豊田裕大に単独取材:『MEN’S NON-NO』モデルから俳優へ 「遊びや余白のある役者になりたい」

2023.4.29 12:00

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2019年に『MEN’S NON-NO』専属モデルとしてデビューした後、2021年から俳優業もスタートした豊田裕大。憧れの先輩・菅田将暉がいる所属事務所には自ら売り込みをして志願し、5月公開の映画『銀河鉄道の父』で共演を果たすなど、着実に目の前のチャンスをものにしてきた。自身の性格を「まじめで遊びがない」と分析しながら、デビューのきっかけから現在までについて、真摯に答えてくれた。

■バスケットボールに打ち込んだ学生時代から一転、『MEN’S NON-NO』モデルに

――2019年、20歳の時にファッション誌『MEN’S NON-NO』の専属モデルとしてデビューされました。応募のきっかけは何でしたか?

豊田 高校生まではバスケットボールに打ち込み、プロのバスケットボール選手を目指していたんです。でも大学へ進学してから、本当にプロ選手としてお金を稼げるのかな? と疑問に感じ始めて、次は何を目指そうか、と考えました。

いろんな選択肢があった中で、役者をやりたいという想いが強くなったのですが、そこを目指すための切符というかフックが欲しくて。『MEN’S NON-NO』のモデルオーディションに合格したら本格的に役者を目指そう、と決めた応募しました。もちろん、単純に『MEN’S NON-NO』という雑誌が好きだというのもあります。

©entax

■所属事務所には自ら売り込み!

――現在の事務所に所属するにあたり、TVのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』にトップコートの渡邊社長が登場されたことが印象にあったそうですね。

豊田 はい。そうです。そのTV番組がきっかけで、自分からトップコートに入りたいと志願しました。でも、放送当時は僕じゃなくて母親が見ていて、「こういう会社で働けたら楽しそうじゃない?」と言ったんです。所属タレントではなくて、スタッフ側で社員として働いたらどうなの? という感じですね。その時点ではモデルでも何でもなかったので、まさか自分が『MEN’S NON-NO』のモデルになって役者にまでなれるとは思っていないじゃないですか。なので、その時からトップコートはいい事務所というイメージがあり、モデルになってから自分で所属したいと願い出ました。

――実際に所属されてみていかがでしたか?

豊田 思っていた印象と変わらなかったです。すごくいい環境でお芝居の仕事をさせてもらえるし、先輩方も俳優業界を引っ張ってくださるような方ばかりだし、事務所のカラーは僕が思い描いていた通りでした。だけど役者業に対しては、一筋縄ではいかないという現実を最近すごく感じているので、そういう部分では必死に食らいついていかないと、と気を引き締めています。

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■“役者のマインド”を勉強中

――俳優活動のデビューは2年前、21歳の時ですね。モデルの仕事と違って戸惑ったことはありますか?

豊田 戸惑いっぱなしです。役者とモデルは全然違います。演技の世界はルールや専門用語も多いし、“役者のマインド”みたいなものも知らないままだったので。やっと今年に入ったくらいから、少しずつ役者という立場への理解や、仕事に対してもっとストイックにできる部分がまだあるなと気がついているような感じです。

――どういうところで気づきがあったのですか?

豊田 映画『銀河鉄道の父』の撮影現場で、父親役の役所広司さん、兄・宮沢賢治役の菅田将暉さんはじめ、共演者の皆さんの姿を通して、どういう風に役者という仕事に向き合っているんだろうというのが知れたという部分はあります。今もまだ理解を深めようとしている最中です。

■デビュー作では“バミリ”もよくわからなかった

――デビュー作のドラマ『じゃない方の彼女』(2021年・テレビ東京)の現場で印象に残っていることはありますか?

豊田 まず、こんなにすごい人数の中で撮ってるの? っていうのにびっくりしました。台本で覚えたセリフを演技としてしゃべるのは不思議だな、とか、“バミリ”もよくわからなかったし、モデルの現場しか知らなかったので驚きの連続でした。監督からは「細かい作業を担うのが役者の仕事なんだよ」というお話をいただいて、その時は何となく理解はできたのですが、今になってその時の言葉の理解が深まったような気がします。

――今年の2〜3月には日テレ系深夜ドラマ『沼る。港区女子高生』で、桜田ひよりさん演じる主人公・えなの彼氏、悠真役で出演されていました。共演者は同世代が多かったと思いますが、どんな現場でしたか?

豊田 すごく刺激を受けました。撮影しながら「ここをこうした方がいいんじゃない?」という意見が飛び交う中、自分も意見を出したり、活発でやる気にあふれる現場でした。桜田ひよりさんは僕より年下ですがキャリアは先輩なので、仕事に対しての想いや関わり方を見て勉強になりました。

©2022「銀河鉄道の父」製作委員会

■憧れの役所広司、菅田将暉と映画で共演

――俳優の先輩で、憧れや目標とする方はいらっしゃいますか?

豊田 この仕事を始めた頃から役所広司さんと菅田将暉さんの名前を挙げていたのですが、そこは変わらないですね。正直に言うと、最初は、役者というものが何かをわかっていない時期から憧れの存在を取材で聞かれていて、好きな俳優さんを答えていた部分があったんです。でも今回、映画『銀河鉄道の父』でお二人とご一緒させていただいて改めてすごさがわかったので、憧れる思いを強くしました。

あとは昨年『さかなのこ』を観てから、のんさんの演技がすごいなと感じています。唯一無二の存在というか、のんさんがお芝居をしていると、物語が華やかになるし、台本のセリフやト書きで書かれているものじゃない何かを出せる女優さんだと思うので、すごく素敵ですね。

■いつかは芝居に遊びや余白の部分をつくれたら

――現在放送中の日本テレビ水曜ドラマ『それってパクリじゃないですか?』にも出演され、今年はドラマも映画も出演作が続きます。今後はどのような活動をしたいとお考えですか?

豊田 仕事に関しては、今と変わらず一生懸命真剣に取り組んでいきたいです。今はまだ、余裕や遊びみたいな部分がないので、いつかは余白のようなものがつくれたらいいなと思います。とにかくいい作品に巡り合えるように、出演できる機会があれば全力で、今までの現場で自分に取り入れてきたものを存分に発揮して、フレッシュなお芝居を、本物のようにその場にいられるようになりたいなと思います。

――ありがとうございます。とても真摯にインタビューに答えていただいたので、周囲からまじめと言われるのがわかる気がします!

豊田 そうなんですよ。遊びがなくて……。

©entax

■マンガ『ベルセルク』にドハマリ中!

――いえいえ、ありがたいです。じゃあちょっと最後にゆるい質問を。最近のハマりものを教えてください。

豊田 ハマっているのはマンガの『ベルセルク』です。(中世ヨーロッパが舞台の)ダークファンタジーなんですけど、ガッツという主人公(剣士)が戦場を生き抜いていく中で、傭兵団「鷹の団」の団長・グリフィスという少年と出会って、一緒に戦っていく話です。作者の三浦建太郎さんが亡くなってしまったんですが、あまりに人気の作品だったので、その意思を受け継いで制作が続けられているんです。神話やいろんな引用があるところが面白くて、キャラづくりがものすごく細かいところが“すごい”の一言です!

【豊田 裕大(とよだ ゆうだい)Profile】
1999年4月10日生まれ、神奈川県出身。学生時代はバスケットボールに打ち込み、プロ選手を目指していた。20歳の時に雑誌『MEN’S NON-NO』専属モデルオーディションに合格。2021年、ドラマ『じゃないほうの彼女』(テレビ東京)で俳優デビュー。現在、ドラマ『それってパクリじゃないですか?』(日本テレビ)に出演中。映画は5月5日公開『銀河鉄道の父』、5月12日公開『劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ』と待機作が続く。

写真:©entax、©2022「銀河鉄道の父」製作委員会

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