ミュージカル『アニー』4年ぶりのフルバージョン公演！　 “トゥモロー”の公開初日を前に “アナ雪の替え歌”で大盛り上がり

4月22日、公開初日を迎えた名作ミュージカル『アニー』。 その前日の21日に行われた会見に、Wキャストで主役のアニーを演じる12歳の深町ようこ、11歳の西光里咲をはじめ、藤本隆宏、マルシア、笠松はる、財木琢磨、島ゆいか、7名が登場した。

1977年、ミュージカルの本場NYのブロードウェイで幕を開けた『アニー』は、同年のトニー賞において作品賞をはじめ 7部門を受賞し、劇中歌「トゥモロー」が大ヒットするなど、空前の人気を博し世界中で大ヒット。

日本では1978年に初上演され、1986年4月に日本テレビ主催による公演が⻘山劇場でスタート。総上演回数は1,945回となり、全国で187万人を超える観客に感動を与え続けてきた国民的ミュージカルだ。

そんな長い歴史を持つ『アニー』だが、2021年、2022年公演はコロナの影響で90分ショートバージョンでの上演に。今回は4年ぶりとなる約2時間30分（途中休憩20分）のフルバージョン公演が実現した。

■相棒の犬「サンディ」と仲良くなるための秘策は？

『アニー』といえば、岩崎ひろみ（アニー役）や蒼井優（ポリー役）など、多くの俳優を輩出する“子役の登竜門”としても知られている歴史ある作品だ。

今回の公演でアニーを演じる深町・西光の2人は、相棒の犬サンディと「仲良くなるためにやっていることは？」を聞かれると対照的な答えが返ってきた。

深町「じつは私はサンディとテレパシーで心がつながっているので、会話をしています。あとオヤツをたくさんあげて、テレパシーとオヤツで信頼してもらえるように頑張っています（笑）」

西光「私はそんなに仲良くなろうとか、信頼してもらおうとか、なついてもらおうとか、そういう事を思っていたら絶対に仲良くなれないと思うので、まずは自分がサンディを信頼して、心の底から愛したらサンディも自分と同じ気持ちになってくれると思う」

■“アナ雪の替え歌”で笑い止まらず

孤児のアニーを引き取る大富豪ウォーバックスを演じる藤本は、3週間くらい前にアニー2人が大笑いしていたというエピソードを披露。その後も「2日ぐらいずっと笑っていた」と話し、深町、西光に理由を聞くと・・・

西光「ちょうど稽古場の駅のところに、大福屋さんというか、お団子屋さんみたいなのがあって、これぐらいのパックにひと口サイズの大福が4つ入ってるんですよ。それで休憩の時に私が食べてたら、2つだけくっついているのがあって、それを（深町）ようこちゃんが（アナと雪の女王に登場する劇中歌）『雪だるま作ろう〜♪』を『イモダルマ作ろう〜♪』に替えて、それをずっと2人で・・・（笑）」

深町が「おイモ味のお団子みたいのがあって・・・」とさらに説明をしようとするも、思い出し笑いが止まらず、しゃべれなくなってしまった2人。 藤本が「・・・という事ですごく良い雰囲気で笑いが絶えなかったんですよ。ありがとう！やっとわかった（笑）」と目を細めながらフォローした。

■アニー2人は“リアクション芸人”

アニーたちをいじめる孤児院の院長ハニガンを演じるマルシアは、深町、西光に謝りたいことがあると告白。ところが・・・

マルシア「毎回突き飛ばしたり、（お芝居で）いろんなことをやっているんですけど、まったくほぼ何にも力を入れてないんです。だからリアクション芸人なんです、この2人は。素晴らしい。何してもゴーンと行くし、もうすごいの！　だから私は何もしてないっていうこと（笑）」

■4年ぶりのフルバージョン公演、見どころや意気込みを語る

大富豪ウォーバックスの秘書グレースを演じる笠松は、今回が3回目の参加。自身初のフルバージョンでの公演となった。90分バージョンは作品の魅力をしっかりと描いた“骨組み”と説明し、今回は2幕ものに戻ったことで骨組みの周りに「おいしい身がたくさん付いている」と話した。

笠松「どの身も全部おいしい。特に私が言いたいのは、ウォーバックスさんがアニーに歌うワルツのシーンがあって、初めてそのシーンのお稽古を見たときに涙がにじんでしまって、ほんとに今もグッときながら見ています。あと個人的にはウォーバックスさんとグレースの恋物語も復活していますので注目していただけたら、うれしいです」

悪役の1人、ハニガンの弟・ルースターを演じる財木は、自身が登場しない場面での意外な見どころを紹介した。

財木「僕が大好きなN.Y.Cという曲がありまして、ちょうどN.Y.Cを歌っているときに、（舞台の）袖で待機しているんですけど、結構全力で歌っているので、もしかしたら聞こえるかもしれない（笑）」

ルースターのガールフレンドで共にアニーたちをだますリリーを演じる島は、「フーバービルなどフルバージョンならではの歌が素晴らしい」と話すなど作品の魅力を語った。

島「フルバージョンになってよりホームレスや大統領、いろんな人の心を一瞬でかえていく（アニーの）姿がたまらない。今年の子どもたちも元気いっぱいで明るいので、みんなが輝けるように悪役3人も頑張っていきたい」

コロナ禍を乗り越え実現した4年ぶりのフルバージョン公演。すべての観客の心を照らす太陽のようなアニーたちの活躍に期待が高まる。

丸美屋食品ミュージカル『アニー』
日程：4月22日（土）〜5月8日（月）
会場：新国立劇場　中劇場
出演：深町ようこ、西光里咲、藤本隆宏、マルシア、笠松はる、財木琢磨、島ゆいか 他
公式HP: https://www.ntv.co.jp/annie/