世界トップに君臨したバレエダンサー吉田都 念願の『コッペリア』ついに有観客で開幕

2023.2.22 13:30

“ロイヤルの至宝”といわれ世界のトップに君臨し続けたバレエダンサー、吉田都さんが芸術監督として率いる新国立劇場バレエ団。
その最新の公演『コッペリア』が今月23日(木・祝)~26日(日)に新国立劇場で開幕する。
この作品は2021年5月に上演予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、東京都に緊急事態宣言が発出され全公演が中止に。
それでも全キャストを動員し4日間に渡る無観客公演を実施。その様子を無料でライブ配信を行うと、視聴者数は16万7千人を超え大きな話題となった。

撮影:瀬戸秀美

当時、吉田都芸術監督は「コロナ禍で苦しんでおられる方がたくさんいる中、ダンサーたちがこうして舞台に立てるだけでもありがたく思います」と話したが、一方でがらんとした客席を前に、拍手のない舞台に立つダンサーらの苦しみは、いかばかりか計り知れない。

その舞台が2年の時を経て、満を持して観客の前に戻って来る。
吉田芸術監督は「コッペリアの配信を通してあらためて、ダンサーたちの輝く瞬間はそれまでの鍛錬に比べてあまりにも短く、でもだからこそ、心に響くものだと強く感じ入りました。それだけにコッペリアを劇場でご覧いただきたいと思います。皆様のご来場を心よりお待ちしております。」とコメント。
小粋でおしゃれで、ユーモアたっぷりの『コッペリア』。いよいよ舞台の幕があく。

©Tamaki Yoshida

『コッペリア』を前に同じく新国立劇場で上演されたのが『ニューイヤー・バレエ』(1月13日~15日)。『A Million Kiss to my Skin』、『シンフォニー・イン・C』と新年を飾るのにふさわしい華やかな演目が並んだ。
さらに、吉田芸術監督がかつて在籍した英国ロイヤルバレエ団からは、ヤスミン・ナグディとマシュー・ボールもゲストで参加。コロナ禍で難しかった海外のゲスト有名ダンサーをむかえることが再開しつつある。吉田芸術監督は、ヤスミンについて「美しい少女だったロイヤルバレエ団入団当時からずっと見ている身として、彼女が通ってきた道のりが見えるので感慨深いものがありました」と語った。

Symphony in C, Choreography by George Balanchine, © The George Balanchine Trust.
撮影:鹿摩隆司

『A Million Kiss to my Skin』は、世界中で注目されている英国の振付家、デヴィッド・ドウソンによる作品で、バッハのピアノコンチェルトにのせて踊られる、ネオ・クラシック・スタイルの作品。衣装は、青いレオタード1枚。体のラインなどがはっきりとわかり、ダンサーらの肉体美に魅了される。おととしの吉田都コレクションで上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響で中止に。悲願の公演となった新制作だ。クラシックのステップを基本としながらも、ダンサーたちにとっては、チャレンジングな作品となり、新たな境地を見せた。

撮影:鹿摩隆司

吉田都芸術監督は、「とてもエモーショナルな公演」と振り返り、「こだわりがたくさんありましたが、変化していくダンサーたちを間近で見ることが出来、幸せな時間でした」と述べた。  

2022/2023シーズン『コッペリア』
2023年2月23日(木・祝)~26日(日) 全6回公演
新国立劇場 オペラパレス

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