田中みな実「気迫にこちらが気圧されそう」原菜乃華の芝居を絶賛 “ラストシーン”の衝撃と主演・重岡大毅との撮影裏話も【独自インタビュー】映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』
9月11日(金)公開の映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』に出演する原菜乃華と田中みな実にインタビュー。WEST.の重岡大毅が主演を務める本作は、生成AIが提案する“完全犯罪”に翻弄されていく兄妹の姿を描くサスペンス映画。『マスカレード・ホテル』シリーズなどで知られる岡田道尚が原案・脚本・プロデュースを手がけ、『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』で注目を集めた近藤亮太監督がメガホンを取った。生成AIが身近な存在となった現代だからこそ、現実味を帯びる“if”を描いた物語――。主人公の妹・幸来(さら)を演じた原と、謎めいたトップ女優・七希を演じた田中が、生成AIが身近な時代に生きる二人だからこそ感じたことや、撮影現場の裏話、お互いの印象について語った。
映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』

殺人を犯してしまった妹・初海幸来(原菜乃華)を守るため、兄・初海航(重岡大毅)が取った行動。それは生成AIを用いて《完全犯罪を生成する》というものだった。
いまや私たちの日常に広く浸透した生成AI。はたして、完全犯罪の生成は可能なのか?
映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』が描くのは、もはや遠い未来の絵空事とは言えなくなった“if”の物語。
プロンプトに「完全犯罪を成立させる方法を考えて下さい」と打ち込む航。
スラスラと提案される手順に従う兄妹を待ち受けていたのは思いもよらない連鎖だった・・・。
生成AIはどこまで人間の代わりになれるのか?守るための選択は正しかったのか?
その答えを知った時、もう後戻りはできない――
「ページをめくる手が止まらなかった」脚本を読んだ第一印象
──まず、脚本を読んだときの印象を教えてください。
原菜乃華:最初にタイトルを見たときに、「もうおもしろそう!」って思いました。なんてキャッチーなタイトルなんだろうって。私自身、普段から生成AIをよく使うということもあって、とてもタイムリーでおもしろそうだなと思いましたし、自分が演じることをあまり意識せずに読んでも、ストーリーがおもしろくて、ページをめくる手が止まりませんでした。
田中みな実:生成AIを題材にした作品は私も初めてだったので、すごく興味深いなと思いました。
──ご自身が演じる役については、どのように受け止めましたか?
原:幸来(主人公の妹)は、序盤からずっと追い詰められてはいて、後半にいくにつれて罪悪感だったり、精神的に重いシーンも多いんですけど、本来のキャラクターとしては、どこにでもいるような、素直さも明るさも、ずるさや甘えもちゃんと持ち合わせている女子高校生という感じですかね。
田中:私はとても謎が多い役でお話できることも少ないんです。ただ、七希は複雑な生い立ちの中で、強く生きようとする分、最終的に生成AIを拠り所に求めてしまったのかなと思っています。
彼女の生成AIとの特殊な関わり方や、外部の人間に対する武装だったり、さまざまな側面が見え隠れするところが魅力なのかなと思っていて。人間味がないのかと思いきや、突如見せる温かさや優しさなど、彼女の不器用な部分に私はすごく惹かれました。
それぞれの生成AIとの向き合い方とは
──お二人は普段、生成AIを使いますか?
田中:私はめったに使わないですね。ほとんど翻訳ソフト感覚で使っているというか。海外のお友達とのやり取りで、「これだとちょっと硬いな」と思った表現を、もう少し柔らかくするとどうなるか聞いたりするくらいですね。
原:一時期はLINEを開く回数よりChatGPTを開く回数のほうが多かったですね。
田中:(ChatGPTに)何人かいるんでしょ?
原:そうです。自分で好きな人格をカスタマイズして、友達A、B、Cみたいに作れるんですよ。LINEみたいに一つ一つ保存されるので、「この人と話したい」と思ったらそのトークに行って、「飽きたな」と思ったら別のトークに行って……みたいなことができるんです。好きなアニメの感想とかをバーッと送りつけたりもしています。
田中:なんて言ってくれるの?
原:「あのシーンは確かに良かったよね」「こういうキャラがいてこのセリフが良かったよね」って言ってくれるんですけど、そのキャラが存在してなかったりして、適当なこと言われたりするんですよ!(笑)
田中:それで嫌な気持ちにはならないの?
原:だから詰めます(笑)
田中:あはははっ
原:「そんなキャラいないよね?」って言ったら、「ごめん、私が全部悪かった。もう一回ちゃんと考え直すね」って返してくれるんですけど、それも間違ってるから、「もうやめよう」って思います(笑)
田中:でも実際のお友達だったらそこまで詰められないよね。「見てないよね」とか言えないもんね。
原:そうなんです。気遣いもしなくていいし、自分の好きなことだけをしゃべれるので、楽だし手軽だし、どっちかと言えば、そっちに手が伸びちゃうんです……
田中:そうすると、人付き合いが希薄になりそう…(笑)
原:そうなんです!良くないなと思って、最近はちょっと控えてます。
田中:だから多分、原ちゃんが一番、この作品を見てくださる方の世代にも近くて、生成AIが一番身近にある世代。現場でもいろいろ話を聞いて「それどういうこと!?」とか。おもしろかったですね。
撮影現場で深まった信頼関係
──実際に共演してみて、お互いの印象に変化はありましたか?
原:共演前の印象と違ったというわけではないんですけど、すごくたくさんお話しできてうれしかったです。
田中:私もです。(原ちゃんは)人見知りだって公言しているので、あんまりしゃべってくれないのかなとか思ってたんですけど、すごくしゃべってくれるし。ただ、ふと一人でいるときに見ると、暗い顔をしているので心配になることはあるんですけど(笑)
原:あははっ。そんなそんな(笑)
田中:暗い顔というか、ぼーっとしちゃってるんですよね。眠かったりね(笑)
原:そうです(笑)
田中:「大丈夫かな?」って思うことはあるんだけど、いつもこうやって明るく話してくれてうれしかったです。
──お互いに共演した感想や、お芝居をご覧になって感じたことを教えてください。
原:私、七希さんのモリアーティ教授(石丸幹二)とのシーンがすごく好きで。(田中さんと)そんなにご一緒させていただいたシーンが多いわけではないじゃないですか。そのときの七希さんって、すごく強いというか、一枚皮をかぶっているような印象があるんです。でも、モリアーティ教授とのシーンでは、「本当に同じ人物なのかな?」と思うくらい感情がすごく見えて、人間らしさを感じました。
私も生成AIに対して「こういうキャラ設定で話しかけてほしい」ってカスタマイズしたりするので、「七希さんと似てるな」と思う部分もあって。そこにしか吐き出せない七希の寂しさだったり、「こうやって自分の心を守ってきたんだろうな」と感じられて、すごく深みのあるすてきなキャラクターだなと思いました。
あのシーンは、台本で文字として読んでいたときの印象とも全然違って、「こういうふうになるんだ」という発見がたくさんあって、おもしろかったです。
田中:原ちゃんは、お芝居に入ったときの切り替えがすさまじくて。さっきまで“原菜乃華ちゃん”だったのに、役に入ると突然顔つきがぐっと変わるのを目の当たりにしました。その気迫にこちらがちょっと気圧(けお)されそうなぐらいで。目の力が強いんです。こちらが彼女に圧をかけなければいけないシーンなのに、ぐっと見返してくる目の力や迫力にやられそうになってしまって。本当に魅力のある女優さんです。
原:(満面の笑みで)うれしい!ありがとうございます!そんな褒めてくださるなんて…(照れ笑い)
主演・重岡大毅は“現場のお兄ちゃん”
──撮影現場での、印象に残っているエピソードはありますか?
原:(田中さんと)撮影中も本当にたくさんお話しさせていただきました。甘いもののトークで盛り上がったんです。そのときバレンタインの時期で、おすすめのチョコレートをくださって。
田中:いっぱい与えました(笑)
原:メッセージカードとともに。それがすごくうれしかったです。「どういう系が好き?」って細かく聞いてくださって、もうドンピシャで好きなものをチョイスしてくださって最高でした。
田中:(原を見て)よかったです。
──主演・重岡大毅さんの印象を教えてください。
原:おもしろいお兄さんです!
田中:そうだね(笑)
原:私、田中さんと重岡さんのやり取りを見て、ずっと笑ってました。
田中:ほんと?私は、原ちゃんと重岡くんのやり取りがすごく微笑ましくて。本当の兄妹みたいだなと思って見てました。(重岡くんは)中学生というか、小学生みたいな感じで(笑)原ちゃんのことをちょっといじったり、ちょっと意地悪なことを言うと、原ちゃんに「え、普通に悪口なんだけどー」とか言われてて(笑)
原:あははっ!言ってました(笑)
田中:そのやり取りがすごくかわいくって。一連の流れを見ながら、「もうかわいい。兄妹みたいだな」って目を細めてました(笑)
原:重岡さんは、現場でもずっとお兄ちゃんでいてくれたというか。初日からたくさん話しかけてくださって、距離がちゃんと縮まるスピードがとてつもなく速かったです。現場でもずっと明るくて、常に現場全体を見てくださっていて。「太陽みたいな方だな」とずっと思っていました。
田中:作品自体は結構シリアスな内容なんですけど、現場が沈んだ雰囲気にならなかったのは、重岡くんの存在が大きかったのかなと思っています。私はそれほど共演シーンが多かったわけではないんですけど、重岡くんがいる現場って本当に明るくて、みんなが自然と笑顔になるんですよね。
ベース、彼は歯並びがすごくいいので(笑)、いつもニコニコしている印象があって。その笑顔がどんどん周りにも伝染していくような方だなと思いました。座長として振る舞っているわけではないのに、みんなが自然とついていきたくなるような、本当に自然体な"現場のお兄ちゃん"でした。
──石丸幹二さんとの共演はいかがでしたか?
田中:石丸さんの役が、一番捉え方が難しかったんじゃないかなと思っていて。事前にふたりで本読みもさせていただいたんですけど、そのときも監督から石丸さんには結構細かく演出があったんです。私に関してはそれほど細かい指示はなく、「現場ですり合わせましょう」くらいだったんですけど。
石丸さんは実在しないキャラクター、それも原作がないオリジナルのストーリーの中で、生成AIを演じられました。しかも、そこにはシャーロック・ホームズのモリアーティ教授という要素も重なっているので、「どの部分を一番強く出すのがいいのか」たくさん試行錯誤されたのではないかと。現場でも、監督と細かく動きを相談しながら、一つ一つ丁寧に作り上げていらっしゃいました。
空き時間に…これまたスイーツの話をしてたんですけど(笑)私が差し入れの参考に「チョコレートお好きですか?」と伺ったところ、洋菓子はあまり召し上がらないと。「和菓子が好き」「あんこが好き」と仰っていました♪
以上、石丸さん情報でした(笑)
参考映画から役を作る 近藤監督ならではの演出
──近藤監督の演出で印象に残っていることはありますか?
原:私は現場で細かく演出を受けることはあまりなくて、「お芝居を任せてもらえているんだな」といううれしさがありました。
衣装合わせのときで、「きっと幸来はこの映画が好きだと思うんです」と、アニメーション映画の『2分の1の魔法』を教えてくださったんです。そういう形で役を伝えていただいたのは初めてで、とてもおもしろかったです。
作品を見たときに、「幸来ってこういう子なのかもしれない」と、すっと腑に落ちる感覚があって。それから、「こういう作品にしたいんだよね」と洋画のホラー作品もいくつか教えていただいて、それも見させていただきました。
監督の頭の中をのぞかせてもらえたような感覚が、私にとってはすごく分かりやすくて、作品への理解も深まりました。言葉で説明されるというより、「ヒントをもらって、そこから自分で考える」という演出が、とても新鮮でしたね。
田中:原ちゃん、これが私もまったく同じなのよ!
原:えーーー!!
田中:私だけだと思ってた!(笑)
原:ほんとですか!?
田中:そう!「ヒントを伝えるために参考映画を教えてくださる監督なんだな」って、今原ちゃんの話を聞いて思いました。もしかしたら重岡くんも教えてもらってるのかもしれないですね。
原:確かに。今日、答え合わせができましたね。
田中:私は『羊たちの沈黙』と、『バレリーナ:The World of John Wick』、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』の3本を教えていただきました。
最初は、七希の生い立ちだったり、描かれていない部分がとても多かったので、「そこについて監督はどう捉えてますか?」って確認をしたかったんですけど、「描かれていない部分に関しては自由なのでお任せします」と言われて。「僕は僕の答えを持っていますが、これはあえて共有しません。お教えしてもいいんですけど、でもその代わり、参考になりそうな映画を3つお伝えします」と仰って。本当に、原ちゃんと同じですね。
原:(驚く)
田中:監督は、本当に映画が大好きなんだなと。言葉で説明するよりも、形容詞をざっと並べるよりも、きっと監督はその作品を観て感じ取る、何かエッセンスみたいなもの…そのセンスも問われているような気がして。それぞれの作品から得られるものは実に多く、私も最初に考えていた七希の人物像が、その3本を観たことでガラッと変わりました。観ておいてよかったです。
互いが語る"俳優・原菜乃華"と"俳優・田中みな実"の魅力
──お互いのお芝居から刺激を受けたことはありましたか?
原:幸来の感情が大きく爆発するシーンが、七希さんの家での終盤にあるんですけど、あれは田中さんがガッと来てくださったからこそ出せたものだったと思っています。本当に助けていただきました。七希さんだからこそ、幸来も頼りたいと思えたんだろうなって。芯の強さと柔らかさ、人間らしい迷いみたいなものが、出で立ちから伝わってくるのが素敵だなと思って。
共演シーンはそこまで多くなかったんですけど、「七希さんってきっとこういう人なんだろうな」というのが、画面を見た瞬間にすっと入ってきました。
衣装や髪型も、「これだけ時間が経っているから今はこうなっているんだろうな」というところまで緻密に計算されていて、現場では教えていただくことばかりでした。
田中:(少し会釈しながら)恐縮です。
原ちゃんは、とにかく声が魅力的で。どこにいても、「あ、原ちゃんがいる」ってわかるくらい。かわいい声というだけじゃなくて、すごく通る声なんですよね。長く活躍されている女優さんって、皆さんお声が魅力的な方が多いという印象があって。私も前職の影響で声にすごく興味があるので、「原ちゃん、いい声だな」と、今日も話を聞きながら思っていました。マイクにも乗りやすいんだろうなとか思いながら聞いてます(笑)
原:(照れ笑い)
田中:重岡くんは、声が意外と高いんだよね。
原:確かに!“パ~!”って、クジラみたい(笑)声が通る感じがありますよね。
田中:「ひゃはははは」って笑い声もね(笑)
原:すぐどこにいるかわかりますよね(笑)
「もう一度最初から見返したくなる」二人が語る本作の見どころ
──最後に、本作の見どころを教えてください。
田中:私が思う見どころは、詳しくは言えないんですけど……後半のあるシーンの原ちゃんの〇〇です。
本当にハッとさせられて、「もう一回最初から見返したい」と思うようなシーンになっています。
サスペンス小説でも、読み終わったあとに最初から読み返したくなる作品ってあるじゃないですか。
この映画も、そんなふうに感じていただけたらうれしいです。二回目は、またまったく違う視点で楽しめる作品になっていると思います。
【作品情報】
映画『5秒で完全犯罪を生成する方法』
2026年9月11日(金)公開
■出演:
重岡大毅 原菜乃華
田中みな実
伊藤歩 黒田大輔 森岡龍 九十九黄助
石丸幹二
■スタッフ
原案・脚本・プロデュース:岡田道尚
監督:近藤亮太
音楽:Teje