会った仲間たちと成長していくハートフルコメディドラマ。主人公の会社員を岡本圭人が演じ、ダンススクールで出会う女子高生・立花めぐみ(愛称タメ)を吉柳咲良が、医療品メーカーの課長・尾木文男(愛称オジ)を岡部たかしがそれぞれ演じる。

©フジテレビ

■ダンスという特技を仕事に活かせる日が来た

――ダンスが得意な女子高生・立花めぐみ(愛称・タメ)役としてオファーを受けた時の感想を教えてください。

吉柳 幼い頃からずっとダンスを習ってきたので、それが仕事として活かせる日が来たと思うと、やっていて良かったと思いました。きっとダンスの経験がなければオファーが来なかった役だと思いますし、自分の好きなこと、特技を仕事につなげることができてうれしかったです。オファーをいただいた時にプロデューサーさんが、「吉柳さんのTikTokやInstagramでダンスを見て、好きだな、良いなと思った」と言ってくださったので、がんばってきて良かったと報われた気持ちになりました。

――長年のダンス経験がある中、ドラマでのダンス演技というのはいかがでしたか?

吉柳 ダンスシーンは本当に必死でした。最初は3曲踊る予定だったのが、6曲に増えたんです。最初は振り付け師の方も、私がどのくらい踊れるのかというのを探りながら振り付けをつくってくださったのですが、実際にダンスを見て「けっこう踊れるな」と思ってくださったようで、難易度が上がったんです。ドラマでこんなに踊る?というくらい、ガッツリ、ちゃんとダンスを踊ってます。

私が演じためぐみちゃんは、ダンスに対してすごく愛がある、ダンスが大好きな子なので、そこは役と私がリンクして一緒になったというか……演じているけど演じてないような、ダンスを楽しむことが最優先だったし、それが1番前に出たんじゃないかと思います。変に意識したところがなくて、単純に「ダンス楽しい!」と思いながら取り組んでいました。

――部分的ではなく1曲すべて踊ったのですか?

吉柳 1曲踊ったり、1番だけフルで踊ったりというシーンもありました。

©entax

■心に何か抱えたものがある役を演じる方が役に寄り添いやすい

――めぐみは、ダンスが好きで得意だけどトラウマを抱えてもいます。そういった背景をどうとらえて演じましたか?

吉柳 私は今までも、何か心に抱えたものがある役を演じることが多かったんです。でもそれは、私自身の何かと役柄がリンクすると考えて起用いただくことが多いのかなと思いますし、自分でもそういった役柄の方が、底抜けに明るい役よりも演じやすいし寄り添いやすいと感じているんです。きっと今回のめぐみとも自分と何か似ている部分があるんだろうな、と台本を読んで探っていき、監督とも相談しながら進めていきました。台本がすごく丁寧だったので、台本に書いてあることに沿って素直に演じられたと思います。

――吉柳さん自身、何かの失敗がきっかけで足踏みしてしまったことはありますか?

吉柳 私は新しいことに挑戦するのが苦手なタイプなんです。そこに入ってしまえば大丈夫なんですけど、クランクインの前とか、本読みで初めて共演者の方々と会う時は、どういう雰囲気かわからないからこそ不安な気持ちにとらわれがち。だから、トラウマというより「こうなったらどうしよう」「ああなったらどうしよう」と考え過ぎて不安になるタイプなんです。

でもそういう不安って、わからないから怖いだけだったし、知ってしまえば全部怖くなかった。だから、知っている環境やできることが増えてくる中で、変に構えずにとりあえず明るくいこう、というのを最近意識するようにしています。不安な気持ちで自分が暗くなって、印象が良くない方に自分を持っていってしまうのはマイナスだなと思ったので、どんな状況でもどんな現場でも「このレベル以上の明るさでいこう!」と決めてから行く。そうすると、その後も変に自分をつくろわずに現場に入っていけるというのがわかりました。経験を積むとわかってくることも多いし、そんなに皆さん硬い雰囲気でやってるわけじゃないし、悪い人じゃないですから(笑)。意外と身構えなくてもいいんだなって。

以前は緊張でお腹が痛くなっちゃうくらいだったのですが、それが減ったのは経験を積んで自分がどうしていくべきか考える余裕ができたからだと思うので、経験に勝るものはないですね。

©entax

■現場では子どものように楽しくはしゃいでいた

――森脇智延さん(『SUITS/スーツ』シリーズ、『イチケイのカラス』など)の演出はいかがでしたか?

吉柳 色々とお話させていただきました。私の芝居に対して、(めぐみが)暗いからって暗い方向に持っていかないで、もっとフランクにやってもいいとアドバイスをもらいました。楽な方向に持っていくなと。私の固定概念を壊そうとしてくれたというか、例えば「暗い気持ちを隠すために笑うことってない?」といった細かい演出をしていただきました。

現場で私は子どもみたいに楽しくはしゃいでいたのですが、「(はしゃいでいても)芝居やる時はちゃんとやるもんな」って言ってくださって、それでいいな、と思ったんです。常に気を張っていると疲れが出てしまうし、私自身のキャラじゃないことをしてもやりづらいと思うので、(芝居が)やりやすい環境だったと思います。芝居で認めていただくことが一番だと思うので、そこはちゃんとやろうと。

――とても楽しい現場だったのですね。

吉柳 もう、めちゃくちゃ楽しかったです。すっごくはしゃいでいたと思います。

■岡本圭人さんは誰よりも明るくキラキラしている

――主演の舞城傑(まいじょうすぐる/愛称マイちゃん)役、岡本圭人さんはどんな方でしたか?

吉柳 まじめで優しい方でした。色んなことが頭の中でたくさん動いているような、すごく考えて演じている方なのかなと共演してみて思いました。でも楽しい方でもあります。テンションが高くて元気いっぱいで「もっとこうしてみたい!」というアイデアがたくさん出てくる方です。「このシーン、もっとこうしてみていい?」「1回確認したいからやってみてもいい?」など、岡本さんから提案して取り組んでくださったので、私が自分から言い出せないことも色々と話してくださってスムーズにお芝居できました。

――岡本さんのダンスを見ていかがでしたか?

吉柳 本当にすごいの一言。岡本さんは誰よりも明るくキラキラ踊るんです。(ダンスや歌を)プロとしてやってきた方は違うな、と感じました。マイちゃんが一人で踊るシーンを見た時も、「スポットライトが当たっている?」と思うくらいキラキラしていてすごかったです。私もあのキラキラ感が欲しいと、一生懸命負けないように隣でがんばりました。

■練習もテストも本番も全力でダンスしているからウソがない

――岡本さんはダンスの練習から全力だったそうですね。

吉柳 練習も全力ですし、テストも全力ですし、自分が映ってなくても全力で。それはすごく楽しかったし、ありがたいことなんですよね。例えば(何人かで踊るシーンがあって)映っていない方が手を抜いたとすると、映っている方だってやりづらいじゃないですか。ウソになっちゃうので。それがなかったから、みんな常に全力でやれたのは岡本さんがいらっしゃったからだと思いました。

――吉柳さんはミュージカル『ピーター・パン』で6年間主演を務められました。舞台経験が豊富な岡本さんと、演劇の話をされる機会はありましたか?

吉柳 そうですね。この舞台やった方がいいよ、この舞台は絶対に合うと思うと言ってくださいました。私の歌やダンスをすごく褒めてくださったので自信にもなりましたし、岡本さんの言葉がきっかけでそういう舞台も挑戦してみたいな、と思うようになりました。

©entax

■「こんなに踊るドラマある?」というくらい本気で踊っています

――ドラマ『リズム』の見どころをお願いします。

吉柳 マイちゃん(岡本さん)、タメ(吉柳さん)、オジ(岡部たかしさん)の3人がそれぞれ個々に抱えている問題があるのですが、今回ダンスをやることで実際に現場でも距離が縮まるのが早かった気がするんです。ダンス教室の先生(映美くららさん)のセリフで「ダンスはね、言葉なの」というのがあって、その通りだなと思いました。

別に言葉を交わさなくてもその人の空気感や、今どういう感情で踊っているのかというのが伝わってきて、こんなに心でつながれるものなんだと知れたのが良かったです。ドラマを通してそれを知っていただけたらすごく楽しいんじゃないかと思いますし、ダンス始めたいな、と思ってくれる人が出てきたらうれしいです。

何より、純粋に見ていて楽しいドラマだと思います。ダンスのシーンがけっこう多いので、ミュージックビデオを観ている雰囲気というか、ちょっとドラマっぽくない、アニメーションのような感じがあるかもしれません。「こんなに踊るドラマある?」というくらい踊っているので、ダンスが見たい方はドラマの中のダンスに注目して見てもらってもいいですし。ダンスを通してみんなが成長していく姿、学んでいく姿、人として大きくなっていく姿が見られると思うので、色んな方面から楽しんでいただけると思います。

■アドレナリン全開で心からダンスを楽しんでいる様子を見て欲しい

――吉柳さんが演じためぐみ(タメ)のダンスで、ここが必見!という部分があれば教えてください。

吉柳 最初、タメは人前で踊れなくなってしまっているので、レッスン中も一人だけ座って見ているんですけれども、一人になるとダンスへの愛が強くて本当に楽しそうに踊り出すんです。そういうシーンが何回かあるのですが、そのうちの1回のダンスは振り付け師さんが「もう踊れるってわかったから難易度上げたからね。でもできるよ!」と言ってつくってくださった振り付けなので、最初の想定より長い時間踊っているんです。それがもう楽しくて楽しくて、アドレナリン出まくった状態で何回も踊ったので、心から楽しんでいるダンスが見られると思います。同時に一番大変なシーンでもありました。1日に4曲分くらい詰め込んで覚えて、あとは自分で練習していきなり本番だったので。でもきっと楽しく踊っている姿が映っていると思いますし、そこを一番見て欲しいです。

【吉柳咲良(きりゅうさくら)Profile】
2004年4月22日生まれ、栃木県出身。第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン「PURE GIRL 2016」にて、歴代最年少となる12歳でグランプリを獲得し、芸能界入り。2017年〜2022年の6年間、ミュージカル『ピーター・パン』で10代目ピーター・パンを務めた。映画『初恋ロスタイム』(2019年)ヒロイン役で映像作品初出演。アニメ映画『天気の子』(2019年)、『かがみの孤城』(2022年)では声優キャスト。2023年はドラマ『星降る夜に』(テレビ朝日)出演に続き、『リズム』(フジテレビ火曜深夜)メインキャスト出演など。

【作品情報】
火曜ACTION!『リズム』
フジテレビにて、7月4日(火)スタート
7月4日(火)24:25~放送
7月11日(火)24:35~放送
7月18日(火)24:25~放送
7月25日(火)24:35~放送
出演:岡本圭人、吉柳咲良、岡部たかし、岡本玲、映美くらら
プロデュース:佐々木萌
制作プロデューサー:古郡真也
演出:森脇智延
脚本:相馬光
制作協力:FILM
制作:フジテレビ ドラマ・映画制作部
制作・著作:フジテレビジョン
©フジテレビ

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写真:©entax

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