かつてない没入感  “新しい演劇のカタチ”を実現した 『ハイブリッド・イマーシブシアター』

2023.1.13 23:00

■登場人物として楽しむ新感覚エンターテイメント

1月11日(水)、東京・マリーグラン赤坂にてハイブリッド・イマーシブシアター「同窓会~優しくて残酷な彼を偲んで~」が開幕した。本作は、現実とフィクションの垣根を超え、観客が入って初めて作品が完成するという体験型演劇。目の前で起こるさまざまな出来事を、リアル会場とオンラインで楽しむ「ハイブリッド」である。
リアル会場では、同窓会に招待された参加者として、オンラインでは会場に来られなかった同窓生として、それぞれの方法で楽しむというかつてない試みとなっている。

左から陳内将、和田琢磨、玉城裕規

三浦涼介

■会場はパーティ会場。観客にもドレスコードあり

都内のパーティ会場で開催された同窓会。そこでは、大学時代に登山サークルだった仲間たちが再会を喜び合っていた。そんな中、同じ部員だったメンバーから「僕は殺された。どうか真実を」というメッセージが届く。彼は、サークル最後のキャンプで謎の死を遂げていた。
旧友の不可解な死を巡り、次々と明かされる新事実。互いに疑心暗鬼となる中で犯人の追及が始まる。「彼」を殺した犯人はこの中にいる。会場に居合わせた同窓生たち、そして会場に来ることができなかった同窓生たち全員が、その目撃者にさせられる。

■劇場にはない臨場感。推しとの距離に驚がく

同窓会の司会の声で公演はスタート。やがて客席の間を通ってキャストたちが登場して来る。その距離が近い! おまけに会場の参加者に話しかけたり、質問したりしている! リモート参加者のコメントも会場で発表されるなど、異例ずくめの演出。この時点でもう、リアルとフィクションの境目がない。

左から定本楓馬、松島勇之介

■伏線につぐ伏線。結末はどうなる!?

やがて物語は進み、衝撃の新事実が次々と明らかになるなかで、仲間は敵となり、謎が謎を呼ぶ。ストーリーは二転三転して、依然として真実にはたどり着けない。
やがてキャストが会場を出されていくのだが、どうやら別室で別の話が進行しているらしい。リアル会場では、その内容が明かされないまま、目の前でストーリーが進んでいく。
しぐさ、表情、セリフ、そのひとつひとつがすべて伏線ともいえる内容で、「参加型といわれても…」と疑っていたはずなのに、いつしか物語に巻き込まれていた。

終演後に感じた不思議な感覚。どこまでがフィクションで、どこまでが現実だったのだろう? そんなふうに感じてしまうほどの没入感。それでもいくつかの謎が残っている。『別室では何が起こっていたのか…?』 これは配信も見なくては! というわけで、さっそく配信版にもエントリー。

スマホ

■配信版にはさらなる楽しみ方が!

配信画面には、芹星国際大学同窓会の招待状と、メインホールフロアへの案内が。開演すると、司会が準備しているバックステージが映っている!? これはリアルにはなかった映像である。期待感に胸が膨らむ。ほどなく開演し、やがてキャストが会場から出ていくと、スマホ画面にも「別会場」が解放された! そこでは、本編にも負けない濃厚なストーリーと、謎解きの鍵ともいえる展開が…!

その間もメインホールではストーリーが進行しているし、新事実も出てきているし、さらにどっちも修羅場だし、ああ、もう目が足りない! 誰が誰を愛し、誰を憎み、何を求めたのか。何重にも張り巡らされた緻密な謎を解きほぐすためには、1度ではまるで足りない。むしろ何度も見たくなる。

■楽しみ方は自由自在。見方を変えて味わい尽くす

リアル会場では見られなかったキャストの細かい表情や、ささいなしぐさもカメラを切り替えることでばっちり見ることができるし、何度も見ることで新たな発見があり、深くまで掘り下げられたりと、作品の奥深さを感じられるのはWeb配信ならでは。

リアルと配信、どちらも違った楽しみ方ができるハイブリッド・イマーシブシアター。

お気に入りの映画を何度も見るような気分で、ストーリーの裏側までを味わい尽くす新感覚エンターテイメント。緻密に計算され尽くしたミステリーの答え合わせを、ぜひ体感してみて欲しい。

ともかくすごい作品であり、これからますます注目される演劇スタイルであることは間違いない。

ハイブリッド・イマーシブシアター「同窓会~優しくて残酷な彼を偲んで~」
2023年1月11日~15日 公演

リアルタイム配信チケット発売中
https://hybridimmersive.jp/dosokai/

写真提供:©「芹星国際大学同窓会」製作委員会

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