『吹奏楽の旅』に登場した八王子高校が今年の全国コンクールで金賞に!部長と学生指揮者が引っ張った最強バンドのラストに密着
4月12日放送の『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』2時間SPでは、大人気企画の『日本列島 吹奏楽の旅』が復活。次回からの本格始動を前に、2022年の『吹奏楽の旅』で密着した吹奏楽部のその後が紹介された。
神村学園、玉名女子高校に続き、最後に紹介されたのは八王子学園八王子高校。取材当時の2022年は座奏の『吹奏楽コンクール』、マーチングの『マーチングコンテスト』、ともに支部大会で敗退という結果に終わっていた。この時、母校の床に突っ伏して誰よりも長く悔し涙を流していたのが、1年生のコントラバス奏者、飛川くんだった。この飛川くんが3年生となった2024年度には部長を務めているという。
今年3月、2024年度最後の定期演奏会前の八王子高校をスタッフが訪問。久々の笑コラスタッフ訪問に部員たちは大盛り上がりだ。部長となった飛川くんは号泣していた1年生の時とは見違えるほど凛々しく成長し、今年度の成果を報告してくれた。なんと座奏の『吹奏楽コンクール』で6年ぶりに全国大会に出場し、全国大会でも創部以来初となる金賞を受賞したという。金賞を取れた要因を聞いてみると自ら…「部長ですかね?」と語る飛川くん。カメラの前でジョークを飛ばせるほどの余裕が出てきていた。また、顧問の髙梨先生は、なんと息子さんが吹奏楽部に入部し、自身と同じパーカッションを担当しているという。2人並んでもらうと顔だちもそっくりだ。
この日は金賞を受賞した全国大会以来、約5か月ぶりにメンバー55人が集結していた。3年生の多くは受験のため、この5か月間ほとんど練習に顔を出せていなかったという。そんな状況下で演奏されたのは、全国大会でも演奏された『吹奏楽のための交響曲“モンタージュ”』という、高校吹奏楽ではほぼ取り上げられることのないというほどの超難曲。これを5か月のブランクがありながら、部員たちは大会当時とほぼ変わらないクオリティで通し演奏することができた。これには髙梨先生も「正直、スゴイなと思いました」と絶賛だ。
この曲を含め、全19曲が定期演奏会で披露されることになっている。それに備えて吹奏楽部では5日間の合宿が行われた。部長飛川くんの「快進~!」という気合入れと共に練習がスタート。この「快進」という言葉は飛川くんが考案した今年度のスローガンなのだとか。合宿の合間に髙梨先生に今年の快進撃の要因を聞いてみると「みんな頑張ってますけど、みんなの火をつけてくれたのは田代くんと飛川くん」と2人の名前が挙がった。田代くんはトロンボーン奏者で学生指揮者も務めている。「田代くんは自分の気持ちがすごく熱くって、それを伝えるのが上手なのが飛川くん」と髙梨先生は分析していた。
合宿中のある日、1、2年生の練習についていた髙梨先生を飛川くんが訪ねてきた。実は受験していた東京藝術大学の合格発表がweb上で行われたそうで、結果を一緒に見ることにしていたのだ。控室に戻り、まず自分で結果に目を通す飛川くん。すると悲しげな表情で「ダメでした…」とポツリ。残念過ぎる報告に思わず「ホント?」と聞く髙梨先生。すると飛川くんは一転して超明るい声で「うっそ~!通りました!」と本当の報告。髙梨先生も抱き合って喜び合うも「おまえはなんで、そんな時に僕をだますとは…どんな強者なんだねキミは!」と、一瞬とはいえだまされたことへの衝撃の方が強かったようだ。ちなみに髙梨先生も東京藝大OB。飛川くんは先生の後輩となったのだ。その後、田代くんにも合格を報告。田代くんは東京藝大には進めなかったものの、東京音楽大学への進学が決まっており、飛川くんも「プロになって2人で共演するのが夢」と語っていた。

全国大会金賞の決め手になったともいえる難曲『モンタージュ』。実はこの曲を選んだのは生徒たちだったと髙梨先生は明かしてくれた。そこで田代くんと飛川くんに聞いてみると「誰もやらないような曲で勝負するしかないと思った」という。それまで東京の代表2枠を占めていた東海大高輪台高校と東海大菅生高校の牙城を崩すための策だったというのだ。当時、田代くんは先生に「同じようにして負けるくらいなら、ちょっと方向性を変えて負けた方が心残りが無い」と伝えたのだという。「同じようなことをして同じように負けると、“結局またこれか…”みたいな。僕はそれをもう2年間味わったので…」と、それまでの悔しさを全てぶつけていたことを語ってくれた。
田代くんは仲間に呼びかけ、部員たちに向けて、基礎力を上げるためのテキストを作成。「基礎力が無いとどうしようもないとずっと思ってて」という田代くんは「周りの子はなかなか言ってもやってくれない子が多かったので、もう強制的にやらせてしまえ!という発想で…」と、語ってくれた。その甲斐あってか、最後の演奏会前の練習での基礎練習では、後輩たちにしっかりとその考えが伝わっていた。
田代くんを「最強の学生指揮者」という飛川くんと、飛川くんを「相棒みたいな感じ」と評する田代くん、2人がガッチリとタッグを組んで1年間部員たちを引っ張ってきたのだ。それもあってか、全国大会出場が決まった瞬間、2人はステージ上に立っていたにもかかわらず、思わず抱き合って喜びを分かち合っていた。その瞬間のVTRを見ながら「引かれてるし!」「そりゃ引くよ!こんな表彰式ないもん!」と笑いながら語れるのも結果を出せたからこそだろう。ちなみに全国大会の表彰式でも、自分たちでも予想していなかった金賞受賞に再び田代くんと飛川くんはステージ上で抱き合って喜び合い、他の部員たちも客席で抱き合って喜びを爆発させていた。そんな1年を髙梨先生に振り返ってもらっていると、「ちょっと待って…」と言葉が出なくなってしまっていた。そして髙梨先生は「だって…終わっちゃうからね…」と言葉を絞り出した。先生だって思い出深い生徒たちとの別れはつらいのだ。

迎えた最後の定期演奏会。思い出深い『モンタージュ』の演奏を終えた瞬間、指揮台の上で髙梨先生は涙をこぼしていた。そして最後の1曲、ゆずの『栄光の架橋』は学生指揮者として田代くんがタクトを振る。その演奏をバックに部長として飛川くんがスピーチを行う。「つらい思いをしながらつかみ取った全国金賞」「3年生がみんなでよかった」と涙を誘いつつ「3つのお願いがあります」「学校に音楽ホールを作ってほしい」「東京の全国出場枠を3枠にしてほしい」などとちょっと無茶ともいえるお願いをして笑いも誘っていた。
最後のお願いは会場全体で行う「快進!」の掛け声。部長として最後のスピーチを無事やり終えた飛川くんは、盟友・田代くんの元に駆け寄り熱いハグをかわし、ステージから去っていった。そこから3年生が1人ずつ、後輩たちによる演奏をバックに、順番にステージを去っていく。後輩たちに声をかけながら、肩をポンとたたきながら、客席にも深々と挨拶をしながら…。そして田代くんも次の部長にタクトを引き継ぎ、ステージ上には1・2年生だけが残るのだった。そして番組でも次回から、その新しい代を中心とする新しい『吹奏楽の旅』が、新たな学校の吹奏楽部に密着して始まることになるという。
VTRを見終えたスタジオでは、多くの人が感動の涙を流していた。特にMCの佐藤栞里は、声にならない声で「素晴らしい…」というのがやっとの状態。「胸がいっぱいで…」と声を絞り出すと、再び涙があふれ出ていた。
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文:entax編集部