アーティスト・宮野真守に単独インタビュー 「僕のルーツを探る曲も」5年に一度のアニバーサリーライブ開催へ

2023.5.1 12:00

6月3日に東京ガーデンシアターで開催される『宮野真守 アニバーサリーライブ~REQUESTⅢ~』の開催を控えた宮野真守に、entaxは独自取材を敢行。ライブ見どころや長年第一線で活躍し続ける宮野に、これまで情熱を失いそうになった時、どのように乗り越えてきたのかを語ってもらった。

■劣等感があるからこそ、目の前にあるものを一生懸命頑張ることができる

――『Quiet explosion』(オリジナルTVアニメ『THE MARGINAL SERVICE』のオープニングテーマ)には「取り戻そう僕らのEmotions」という歌詞がありますが、宮野さんはこれまで情熱や希望を見失いそうになった時、どのようにして、それを取り戻されてこられたでしょうか?

宮野:原点に立ち返るのは、簡単なようで難しいですよね。でも“なんで始めたんだっけ?”とか、“なんで今、ここにいるんだっけ?”と、ちゃんと探ってあげるのは非常に大事なことだと思います。やはり人生いろいろあるから、すべて自分で思い描いたような道筋ではなかったりする。でも、それは根本にある何がしかが導いてくれた結果だと思うんです。

僕の場合は“エンタメが好き”という思いをずっとなくさなかったということだと思うんです。状況に応じてその時できることはいろいろ変わっていくし、時にはできないことに打ちのめされたりもしました。でも好きということを諦めないでいたから、僕は18歳の時に声優の仕事に出会うことができ、25歳の時にアーティストデビューができた。そして今ドラマや舞台、バラエティーといった新しいジャンルにも出演することができています。

子どもの頃、テレビが大好きでエンタメが好きだったという思いを、ずっとなくさなかったことが今につながっていて。もちろん高望みする時代もいっぱいありました。でも子どもの頃、うまくいかなかったという劣等感があるからこそ、今、目の前にあるものを一生懸命頑張ることができるんです。

好きが根本にありながらも、自分の中に来てくれたものを、一生懸命1つずつ頑張ると、また新しい道が開けてきたりする。それは自分が予想したことではなかったとしても、根本に大事なものがあるから、ずっと楽しくやっていられるんだと思います。

――時として上手くいかないときはありませんでしたか?

うまくいかない時って、だいたいの人は何かのせいにしがちなんですけれど、決してそうじゃないんですよね。僕も若い時に、「なんで仕事がないんだ」とか「(なんで)うまくいかないんだ」と、誰かのせいにしようとしていました。でもその好きを仕事にするために、自分は何ができているのかと考えてみると、きっとスキルが足りてなかったんですよね。

だから仕事ができないのだったら、逆にスキルを身につける時間にしようと思って。それからまたレッスンをすごく頑張ったんです。この基盤が今につながっているんだと感じますね。その原動力になる好きという思いは、きっと誰しもが持っているものでしょうから、それは大事にしてほしいなと思います。

写真:©entax

■エンタメをやる以上、楽に逃げないよう自分に発破をかけている

――今年の6月3日にアニバーサリーライブが控えていますが、この公演にかける思いについて、教えていただけますか?

宮野:アニバーサリーライブはアーティストデビューから5年に1度開催していて、いつもリクエストをいただいた中から自分の楽曲だったり、カバー楽曲だったりを組み込む構成にしています。だから特殊なライブであって、普段のライブツアーとは、また別枠に自分の中でも置いているんです。

今回は3回目だからこそ、少しでも新しい見せ方ができたら、と思っています。1日2回公演だったりもするので、それも含めてしっかりとパフォーマンスが下がらないような流れを考えていかなくてはという使命感もあります。

演出については、僕の中でいろいろ組み上がってきたところです。何より「どのカバー曲を歌ってくれるんだろう」といった皆さんからの期待も含めて、やはり必ず他とは違う面白みのあるライブになると思います。リクエストの中で、最新の曲から僕のルーツを探るような曲まで、いろいろとチョイスしたので、それは楽しんでもらえるんじゃないかなと。

――カバーする時は、どんなことを大切にして挑まれていますか?

宮野:人の家に上がった時に汚さないように帰る、みたいな感じですね(笑)。それは大事にしたいなと思います。

――その世界観に、お邪魔させていただく、みたいな感じでしょうか。

宮野:そんなイメージがありますね。もちろん女性の楽曲などを歌わせていただく時は、キーを変えなくてはいけないこともあるから、それによってアレンジが変わる時もあるんですけれど。でも本当にありがたく歌わせていただくという気持ちだけですね。

写真:©entax

――これだけのキャリアを重ねながら、宮野さんがなお挑戦し続ける原動力は何でしょうか?

宮野:エンタメをやる以上は、使命感を持ってやっているからですね。応援してくださっている方々が飽きないようなものを提供するには、やはりアップデートしていかなくてはならないので、そこは諦めちゃいけないな、と思っています。もちろん新しいことにチャレンジしない方が楽ですよ。でも特にエンタメをやっていると、その気持ちが落とし穴になるかなと自分に発破をかけてやっています。

【宮野真守 Profile】
1983年生まれ。埼玉県出身。2001年に海外ドラマ『私ケイトリン』の吹き替えで声優デビュー。以降、『DEATH NOTE』や『機動戦士ガンダム00』などで注目を集め、その後数々の話題作で主演を務める。歌手としては2008年にシングル『Discovery』でキングレコードよりデビュー。2009年から精力的に行なっているライブでは、歌声だけでなくダンスを取り入れるなど、エンターテインメント性の高いパフォーマンスに定評がある。日本武道館やさいたまスーパーアリーナでの単独公演を次々と開催し、大成功を収めている。

写真:©entax

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