『クライムファミリー』の本郷奏多に単独インタビュー 20年間大切にしてきたのは当たり前に「1つ1つに真剣に向き合う」こと

2023.4.18 12:00

4月11日深夜から連続ドラマ『クライムファミリー』が始まっている。天涯孤独な詐欺師が、金をだまし取るために潜入した一家のヤバイ事情に巻き込まれるブラックコメディだ。主人公の詐欺師・松田郷を演じるのが本郷奏多。いつものクールな印象とは違い、振り回される男という新たな一面を見せている。一方最近の本郷は、YouTubeで俳優業とは違う一面を披露、チャンネル登録者数60万人突破目前と活躍の場を広げている。俳優生活20年を迎えた本郷に、『クライムファミリー』の見どころと、俳優・本郷奏多の「今」を聞いた。

■本郷にしては珍しい振り回されキャラ「スピーディーにころころ変わっていく」表情を見てほしい

――『クライムファミリー』は月替わりの連続ドラマなので4話で完結ですね。ドラマの話がきた時のお気持ちから教えてください。

お話をいただいた時に企画を説明していただいたのですが、「主人公の詐欺師がとある家族に近づくけれど、その家族のほうがなんかヤバイ秘密を持っているらしい」といった最初の1、2行を読んだだけで「すごく面白そうだな」と思って。第一印象ですごくやってみたいなと思いました。

(さらに台本を読むと)全4話なのでぎゅっとスピーディーに物事が展開して、続きがすごく気になる。スピード感とエネルギー感がある作品だなという印象でした。

――実際、撮影されていかがでしたか。

全4話しかないからこそ主人公・松田郷にすごくフォーカスされていて、ほぼ全シーンに出ているような感じで、毎日朝から晩までぎゅっと短期集中で撮っていましたね。

それに、けっこう外を走るシーンが多くてですね。泥棒して逃げてたりとか、この時間までにどこどこに行かなきゃいけないとか。もうここ数年、プライベートではほぼ運動とかしていなかったもので、毎日、朝走って、夜走ってというのがしんどかったですね(笑)。でも、楽しかったですよ。振り回されるキャラはそんなに多くないので。

――詐欺師・松田郷を演じる上で意識したことはありますか?

台本を読んだ印象だと松田郷は、詐欺師ではあるんですけど、きっと根は悪い人ではなくて心の奥底にちゃんと優しい気持ちを持っている人。

どこかちょっと抜けている部分もある、愛せるキャラクターにできたらいいなと。そんなところを意識しながらキャラクター作りをしましたね。見ている人が、主人公を嫌いにならないように演じたつもりではあります。

――こんな松田郷を見てほしい! というのはありますか?

郷は振り回されるキャラなので、いろいろな表情を見せるところかな。調子がいいことを言っている時はそういう顔をしているし、振り回されて困っていたり、脅されて怖がっていたりといろんな表情がスピーディーにころころ変わっていくところは、郷の可愛らしいところかなと思います。

また、放送回ごとに話の中心人物が変わるので、放送回によって郷の振り回され方が変わるんです。郷が家庭教師を装って潜入した佐々木家の子どもたちから、郷のほうが年上なんだけれど、子どもたちに手玉にとられて転がされている。その様子も面白いですよ。

子どもたちも、高校生の長女と中学生の長男の2人なので、それぞれのアプローチの仕方も違う。佐々木家のお父さんとお母さんは郷より年上で、家族それぞれと郷が一対一で向き合った時に郷のキャラクターが変化するところは、面白いポイントかなと思いますね。

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――詐欺師・松田郷の頭の中ではたびたび「脳内クイズショー」が行われますよね。

郷って1人で生きてきたので、頭の中でひとり遊びをするというか、妄想することがあって。そういう背景がありつつ、一つひとつのシーンで郷が行う選択を面白く、分かりやすく描いているのが脳内クイズショーだと思います。

最初台本を読んだ時は、脳内クイズショーって? ん? って思ったんですけど、全部読み終えたらストーリーのバランスをとる要素の1つになっているな、(ドラマの)アクセントとしても良いなと思いました。見どころの1つかなとも思います。

――本郷さんご自身の頭の中では「脳内クイズショー」のようなものは行われたりしますか。

クイズショーはないです。ただ、自分のことは割と客観的に考えて、物事を選択していますね。そういう意味では、頭の中でいろいろ考えていると思います。“客観的に考える”という視点はすごく大事だと思うので、それは常に持っていたいと思いますね。

■人気漫画のキャラクターを演じることが多い本郷「原作のファンを1番大切にしたい」

――さらにご自身のことを伺います。映画『リターナー』でデビューしてから昨年で俳優生活20年ですね。今どんなお気持ちですか。

与えていただいたことをその時その時に一生懸命やっているだけなんですけど、20年間でいろんなことをやらせてもらえて単純に楽しいですね。うれしいし、幸せだと思っています。

初めはまだ子どもだったので何も分かっていなかったんですけど、中学生、高校生ぐらいになって、いろいろ出させていただいているうちに責任感も生まれて、この仕事の楽しさも分かってきた気がします。それぐらいからは、1つ1つに真剣に向き合うということをしっかりやる、というのを今も変わらずやり続けている感じですね。

――アニメキャラクターから大河ドラマでの公家役まで、幅広い役柄を演じていらっしゃいますが、演じるキャラクターにはどうやって向き合うのですか。

役を作り込むっていう感覚が僕にはちょっと分からない、と言うか、与えていただいたものを一生懸命、台本どおりやっているだけと思っています。

ただ、台本を読んで「こういう感じでいこう」とガチガチに決めていくことはないです。もちろんセリフは、書いてある事実として入れていきますけど、(共演する)相手によって変わっていますね。当日、「この人こういう感じなんだ、だったらこっちか」ってバランスはとるほうだと思います。

――映画『GANTZ』の西丈一郎役、『進撃の巨人』のアルミン役、『鋼の錬金術師』のエンヴィー役、最近では『シン・仮面ライダー』のK.Kオーグ役、さらに12月には『幽☆遊☆白書』の飛影役が控えています。人気漫画のキャラクターを演じることが多いように思いますが、演じる際に大切にしていることはありますか?

原作がある作品は多いほうだと思います。(原作のある作品だけでなく)どの作品においても、自分個人でできる範囲の努力は100%やりきる、自分に与えられた仕事を100%で遂行するということは、意識して必ず行っています。ちゃんと台本を読み込むとか、原作があるものはちゃんと勉強するとか。当たり前なんですけどね。

その上で原作ものは原作があるからこそ、その役を演じさせていただいているし、そのプロジェクトがあるわけなので、原作が一番偉いと考えるのが僕個人としてはベストだと思っていて、そういう組み立て方をしています。

それに、熱心に見てくれる、注目してくれるのは原作のファンだと思うんで、そこはすごく大切にしたいです。

©entax

――漫画、お好きなんですよね。ほかにもガンプラやゲームなど趣味が多くて多才ですよね。YouTubeチャンネルの「本郷奏多の日常」で拝見しました。

漫画は好きですね。男の子が好きなものは広く好きです。どっちかって言うと、頭を使う系のものが好きかな。サスペンスものとか、推理ものとか。あと、デスゲームとか。

面白そうなものに興味を持つことが結構多いので、興味を持ったらすぐモノをそろえてはまってしまいます。でも割と飽きっぽいので、また新しいものに興味がわいて。という結果が多趣味になっている感じですね。

――モノから入るタイプなのですね。

割とすぐ、いろんなモノは買いますね。家にいろいろなモノがあります。

――片づけるのが大変ですね。

でも、きれいにはしているんですよ。整理整頓はめちゃくちゃ得意ですから(笑)。

そんな趣味は、全部が全部ずっと続くわけじゃないんですけど、好きで熱中していたものは、やっぱりしばらくやっていなくても久々にやると絶対楽しいですし、いろいろことに生きていると思います。今となってはですけど、YouTubeで紹介出来たりですとか。

ガンプラやポケモンも、ずっと好きだったらいろいろなお仕事をいただけたりとつながってきているので、いろんなものが好きで良かったなと思っています。

連続ドラマ『クライムファミリー』
フジテレビ系列で毎週火曜日24時35分~25時5分放送(4月11日から5月2日までの全4話)
出演:本郷奏多、大倉孝二、真飛 聖、吉田美月喜、荒木飛羽、井川瑠音、やす(ずん) 他

初回放送終了後、既にフジテレビ火曜ACTION!枠で放送されたドラマでTVer再生回数が最高値を突破!フジ深夜ドラマとしても異例の配信数を誇った。

【本郷奏多 Profile】
宮城県仙台市出身。2002年、映画『リターナー』にて俳優デビュー。大河ドラマ『麒麟がくる』、連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』をはじめとするテレビドラマなどに数多く出演。特に映画では『GANTZ』『進撃の巨人』『鋼の錬金術師』『キングダム』など大人気漫画を原作とした実写化作品で、数々の主要なキャラクターを演じて注目を集める。また、2023年12月にはNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』が配信予定。2020年からは、プラモデル作りやゲームといった多彩な趣味を題材に自ら動画を制作し、YouTubeチャンネル「本郷奏多の日常」で配信。俳優業以外での活動の場も広げている。

写真:©entax

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