大森南朋、北野武組の恐ろしさを思い知る「大先輩の小林薫さんが僕の4倍…」

2023.4.16 18:30

俳優の大森南朋が14日、都内で行われた映画『首』(北野武監督、23年秋公開予定)の完成報告会見に、共演の西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、浅野忠信とともに出席。「北野組の恐ろしさ」について語った。

メガホンを取った北野武監督

『首』は北野監督の最新作で、構想に約30年を費やした戦国スペクタクル。「本能寺の変」を戦国武将や忍、芸人や農民といった多彩な人物の野望、裏切り、運命とともに一大スケールで描く。

北野武監督(左)について語る加瀬亮(右)

北野監督の作品は『アウトレイジ』シリーズ以来、3度目となる加瀬は、狂乱の天下人・織田信長役。『アウトレイジ』でヤクザの若頭を演じた石原は「前回の『アウトレイジ』シリーズでもかなり自分からは遠い役を演じて大変だったので、今回も難しいだろうなと思って参加しましたが、案の定、大変な目に遭いました」と、あいさつして笑わせた。

今回も「かなり狂っている、残虐な信長」と語る加瀬は「自分に、信長役をくれるのは監督ぐらいしかいない」と北野監督に感謝し、「今回ほぼ全員と言ってもいいと思うんですが、全員ひどい人でした」と戦国版『アウトレイジ』のような仕上がりであることを示唆した。北野監督の手腕を「もちろん残酷なシーンも数々出てくるんですけど、なぜか監督がそういうものを描くと、最終的にはすごく品のいい映像に収まっているのがすごい。他の監督とは明らかに違うところだと思いました」と称賛すると、北野監督は「私と三池(崇史)監督の違いですね。私の方が教養があって、家柄がいいという…」と強烈なボケをかまして爆笑をさらった。

明智光秀を演じる西島秀俊

明智光秀役の西島も北野監督のすごさを「今作は常に死がそばにある状況で(登場人物は)生きているので、滑稽なことと悲惨なことが本当に隣り合わせで、すごく笑っていると突然、その後に信じられない悲惨なことが起きたり。悲惨なんだけど、思わずちょっと笑ってしまうようなものは、きっと監督にしか描けない世界観というか面白さ」と表現。北野組の1カットにかける情熱も並々ならぬもので、「撮影がけっこう後半になって、もうすぐ終わるときに監督が“ワンシーン追加したい”っておっしゃって。そのシーンがけっこう大きなセットを組んで撮影をしたんです。それで僕も新しくシーンが追加されたので、うれしくて、ちょっとワクワクしながら現場に行ったら1カットで終わって、“こんなセットを作って、引き(の画)で、1カットで終わるんだ”ってスタッフも呆然(ぼうぜん)としながら。僕も寄りとかがあるのかなと思って、すごく気持ちを込めて演技をしていたら、一瞬で終わって帰ったっていう思い出です。本当に監督のほしい画のために、その1カットのためにそれだけのものを作るっていう素晴らしい現場」と証言した。

“北野組の怖さ”を語る大森南朋

羽柴秀吉の弟・秀長役を務める大森も北野組の常連メンバー。撮影を振り返り、「監督の現場は他の現場と違うというか、完全に監督が頂点に立っておられて、優秀なスタッフの方々が監督の世界をちゃんと作ろうという意思がすごく現場に出ているというか。エキストラというか、役者さんをすごくたくさん使ってああいう画を今、この時代に日本で作れる人って多分、他にいないような気がします。本当に唯一無二で、ずっと僕は憧れ続けております」と“北野愛”をあふれさせたところで、「告白みたいになっちゃった」と照れて笑わせた。

そんな大森でも今作で思い知ったことがあったようで、「北野組はテストをやってすぐ本番に行くんですけど、本番だけ監督がいらっしゃる。もちろん緊張もしますし、いい芝居をやろうという意識もあるんですけど、なるべく緊張しないように心がけて行ったりするんです。今回の映画も大先輩がけっこうたくさん出ていらっしゃって、誰よりも大先輩の小林薫さんが僕の4倍ぐらい緊張していて、それを見て僕もだんだん緊張してきた。“これが北野組の怖さだ”という思い出があります」とユーモアたっぷりに明かした。

●原作 北野武「首」(KADOKAWA 刊)
●監督・脚本 北野武
●出演
 ビートたけし
 西島秀俊 加瀬亮 中村獅童
 木村祐一 遠藤憲一 勝村政信 寺島進 桐谷健太
 浅野忠信 大森南朋
 六平直政 大竹まこと 津田寛治 荒川良々 寛一郎 副島淳
 小林薫 岸部一徳
●製作:KADOKAWA
●コピーライト:ⓒ2023KADOKAWA ⓒT.N GON Co.,Ltd
●公開日:2023 年 秋全国公開

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