【声優インタビュー】中村悠一、新たな挑戦!全くしゃべらないキャラを演じた“音にならない声”とは? アニメ『TO BE HERO X』<黙殺>編
毎週⽇曜あさ9時30分から放送中のスーパーヒーロー活劇アニメ『TO BE HERO X』。多様なヒーローが登場するオムニバス形式の物語が徐々に1つにつながっていく本作は、7月13日(日)よりいよいよ6人目のヒーロー<黙殺>編へと突入。“全く言葉を発さない”という声優泣かせのキャラクター・黙殺に対し、演じ手の中村悠一は“音にならない声”に挑戦したという。
(※ストーリーの重要なネタバレは含みません)
異彩を放つヒーローたちが喝采を浴び、「信頼」がスーパーヒーローを生み出すという独自の世界観で描かれるアニメ『TO BE HERO X』。その世界では、人々から信じられたならどんな特殊な能力も手に入る代わりに、ひとたび信頼を失えばどんなヒーローであっても能力を失ってしまう…。
第15話からメインで登場する<黙殺>もその一人。言葉を発することなく任務を全うするクールなヒーローは、どんな信頼を得て、どんな能力を駆使し、どんな葛藤に直面するのか。そして、そんな黙殺と中村はどう向き合ったのか──?

◆作品の“挑戦魂”が好き!中村悠一「敬意を払いたいし、面白いと思いたい」
──初めて台本を読んだ時や映像をご覧になった時、本作についてどんな感想を持ちましたか?
中村 僕が台本を読んだのはロリ編(黙殺編の手前)からだったのですが、後から完成した第1話を拝見した際に1番驚いたのが(作画が)3DCGだったことですね。「もらっている素材(確認用の映像素材)が違うんじゃないか!?」と(笑)黙殺編では2Dのアニメーションとして録っていたので。常識を覆されたと言いますか、これはもう僕らの思い込みが良くないんでしょうね(笑)
──主に3DCGで描かれていたものが途中から突然2Dで描かれ始めたのは、一視聴者としても驚きました(笑)
中村 そうなんです。エピソードごとに手法も違えばキャラクターのデザインなども違っていたので、「そういう狙いなのか!」と。クイーン編(第11話・12話)とかも全然タッチが違って「3DCGか2Dアニメかどっちだろう?」みたいな絵だったので印象的でしたね。それがこの作品ならではの特徴、“作り”だなと。きっと何か便利なこともあれば不便なこともあるだろうし、“挑戦”ですよね。作品の試みとしてはすごいことをやっているなと思いました。
中村 全部終わってみないと分からないところはあると思います。(放送される)半年間での感想と、数年経って「そういえばああいうアニメあったよね」という感想が、それぞれどういうものになっているかは分からない。ひょっとしたら、何年か経ってみたらこういう作り方をする作品が増えるかもしれないですよね。

──中村さんは、この“挑戦”をどう受け止めましたか?
中村 昔、僕が小さい時に見ていたアニメは、作家さんたちの個性で、絵のタッチが 全然違うということが結構あったんですけど、ある時からファンの方たちの「統一性がないから統一してくれ」という声で、今みたいに極力回数ごとに差が出ないように絵を整えたり、原作があったら原作になるべく寄り沿う形で整えるというのが当たり前になったんです。でも当時の僕は、それを楽しんでいたタイプだったので、そういう意味では(TO BE HERO Xの)話数によって絵が変わるこの形って新しいけど懐かしさもあるんです。
中村 蓋を開けてみたら「やっぱ3DCGの方が良かったな」ってなるかもしれないし、「何々編の絵のアニメの作り方が良かったな」となるかもしれない。自分にとって好みのものを、この作品1つで測ることができるじゃないですか。ベースはアニメ調で3DCGを取り入れて作っているという回もあったので、観る人それぞれの好みがどこかしらに見つけられそうな感じがしますね。
──そんな挑戦的な本作。中村さんが特に好きだなと感じる点は?
中村 やっぱり「これで挑戦してみたい」って思うクリエイターの意気込みというか、僕は結構そういうところを好きになる部分があるので、そういう点ではやっぱりこの絵の施策(3Dか2Dか)はすごく好きですね。これが良いか悪いかすぐには分からないし、今出た評価も何年後かに変わるかもしれない──読めないことではあるんですけど、たぶん作っている側もそうなんですよね。
中村 それでも「絶対これを受け入れてもらえる」と100%言い切れない中で試行錯誤して挑戦してみている。できれば安牌(あんぱい)を取りたいところをあえて挑戦しているということに、やっぱり僕は敬意を払いたいですし、「面白いと思いたい」と思うんです。

◆中村「16話があって良かった」 2つの話で完成したキャラクター像
──中村さんご自身も、本作で「挑戦したこと」はありますか?
中村 僕はいつも作品でキャラクターを頂いた際「今回はどういうことに挑戦してみるか」と、自分の中だけで何かしらの目標を作るんですが、今回の黙殺でいうと“全くしゃべらない”という特徴はありつつモノローグが、まぁべらぼうな量あるんですけど(笑) それをどういう風に表現にするといいのかなと思って、結構声を抑えたんですよ。心の声としてどう表現するかなと、感情ラインをそんなに出さない方がいいのかもなと色々考えながら挑戦してみたんです。
中村 ただこれ、正直僕の中では失敗していて…(笑) もっとこう“音にならない”つもりでやっていたんですが、実際はしっかりマイクに乗っていて「最近のマイクはやっぱ り性能がいいんだな!」と(笑) もちろん僕の中の狙いと違っただけで監督たちからはOKが出ているので、悪い意味じゃないですけどね。今度はもっと気をつけます!
──“声を発さないキャラクター”を演じる上で、特に難しかったところは?
中村 “表”に対して言葉を発していないキャラクターなので、そこが課題でした。実際にしゃべったらどんな風に声が出るか、本当のところは分からない。ずっとしゃべっていないから、1発目に声がひっくり返って「あのっ!(高音)」って言っちゃうかもしれない(笑) モノローグで声が出ないなんてことはないんですけど、やっぱり“これまで黙っていた人間がしゃべり出している”というイメージを入れなきゃいけないなと思ったんです。声が聞き取りにくい方がいいのかなとか、話す内容を上手に整頓できないようにしゃべる方がいいのかなとか──。
中村 なので、15話はそのニュアンスがちょっと入っているんですけど、16話は比較すると流暢(りゅうちょう)に、もうちょっと自然な流れでしゃべっています。結局思うのは、“周りのことに動かされている状況を演じる方が、いろんなものを含んで乗せやすいんだろうな”と。15話は一切会話がなく、自分の中にあるものをただただ語っていく──その中にニュアンスとして僕が入れたかったものがそこまで乗らなかったんですが、16話は自分の中で発するんじゃなく相手から言われたことに対してモノローグで答えたりしているっていう受けの反応なので、これは面白くなっていたなと思いました。

──そんな<黙殺>編の見どころは?
中村 黙殺は事前のキャラクター資料だと結構ゲームのデータみたいな感じで『盗撮された映像がSNSに投稿されたことで、黙々と豚をさばくイケメンとして人々の信頼を集めた』と書かれていたんですが、実際15話のお話を見るとよりネガティブな印象で、すごく悲しい人物だなって思いました。<黙殺>編は結構重めなスタートを切ると思います。
中村 ただ、そこが魅力的というか。16話ではコミカルな、“しゃべらないギャグ”“すれ違いギャグ”みたいなものが展開されたりもして(笑) だから、この2つの話でキャラクター像が1つ完成しているなって思いました。16話があって良かったと思います!
中村 (黙殺の)初登場あたりでは本当に何を考えているか分からなかったり、ちょっと変質者的な見え方というのもあるんですけど、彼がどういうことを考えて取った行動だったのかという説明がどんどんされていくと、皆さんに(真意が)伝わっていくのかなと思います。15話・16話と、この2エピソードが両方で1つのお話になっていて、(黙殺の)過去とこれからというのを描いていますから、そこを見ていただければ! 先の回への期待を持っていただく大事な回なので、よろしくお願いします!

【中村悠一】香川県出身。2月20日生まれ。株式会社インテンション所属。特技はゲーム。『出禁のモグラ』モグラ、『アンデッドアンラック』アンディ、『呪術廻戦』五条悟、『WIND BREAKER』梅宮一、『葬送のフリーレン』ザイン、『Dr.STONE』獅子王司、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』ブローノ・ブチャラティ、『アベンジャーズ(シリーズ)』キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)など、多くの人気作で主要キャラクターを担当。
アニメ『TO BE HERO X』
毎週⽇曜朝9時30分〜フジテレビにて放送中
毎週⽉曜12時〜Netflix &Prime Videoにて最速配信中
毎週⽔曜12時〜ほか配信プラットフォームにて順次配信中
【公式サイト】
【公式X(@tbhx_officialJP)】
※推奨ハッシュタグ #TOBEHEROX