Da-iCE大野『名探偵コナン』テーマ曲は温度感を大切に all at onceと食事会で共鳴

2022.11.7 23:00

現在放送中のアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマ曲『プレイメーカー feat.大野雄大(from Da-iCE)』を歌うボーカルデュオ・all at onceのITSUKIとNARITO、Da-iCEの大野雄大が11月3日、同曲のリリース記念イベントを神奈川・たまプラーザテラスで開催。entax取材班は会場で3人に単独インタビューを実施し、事務所もレーベルも違う2組がコラボするにいたった経緯などを聞いた。

――『プレイメーカー』はどんな楽曲ですか?

NARITO 夢とか目標に向かって走り抜けていく中で、「自分ひとりでなんとかしなきゃ」って(自分自身を)追い詰めちゃうことがあると思うんですけど、そういう時に「ちょっとぐらい誰かを頼ってもいいんだよ」みたいな感じで優しく支えてくれるような思いを込めた1曲になっております。

――コラボするにいたった経緯を教えてください。

ITSUKI all at onceとDa-iCEさんに共通のスタッフさんがいまして、そのスタッフさんにDa-iCEさんのアーティストとしての姿勢や、プロの向き合い方を教えてもらう中で、ライブも何度か見に行かせていただいて、その中で僕たちが「雄大くんと一緒に歌いたい」と思って、ダメ元でお願いしたのが最初ですね。

――大野さんはオファーを受けた時に、どのように感じましたか?

大野 最初にお話をいただいた時は「えっ!?」と。all at onceっていうユニット自体も知らなくて、最初は。YouTubeとかで(楽曲を)あさったりして音楽を聴かせてもらって、「いいなぁ」なんて思いつつも。ただ、ちゃんとしゃべったこともない状態で一緒に歌わせていただくのは何か“やらされている感”というか、面白くないなと思いまして、どうせだったら1回ご飯とかお酒を飲みながらいろいろしゃべらせていただいて、ちゃんと(お互いを)知ったうえでコラボさせていただきたいなという形で会を設けさせていただいて。そこで「楽しくやっていきましょう」という形になりました。

――その食事会でフィーリングが良かったのが決め手になりましたか?

大野 たぶん「この子たちは違うな」と思っても、1回ご飯に行ってしまったら断れないと思うので、ご飯に行くっていう時点で「やりたいな」って気持ちはもちろんあっての状態です。ちゃんと音楽の専門学校で勉強しながらやっていたっていう話を聞いて、僕ももともと育成所というかアーティストアカデミーで勉強していた時期があったので、懐かしさを感じるというか。昔の自分を見ているというか、親戚感があるというか、そんな感じがあったので「よりやりたいな」と思いましたね。

江戸川コナン君(右から2人目)も応援する中、歌声を響かせるNARITO(左)、大野雄大(左から2人目)、ITSUKI(右)

――実際にコラボして、どんな印象を受けましたか?

ITSUKI 僕は雄大くんをボーカリストとして尊敬している部分がすごくあって。その歌い方や発声の仕方を研究していたので、実際に会って「ここはどうやって歌っているんですか?」とか、「どんな気持ちでライブに向かっているのか」とか、とにかく質問をしまくって。そしたら雄大くんは全部、優しく答えてくれたんですよ。本当に優しい方なんだなって思ったのと同時に、何かお兄ちゃんみたいな感じです。

大野 お酒の席だったんで、(自分は)あんまり覚えていなかったんですけど(笑)。

NARITO 食事に一緒に行かせていただく前は、正直ちょっと怖かったんですよ。先輩っていうのもちろんありましたし、ステージ上の姿を見ていてキラキラしていた部分もすごくあって、やっぱり「芸能界の人」っていうイメージが僕の中で(あった)。

大野 ちょっと待って、芸能界の人だよ(笑)。

NARITO でも、実際にお会いしてみると、本当にすごく優しく接してくださる方で。初めてお会いした時から物腰がやわらかい感じで接してくださったので、もうそのイメージは一切なく。ITSUKIもさっきいっていましたけど、頼りにしているお兄ちゃんみたいな感じなので、all at onceからしたら雄大くんは兄貴的な存在になっていますね。

all at onceが「芸能界の兄貴」と慕う Da-iCEの大野雄大(右から2人目)

――最初にall at onceがコラボ曲をリリースすると発表した時、大野さんもシルエット写真のみで名前は伏せられている状態でした。あの時、どんな思いで過ごしていらっしゃったんですか?

大野 すごいのが、僕のファンで気付いている方がいて。「このシルエット、雄大くんじゃない?」みたいなのが来ていて。すごい方もいらっしゃるなと思いましたね。スマートフォン越しじゃなくて正面切って「あのシルエットって雄大くんですよね?」っていわれていたら、「はい」っていっていたかもしれないですね(笑)。

――2組とも普段はツインボーカルとして活動しています。今回、3人で声をあわせた感想を教えてください。

ITSUKI 楽曲がめちゃくちゃ難しかったので、「どういうふうに歌っていこうか」というところでまず悩んで。まず僕たち2人がレコーディングをして、それから雄大くんに歌ってもらって、(音源が)帰ってきた時に「自分たち、まだまだこれじゃダメだな」って思って。雄大くんに負けている感じがしたので、「何くそ」じゃないですけど、もう一度録り直して。普段2人でやっているので、新しいエッセンスが入るとコーラスの声のあわせ方とか、グルーヴ感とかがやっぱり変わってくるので、そこの難しさはありましたね。

NARITO 普段、ITSUKIと2人で歌っているので、お互いのクセや、不意に出る個性みたいなのは直感であわせられる部分はあるんですけど、初めて雄大くんと声をあわせることになったので、その3人でユニゾンで声をあわせますってなった時の声のバランスだったりとか、歌割りをどうしようかみたいな。3分割して歌わなきゃいけなかったので、バランスをどうしようかみたいなのがけっこう難しかったですね。

大野 ちょっと前に(3人で)一緒にイベント出させていただいて、初めて歌わせていただいた時があったんですけど、何が一番難しいかって、やっぱりバトンの受け渡しと温度。僕はもともとアカペラ6人組でやっていた時代があるので、複数人で歌うことの難しさを一応勉強してきたつもりではいるので、やっぱりパートを受け渡す人と受ける人と、その楽曲に対しての温度感。個性とか歌い回しとかグルーヴとかは違ってもいいんですけど、その温度感だけ合っていれば、ユニットとして力強さが倍増すると思うので、その点を気にしながら歌いますね。

――楽曲がアニメ『名探偵コナン』のエンディングテーマ曲として起用されています。

ITSUKI うれしかったのはもちろんなんですけど、僕たち今回で(コナンのテーマ曲を)担当させていただくのが3回目なので。毎回プレッシャーはありつつも雄大くんとこうして歌えたので、(『コナン』の視聴者とDa-iCEファンが)どういう反応になるかなっていう楽しみはすごくありましたね。

NARITO 『星合』と『JUST BELIEVE YOU』という楽曲で前に担当させていただいて、今回、『プレイメーカー』で3曲目のタイアップということで素直にすごくうれしかったですし、1曲目、2曲目は「(アニメのファンに)受け入れてもらえるかな?」みたいな不安がすごくあったんですけど、今回はスペシャルゲストをお迎えしての楽曲だったので、僕ら自身も聴いてくださった皆さんのリアクションが楽しみだったので、(実際に楽曲が流されるのを)待っている間もワクワク感みたいなのが強かったかなと思います。

大野 僕はこうやって声を掛けていただかなかったら(『コナン』に)携わることができていなかったので、まず機会をいただけたことにすごく感謝しているのと、昔から見ていたアニメのエンディングで自分の声が聴けるっていうのがすごく単純にうれしかったですし、家族もすごく喜んでいますね。

NARITO(左)とITSUKI(右)は来年もチャレンジし続けると誓う

――今年を振り返ると、どんな年でしたか? 漢字一文字で表現してください。

ITSUKI 僕は「挑戦」の「挑」っていう字ですね。初めてワンマンライブもして、そして雄大くんとこうしてまた新たなチャレンジをして、アコースティックライブもあって。いろんな経験をさせてもらって、どんどん挑んでいった1年だったかなって思っています。

NARITO 僕は「楽」です。僕は普段、楽観的に物事を考えるっていう意味ももちろんあったんですけど、今年1年、本当に密度がすごくて、僕自身、毎日楽しかったなって思ったので、今年の漢字は「楽」かなと思います。

大野 「歌」。ここ3年間ぐらいコロナでなかなか歌える場所や機会がなかったり、直接お客さんに歌を届ける場所がなかったりしていたんですけど、やっと(もとの)軌道に戻りつつあるなと感じ始めて、いろいろなライブで歌をたくさん歌わせていただいている年末かな、と思っているので、「歌」ですね。

――最後に来年の目標を教えてください。

大野 毎年いっているんですけど、「人生最高の年にする」。毎年、前年を超えていくという意味で、はい。

ITSUKI まったく同じなんですけど(笑)。

NARITO それだけはダメだろ(笑)。

ITSUKI 雄大くんがいってくれたことは、本当に参考になるというか、絶対にそうした方がアーティストはいいと思うので。チャレンジをし続けるというのは、さっきもずっといっていたので。改めてまたいろんなことがどんどん進んでいくので、よりいっそうたくさんの方に知ってもらえるようにいろんなチャレンジをする1年にしたいですね。

NARITO 「逃げない」ですかね。ちょっと怖いなって思うとすぐ逃げちゃうクセがあるので、来年の目標は「逃げない」です(笑)。

【大野雄大(from Da-iCE) プロフィール】
2021年に楽曲『CITRUS』で『第63回日本レコード大賞』に輝いたDa-iCEのボーカル兼パフォーマー。ハスキーで力強くピッチが正確なボーカル力と、MC中にみせるバラエティー要素とのギャップも魅力。2019年4月にアルバム『この道の先に』でソロデビューするなど活躍している。 趣味は釣りと料理。

【all at once プロフィール】
理論派のITSUKIと感覚派のNARITOによる2人組。やわらかで温かみのあるハーモニーと、透き通るようなまっすぐな声を武器に、2020年に本格始動。同年にアニメ『名探偵コナン』のオープニングテーマとエンディングテーマに抜てきされて話題に。その後も2つの地上波連続ドラマの主題歌を担当したほか、ファーストアルバム『ALL AT ONCE』をリリースするなど精力的に活動している。

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