アーティストとして世界進出！　俳優・桜田通に単独取材　デビュー曲『MIRAI』に込めた思いとは――

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』や現在放送中のテレビドラマ『クールドジ男子』（テレビ東京）などギャップのある役柄を次々と演じ、海外でも人気の俳優・桜田通が新レーべル“Pandrec”より全世界配信でメジャーデビューを果たす。
entax取材班は、アーティスト・桜田通に単独取材を実施。「僕は歌に想いを詰めがち」という桜田が、デビューシングル『MIRAI』のタイトルや歌詞に込めた想いを語った。

■メジャーデビューが決まった時は「ほっとした」

――長年俳優として活動してこられましたが、5月12日に楽曲『MIRAI』でアーティストとして全世界デビューとなります。決まった時のお気持ちを聞かせてください。

桜田　ほっとしましたね。音楽で、今の時代に合ったデビューができたらいいな、誰か力を貸してくれないかな、と思っていたところ、ありがたいことにポニーキャニオンさんからデジタルマーケティングに特化した新レーベル“Pandrec”立ち上げのタイミングで声をかけていただきました。本来僕が思っていた、昔ながらのメジャーデビューという形とはまた違った形の（世界配信での）デビューになるということで、お互いにより良いものを模索しながら進めていったので、すごくほっとしました。

――音楽活動としては、ご自身で楽曲づくりをしてファンの前で歌うこともあったそうですね。

桜田　CDをリリースして、といった形ではないですけれど、7年ほど前からファンの皆さんの前では歌ってきましたし、去年はZeppでライブも開催させてもらいました。とはいえ、今までは音楽だけに打ち込んできた人生ではなかったので、今回いよいよ本腰を入れてのスタートになるかなと思います。

■僕の顔も名前も知らない人が聴いても「いい曲かも」と思ってもらいたい

――デビュー曲『MIRAI』は冒頭からキャッチーで引き込まれました。制作の際にはどういったことを意識されましたか？

桜田　今までは、自分のことを知ってくださっているファンの方が聴くという前提で楽曲をつくっていたんですよ。今回なぜアーティストとしてデビューするかというと、長く役者業を続けてくる中で、皆さんに知っていただく機会がここ数年で増えて、それはNetflixの作品『今際の国のアリス』などをきっかけに、日本だけじゃなく世界の人たちにも知ってもらえたというのがあって。今が、より多くの方に自分の感情のこもった音楽を届けるチャンスなんじゃないかと思ったんです。
なので『MIRAI』を制作してレコーディングをした時は、今までのように自分のパーソナルな部分を伝えたいという気持ちと、僕の顔も名前も知らない人が聴いても「なんかいい曲かも」と思ってもらえるようなものをつくりたいという思いがありました。そういう（自分のことを知らない人に届けるという）チャレンジって今までしてこなかったんですよね。どこか、自分のことを知ってくださっているから、応援してくださっているから、という部分に甘えていたつもりはないですけれど、その前提で成立していたところがあったなと思っているので。今までのように僕のことを知っている人にも、そして新たに知らない人にも届けるためにはどういう楽曲にすればいいかを考え、制作の方法、使う音色、レコーディングのやり方を今までと変え、信頼できるクリエイターの方たちと共同でつくりました。

■「分かってる　全部分かってんだ　愛を分かち合おう」というフレーズが今の僕には必要

――作詞はご自身も手がけられていますが、歌詞にはご自身のことを知らない方にも届けたいという思いが込められているのでしょうか？

桜田　そうですね。今までは、思いのたけをそのまま歌詞にしていましたが、今回は「このままだと同じような体験をしていない人には意味が伝わらないかもしれないな」とか「多様な方たちへ向けて、受け取り方によって言葉の意味が変わるような書き方をしてみよう」といった逆算をしながら歌詞を書きました。

――『MIRAI』の中でお気に入りのフレーズを教えてください。

桜田　お気に入りというか、いまの僕に必要だと思っているのが「分かってる　全部分かってんだ　愛を分かち合おう」というフレーズです。僕の中ではこの言葉がすべてであり、でも軽い言葉にもなりかねないので、自信を持って伝えたい言葉なんです。生きていく上では嬉しい出会いも悲しい別れもあって、自分も少なからずそういう経験をしてきた。そんな中でもプラスの、ポジティブな表現を共有していくべきだと思うんですね。この歌詞の中の「愛」というのは色んな愛がある中で、すべての集合体の「愛」のことを言っているんです。「分かってる」という言葉も、自分の中で答えがあるのに素直に表現できなかったり、周りの目を気にし過ぎてしまう自分もいる。そんな感情も自分の中では大事にしたいという気持ちを表現しています。

――すごく想いが詰まった歌詞ですね。

桜田　そうなんです。僕、想いを詰めがちで(笑)。でも、今までは一人でつくっていたので、共作者がいたことがなくて。だから、一人だったらできていなかった歌詞だなと思いますし、新しい挑戦や経験です。

――楽曲のタイトルを『MIRAI』と、漢字でもカタカナでもなくローマ字表記にしたのはなぜですか？

桜田　もちろん世界中の方に届けたいから、というのが一つ。あと裏話的なものだと、海外の方向きに未来を英語で『Future』とするのか、という話も出たのですが、日本から世界に届けたいという気持ちがあったし、『MIRAI』という言葉の響きも大事にしたいなと思ったので、訳さず、でも漢字にはせず、ローマ字表記の『MIRAI』にしました。

【桜田通（さくらだ どおり）Profile】
1991年12月7日生まれ。東京都出身。
2005年のドラマ『瑠璃の島』にて映像デビュー。ミュージカル『テニスの王子様』（2006〜2007年）の主人公・越前リョーマ役に抜擢される。その後、映画『劇場版さらば仮面ライダー電王ファイナル・カウントダウン』(2008年）に野上幸太郎役で主演。
2020年冬より全世界独占配信された、Netflixオリジナル『今際の国のアリス』シリーズに出演。現在、テレビ東京で放送中のドラマ『クールドジ男子』に出演中。
2023年5月12日、楽曲『MIRAI』を全世界に配信してメジャーデビュー。5月26日からは全国ツアーを実施する。
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