アニメ『この会社に好きな人がいます』原作者・榎本あかまる、憧れはヒロインの結衣? キャラクターが生きている人だと感じる演出に感激
2025年1月6日(月)より放送がスタートしたTVアニメ『この会社に好きな人がいます』。この度、講談社『モーニング』で連載され累計110万部(電子含む)を突破した本作の原作者・榎本あかまる氏にインタビュー。社会人恋愛漫画の誕生秘話から、アニメへの期待まで教えてくれた。
本作はお菓子メーカーに同期入社した、経理部に勤める生真面目アラサー男子・立石真直(たていし ますぐ)と企画部で働く勝気な女子・三ツ谷結衣(みつや ゆい)が主人公。周囲から「犬猿の仲」だと認識されているふたりが、実はお互い惹(ひ)かれていて…!?秘密厳守な恋が燃え上がる、スリルあふれる大人のオフィスラブストーリー。

――榎本先生が大人の恋愛漫画を描く上で気をつけた点を教えてください。
自分の感性が子供っぽいところがあると思っていて、自然に描いていくとどんどんキャラクターの心情が幼くなってしまいそうだったので、ネームを(編集の)担当さんにもチェックしてもらいながら、キャラクターの考え方やセリフが、幼くなりすぎないようにしていました。
――セリフ以外で服装なども気をつけたりされましたか?
そうですね。「こういうブランドを着てそうだな」って考えるのが好きなのもあって、ある程度キャラクターで「この人はこの辺のお店で買ってそう」というのを決めて描いていました。オフィスカジュアルとかは調べながら描いていたかなと思います。
――会社をお菓子メーカーにされた理由はありますか?
本当に最初の頃のノリというか…(笑)最初の方に出てくる、お菓子のサンプル品を持って行って、食べてもらうシーンとかを書けたら楽しいよね!みたいな感じでした。画面としてもかわいいですし、結果的に大正解でしたね。
――真直と結衣のイメージを教えてください。
真直は、ツッコミ気質というか、真面目でしっかりしていて、結衣の色々な行動にツッコむみたいな感じなんですけど、結構脳内はバカっぽいところがあるので、(漫画を)描いている時や、アニメを見させてもらった時に、ちょっと愛しさを感じました(笑)結衣のことになるとバカになっちゃったり、ちょっと夢見がちなところもあるので、そういう抜けてるところが良いなと思っています!

結衣は、私とは遠い人で、“こんな風にできたらいいな”っていうのが、詰め込まれているキャラなので、割と勝手な部分もありますが、素直で感情表現も豊かで、描いていて楽しいキャラクターです。こういう子が近くにいたらっていう願望もありますし、自分がこういう風にできたらいいなという、憧れる存在です!

――結衣は会社とプライベートでのギャップがあるキャラクターだと思いますが、“ギャップ”については意識して描かれていましたか?
そうですね。最初の頃は特に(真直に対して)会社ではめちゃくちゃ塩対応だけど、家ではデレデレみたいなのを強く意識して描いてました。だんだん、素が出てきたような感じになっていきますけど(笑)
――アニメならではの表現で好きなところを教えてください。
原作では飛ばしちゃってるかもしれない、家で真直がレンジでご飯を温めてたり、手を洗ったりみたいな、ちょっとした仕草を見て、キャラクターというよりも、生きてる人なんだということを感じました。漫画だと断片的になってるところも、よりリアルさが出ておもしろいなって思いました!
ほかには、漫画では描けていない“行間”が映像になっていたり、1話12ページの漫画なので、短い漫画を何話か組み合わせて30分のアニメを作ってもらっているので、時系列をつないだり、入れ替えたりしてもらっている中で生まれた、ここでこういうやり取りをして、こうつながるんだっていうのを見るのは、作者目線でもおもしろいです。原作にはなかったやり取りが追加されているのを見ると、お得な気持ちがします!「こういう風に言いそうだな、やりそうだな」みたいなことを、アニメのスタッフさんが入れてくれているので、見ていて楽しいです。

――アフレコ現場の様子はいかがでしたか?
めちゃくちゃ和気あいあいとされていて、こんなに穏やかなんだっていう感じでした(笑)
――榎本先生から何かリクエストされたりはしましたか?
セリフの空気感に関して、(声優さんが)演じていただいたものに、「ここはもうちょっとこういうイメージだったので、こうしてほしいです」といったリクエストはいくつか言ったかなと思います。
――声優さんの演技を聞いてみていかがでしたか?
メインの2人も、それ以外のキャラクターも、イメージ通りでイメージ以上!だったので、すごく楽しかったです。(声優さんが)セリフに遊び心を足してくれて、サービス精神がすごい!って感動したり、原作にプラスアルファでどんどんおもしろくしてくださってるなと感じて、見てくれる人もきっと楽しんでくれるはずだなと思いました。

――榎本先生が一番好きなアニメのシーンを教えてください。
2人が旅行に行く回は、ロケーションもあるし、2人の初めて好きになった時の話とか、未来の話もしているので、全体を通していいなって思いました。ほかには、年末のカラオケ回が遊びもいっぱい含まれているのと、どのキャラもめちゃくちゃ魅力的に描いてくださったので、満足感が高いシーンになっていて、お気に入りです。
――真直と結衣以外のキャラクターの印象はいかがですか?
経理部係長の早川さんと企画部の染井君の2人の関係性は、特に自分が見たい物語でもあるし、(視聴者さんに)見てもらいたいところです。お菓子レビューが大好きな経理部の森園さんはこの作品の中で、1人でずっと楽しんでいて、森園さんが生き生きしていると私もうれしいです(笑)

――視聴者の方にメッセージをお願いします。
監督さんの原作愛をめちゃくちゃ感じながら、大切に作っていただいているので、原作を読んでくださっている人もきっと楽しんでいただけると思います。そしてアニメをきっかけに、作品を好きになってくれる人もいたらいいなと思います。私もいち視聴者として、放送をみんなで一緒に楽しめたらいいなと思っています!
TVアニメ『この会社に好きな人がいます』
毎週月曜日23:00よりTOKYO MXほかにて放送
〈榎本あかまるPROFILE〉
漫画家。『たべものけもの』でデビュー。代表作は『文野さんの文具な日常』、『この会社に好きな人がいます』ほか。現在、講談社「モーニング」で『ドラマな恋は基本から』を連載中。
文&取材:entax編集部