奥平大兼に単独取材:3年後、5年後の自分は? 「変わりたくない。子どものままでいたい!」

2023.6.16 18:30

【エンタメの未来を彩る光をキャッチ! シリーズ「未来予知」】

2020年のデビュー作『MOTHER マザー』でその年の新人賞を総なめにした奥平大兼。今年は『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』、『ヴィレッジ』と公開作が続き、待機作『君は放課後インソムニア』では森七菜とのダブル主演を果たすなど快進撃を続けている。出演作の撮影裏話についてなど、“等身大の現在”について語ってもらった。

■演技未経験で受けたオーディションに合格して映画『MOTHER マザー』に出演

――デビューのきっかけはスカウトだったそうですね。事務所に所属する決め手となったのは何ですか?

奥平 スカウトは中学1年生の時でした。当時、僕はバスケットボール部に入っていて部活に熱中していたので、失礼ですがこの業界にまったく興味がなかったんです。というか、芸能の仕事なんて自分にできるわけがないと思っていたし、母に「所属するだけでもしてみたら?」と勧められて入ったような感じなんです。

その時の優先順位としては部活が第一だったので、活動自体は部活が終わるまで待ってくださいとお願いしたら、ありがたいことに待っていただけて。中学3年生で部活が終わり、じゃあ本格的に活動していきましょうか、といって最初に受けたオーディションが映画『MOTHER マザー』(2020年)で、そのまま合格したのでびっくりしました。

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――それまでは芸能の仕事にそこまで関心が深くなかったんですね

奥平 そうですね。映画もテレビの「金曜ロードショー」をたまに見る程度で。

――映画『MOTHER マザー』では、演技未経験からのオーディション合格で、その年の新人賞を総なめに。合格した時はどんなお気持ちでしたか?

奥平 僕でいいのかな? というのはずっと感じていました。当たり前ですけど、受かるとは思ってなかったので。ありがたいことに大森立嗣監督が俳優のためのワークショップを開いてくださったので、それはすごく助かりました。そして最終的には現場が一番経験を積めるので、最初から現場で経験が積めたのは良かったです。何度も演技レッスンに通い詰めるより、現場にいれば流れがすべてわかるし、監督の意図もわかるので。

――長澤まさみさんとの共演を振り返っていかがでしたか?

奥平 最初だけちょっと緊張しましたけど、その後はあまり緊張しなかったんです。先日もお会いする機会があったのですが、普通におしゃべりした感じです。長澤さんがラフに話してくださる方なので、そのおかげですね。

――また共演の機会があればいいですね

奥平 共演したいですね。今度は親子役じゃないのもやりたいけど、選べと言われたら難しい……。でも機会があればどんな役柄でも共演したいです。

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■昔の映画を観て勉強中「キューブリック作品は難しかった」

――小さい頃はどんなお子さんだったのですか?

奥平 母から聞いた話で衝撃を受けたのは、保育園に入る前のかなり小さい頃、他の子たちが砂場で遊んでつくったものを、片っ端から壊していったらしいんです…。とんでもないサイコパスだなと。もちろん覚えていないし、自分の今の性格を考えるとそんなことするとは思えないんですが、今とは違う感じの子だったみたいです。その後、空手を習い始めて礼儀など厳しく教わりました。空手を始めてからは格闘技のことしか考えていなかったですね。

――空手は全国大会で優勝されたほどの実力なんですよね。ピアノも弾かれるそうですし、洋服のリメイクもお好きとか。趣味が多彩ですが、最近ハマっているものがあれば教えてください

奥平 最近は映画やドラマを観る時間が増えました。昔の映画を観ることが多いです。少し前にキューブリック監督作品を観たのですが、全然理解できなくて……僕の年齢では難しいのかなと思ったのですが、後から理解できるかもしれないし、観ておくことが大事かなと。最近は黒澤明監督の作品を観て、映像の美しさを感じました。

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■映画『ヴィレッジ』では事務所の先輩・横浜流星と共演

――今年は4月にも出演作『ヴィレッジ』が公開されました。主演の横浜流星さんとの共演はいがでしたか?

奥平 事務所の直接の先輩と共演したのは、流星くんが初めてでした。現場ではフランクに話してくれましたが、僕が思う流星くんって、すごくストイックな人という印象があって。実際に集中力もすごいし、僕はそこまでストイックにできないので、素直にすごいなと思いました。

――『ヴィレッジ』では、奥平さんが演じた龍太が思わぬところで笑顔を見せるシーンがとても印象に残りました

奥平 最初から台本に「笑う」って書いてあったんです。でも、読んだ時は「なんで笑うの?」と思ったので、そこは藤井道人監督と話し合うなどしました。”いま考えたら”ですけれども、僕が演じた龍太は、登場人物の中で浮いているというか、周りの人たちがみんな静かな中で、1人だけ明るいんですよね。流星くんが演じた優という先輩に憧れていて、その姿を追いかけている役柄。なのであのシーンでは、優と龍太の関係や、龍太だったらどうするだろう、とか色んなことを考えて、今までのことを走馬灯のように思い出したんです。でも結局あそこで笑うのは、龍太っぽいなとも思います。

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■いつまでも子どものままがいい。大人にはなりたくない!

――3年後、5年後の自分の予想、またはどうなっていたいかを教えてください

奥平 変わっていたくはないですね。このままでいいかな。特にやりたい役柄とか作品というのも今はなくて、いただいた役柄でずっとお芝居を楽しめていけたらそれだけでいいです。あ、でも大人にはなりたくないです。やっぱり子どもってすごく楽じゃないですか。見たくないものを見なくて済みますし。だから子どものままでいたいと思います。

【奥平 大兼(おくだいら だいけん)Profile】
2003年9月20日生まれ。東京都出身。2016年、スカウトで芸能界入り。2018年、演技未経験で受けたオーディションに合格し、映画『MOTHER マザー』(2020年)で長澤まさみの息子役に抜てきされる。2020年の『恋する母たち』(TBS)でTVドラマに初出演し、以降も映画やドラマ、CMなどで活躍。2023年は『あつい胸さわぎ』『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』『ヴィレッジ』と出演映画の公開が続き、待機作『君は放課後インソムニア』(6月23日公開)では森七菜とダブル主演を務めている。

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