チャンネル登録者数260万人超の人気を支える舞台裏──『QuizKnock』10年間の動画制作現場とは「負けるつらさが1番の動画のスパイス」【10周年記念インタビュー後編】

2026.5.11 19:00

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鶴崎修功、伊沢拓司、東言の写真

クイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する知的エンタメ集団『QuizKnock(クイズノック)』が、2026年10月2日に設立10周年を迎える。YouTubeチャンネル登録者数は約264万人(※2026/4/28時点)。『楽しいから始まる学び』をコンセプトに発信を続けてきたQuizKnock。entaxでは、伊沢拓司、鶴崎修功、東言の3名に独自インタビュー。10年前と現在とを比較したお互いの印象や、動画制作の裏側を明かしてもらった。

QuizKnockは、現在10周年の節目に向けて『QuizKnock10周年プロジェクト』を展開中。その一環として、4月25日(土)の東京を皮切りに愛知・兵庫・福岡・宮城の全国5都市で『QuizKnock10周年記念展』を順次開催。QuizKnockの歴史を振り返る展示やコンテンツ制作の裏側が見える展示、さらにはQuizKnockメンバーたちとクリアタイムを競うことができる早押しクイズコーナー、“初代・赤いソファ”を使ったフォトスポットなど様々な体験が用意されている。

|鶴崎「(東言は)インターネットの人だった」

──QuizKnockに加入してから現在に至るまで、お互いに変わったところや変わらないところはありますか?

伊沢:(東)言はガチの後輩だったからな~。中2でしょ?最初に会ったの。隅田川の…
東:最初ですか?隅田川?
伊沢:天6(天6−クイズサークル日本一決定戦−/2015年)、天6!
鶴崎:天6出てたの!?
伊沢:天6で初めて会った!伝説的な大会だったんですけど。
鶴崎:伝説的な大会ですね、天6は。伊沢さんってどこから出てました?
伊沢:俺は玉Q(埼玉で活動する社会人クイズサークル)から出てた。
鶴崎:じゃあ全員別のチームから出てる。僕はTQC(東京大学クイズ研究会)で出ていて。『天~ten~』という(クイズ番組から派生した)大会がありまして、その6回目の大会だったんです。なので『天6』といって。僕ら2人(伊沢・鶴崎)は東大クイズ研だったんですけど、伊沢さんは社会人のサークルから出て、僕は東大クイズ研から出て、言はまだ鹿児島にいたのかな。
東:鹿児島クイズ愛好会でした。基本社会人しかいない大会で、中学生、高校生ってほぼいなかったので、最年少参加者とかだったと思います。
伊沢:でもすでに名前はちょっと有名だったので。
鶴崎:そう。インターネットで(クイズが)強い双子がいると話題になっていて、だからインターネットの人だったの!僕の中で。
伊沢:そう!「あれが有名な双子か~」みたいな(笑)それが『東大王』で一緒になって。、最初、東大王プロジェクトという東大王の…
東:“プロジェクト東大王”です。
伊沢:ごめん(笑)俺が間違えてどうすんだよ(笑)“プロジェクト東大王”で来たので、そのときに、「『東大王』に出るために僕、東大に来ました」って。うわ~一言目から分かってらっしゃるコメントだなって(笑)
鶴崎:(笑)
東:ガチなんですよ!
伊沢:ちゃんとしたコメントするなと思いながら(笑)そのあと職場が一緒になって、QuizKnockにも入ってきてくれたから、あれよあれよですね、本当に。
鶴崎:間違いない!身体的にも変化してたから(笑)
東:背も伸びましたからね(笑)
伊沢:俺なんてもう背止まって10年経ってるからさ(笑)でも、どんどんと1人の人間が社会人になり、そして(動画に)出る側になり、さらには広報として支える側にもなっている変化を見ると、「うわっなんかすてき」って(笑)人の一生の大事な部分をそばでのぞき見させてもらっている気分なので、これはいいコンテンツですよね。
東:逆が難しいんですよね。僕が伊沢さんとか鶴崎さんを下から見上げている分には、あんまり変化って分かんないというか。
鶴崎:先輩って変わらながち。
伊沢:確かに。先輩って変わらない良さがあるけど、急に変わると怖いもんね。久々に会った先輩が急に変わっているパターンが1番怖いからな~(笑)
鶴崎:確かに。5年ぶりに会ったら、「えっこんなんだったっけ?」みたいな。でも、会っているからそもそも変化に気づきにくいというのはあるかもしれないよね。

東言、鶴崎修功、東問の写真
『東大王』最終回近くで撮影(東言、鶴崎修功、東問)

|メディア出演で見えた自分の立ち位置

伊沢:鶴崎は『ラヴィット』があってから、本来メディアで当たらなかった角度にも日が当たるというか。昔は(『東大王』のMCだった)山里さんとヒロミさんがそこを担ってくれていたのが、本当にいろんな人が鶴崎の「これをやったらおもしろい」というレシピを共有してくれたので、今メディアで鶴崎を見てておもしろいなと思うところですね。「こうなんだよ、こういういじり方なんだよな!」みたいなのが、割といろんな芸人さんに共通している。これがいいなと思いますね。
鶴崎:クイズプレイヤーとして出ていくのが『東大王』ぐらいからあったんですけど、やっぱり賢い人っていうイメージがあるじゃないですか。その中でも『東大王』で、伊沢さんがめっちゃしゃべれるとか、僕はもうちょっと楽しいほうが好きとか、そういうところを見つけてもらった。『東大王』だったり、僕だったら『ラヴィット』、伊沢さんはほかの番組とかだったり。伊沢さんは、時々“うざいクイズ王役”みたいな…。
伊沢:(笑)
鶴崎:そういうのが確立していったのも最初からではなくて。ほっといてもしゃべらせとけばOKみたいになったのも伊沢さん。一緒に動画とか出るとき、伊沢さんが勝手にしゃべっていて、こっちも勝手なことをしゃべっていればOKという感じになったのはあるかもしれないですね。
伊沢:結局メディアでそういった立ち位置が取れるようになったのもQuizKnockという場所があるからで。QuizKnockはすさまじい数の本番をこなせる場なので、メディアにたまに呼ばれているだけとは成長速度が変わってくるわけですよね。キャラもできるし。それでフォロワーの方が付いてくれば、それが説得力になってテレビや別のメディアにもつながったりするので、普段から支えてくれている方のおかげでこれだけの場数をこなせたのかなと思いますね。だから10年前の動画はもう今は見なくていいんじゃないかなと思います。恥ずかしいしね。
東:(笑)見返してほしいですけど(笑)
伊沢:恥ずかしいよ(笑)
鶴崎:(うなずく)
伊沢:10年やってて、これだけチャンスをもらうとこんなに変わるんだなというのは改めてあるなと思います。

──いまだに見返したりはしないですか?さすがに。

伊沢:見返しますよ、怖いもの見たさで。
東:(笑)
鶴崎:怖いもの見たさだよね、完全に(笑)
伊沢:やっぱ怖いですもん。「こわー!」と思う。
鶴崎:一体こいつは何をしゃべっているんだみたいな。いま聞いてもぜんぜんわからないクイズでボタンを押して、なんかよく分かんないことをしゃべってる(笑)
伊沢:そう!「なんだっけこの動画?」みたいに、初期ってサムネでもあんまり分かんなかったりするから、久々に見返すと、見返した内容以上に自分のパフォーマンスが悪くて見てらんないというのがありますね。

──言さんは見られますか?過去の動画を。

東:特に最近、10周年プロジェクトでこの10年を振り返る機会も多かったので(過去の動画を見返してました)。先日「QuizKnock検定」という過去10年の歴史から問題が出るという大きなイベントとかもあって。それで見返すと、ああ、昔…(笑)
伊沢・鶴崎:(笑)
東:でも、動画のすべて…携わっている人、かけている時間も違いますから、動画全体のクオリティーも、今の方がめちゃくちゃ高い。
伊沢:異常に高い!
東:昔は本当に伊沢さんが1人で画面の中でしゃべっているという感じだったので。初期の伊沢さんって、今の僕と同じか…
伊沢:より若い。22歳のときに最初撮ってるからね。
東:そうですね。だから、伊沢さんにもこんな時代があったんだなと…(笑)
伊沢・鶴崎:(笑)
鶴崎:おもしろい。あれはおもしろい。おもしろいから見なくていい(笑)
伊沢:本当にボソボソしゃべってるよ、当時の自分。ビビるね、本当に(笑)あれはね、俺は本当見てほしくないかな~。
東:そういう伊沢さんが好きな方がたくさんいらっしゃいます。
伊沢:怖いよな~あれ、本当に怖い。

QuizKnockの写真
2026年10月2日に10周年を迎えるQuizKnock

|自然体が生んだNo.1ヒット動画

──動画の話も出ましたが、現在260万人超えの登録者の方がいらっしゃる中で、再生トップの動画は覚えてますか?

伊沢・東:『サマーウォーズの暗号、ガチで解けるかやってみた【RSA暗号】(※4/28現在、約1870万回再生)』ですね。
<<<動画はこちら>>>
伊沢:すごいよな!だってあんまりみんな出てないんだよ、この動画。
東:まさかのクイズじゃないっていう(笑)
鶴崎:僕と須貝さん(須貝駿貴)とふくらさん(ふくらP)だけが出ている。
伊沢:あれって3人で撮ってたもんね。俺らからすると、「なんか新しい動画出てるから見てみたらおもろー」って思ってたら、「こんな伸びるか!」みたいな(笑)なんならこれ、『サマーウォーズ』のテレビ放送があるから出したやつだよね。
鶴崎:そうそう、そうです。暗号のやつやろうぜって言って、ふくらさんが持ってきて振り回された。
伊沢:すごいね。かなりマーケティング的な視点で打ったやつかもしれない。
東:4年前なので、もうかなりそういう視点で動画作ってるなと感じますね。
鶴崎:結構自慢できる動画というか、まさに『楽しいから始まる学び』を体現している感じで。授業で使ってもらったりとかもあったのかな?
伊沢:うん。
鶴崎:そういう動画になれたというのは非常にうれしいことだなと思いますし、それが1番伸びているというのも非常にうれしいこと。自分が出ているというのもありますけど。
伊沢:この動画ってみんなすっごい自然!普段やってるんだもん、こういうこと(笑)
東:カメラ回してないけどホワイトボードでこういうことやってますよね(笑)
伊沢:これマジで自然で。QuizKnock初期の頃は、毎週飲み会をやっていたんですけど、こんな感じだったんですよね。狭いオフィスで飲んでたからホワイトボードがあって、当時はこんなことやりながら飲んでたんですよ。そのまんまだからこそ、これが伸びたというのはすごい健全なことだなと思います。だって1000万再生の動画、まだ6本しかないんだよ?俺ら。少な!
東:いやいや、そんなことない(笑)1000万回ってめちゃめちゃすごいですよ!
鶴崎:多いけど、バズってる動画は1000万回いったりするから。そういうのをたくさん持っているYouTuberさんはいるんだよね。
伊沢:同じ規模のYouTuberさんと比べても、俺らって1000万再生の動画が全然なくて!でも逆にそれでもこれだけ伸びたというのは、みんなの口コミのおかげだったりとかするのかなと思いますよね。同規模のYouTuberさんと比べても、俺らは平均的に再生数が出るタイプなので、それはいつも見てくれる人がいるからかなと思います。
鶴崎:なかではかなりバズったやつでしたね、『サマーウォーズ』とかは。
伊沢:ね。圧倒的No.1。だって2位の動画と700万回ぐらい違うんだよ。『サマーウォーズ』すげーわ。

──ちなみに撮影していて特に大変だった回はありますか?

鶴崎:『サマーウォーズ』は(撮影に)2時間ぐらいかかっていて長かったけど、でも実はやることが結構あったから。クイズって考えて止まっている時間、1時間後みたいなのもあったりするので、そういうのは大変だなと思いますけど、例えば、1週間対策する系でパラオの最高峰を答える問題とかありましたよね。
<<<動画はこちら>>>
伊沢:あれは大変そうだったね。
鶴崎:1週間対策するって大変なんですよ。なんかなげーって。
伊沢:常に頭から離れないんだよね、対策のことが(笑)
鶴崎:そうそうそうそう。僕は1週間対策の中だと、東大の入試数学の問題文を聞いて、何年の第何問って答えるやつが、1番つらかった。
<<<動画はこちら>>>
東:(笑)
伊沢:虚無だね~あれは。1番無意味なことしてる。
鶴崎:本当にタメにならない!(笑)ほかのやつは、身近な題材でちょっとおもしろい。ただ問題文と年を対応させるという、これはつらかった。解くわけでもなく。
東:解いている方がよっぽど楽しいですもんね。
伊沢:単純に現場できつかったやつでいくと、濁点と半濁点だけで早押しクイズをしている動画は、1問に40分とかかかっているんで。
<<<動画はこちら>>>
東:本当にどういうことなんでしょうか?濁点だけって…(笑)
伊沢:本当だよ!ソファに5人ギュッて並んだ状態で40分間解けない問題をずっと考えるという。あの収録、多分2時間ぐらいやってて。2時間ずっと全力で考えているので、あれはしんどかったかな。
鶴崎:昔の企画は特に、「いけたらおもしろい」でやったりするじゃないですか。平気で1時間とかかかるし、どれくらいヒントを出すかもあんまり確立していなくて。今はふくらさんが30分に1回ヒントを出すとかしたりするんですけど、何もないという(笑)
東:時間の長さで言うと、鶴崎さんも参加してましたけど、『1万分の1倍速クイズ』。30分に1文字出るという。
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鶴崎:あー!あったあった!あれ長かった~
伊沢:ひどい企画だよあれも(笑)
東:めっちゃ暇なんですよ(笑)
鶴崎:あれ暇だった~。暇な割にはほかのことをしているには時間が短いという。
東:しかもほかの人の回答も見ないといけないから、いかにほかの人を出し抜くかとか、いつご飯を食べればいいんだとか(笑)
伊沢:我々もオフィス労働者なので、普通に打ち合わせが途中で入ったりして。
鶴崎:そうそうそうそう。
東:それが不利になるみたいな(笑)それでいいのかという。
鶴崎:あれすごかったね~
伊沢:QuizKnockってほかのYouTuberの方みたいな身体的なつらさとかは追い求めてないんですけど、罰ゲームがなくても勝負ごとにガチだからすべてが成立する世界ではあるので、ある種負けるつらさが僕たちにとっては1番の動画のスパイスにはなっているのかなと。
鶴崎:5時間とかやって負けたら悲しいですからね(笑)
伊沢:そうだよ。1週間対策は負けると本当に腹が立つんだよな~
東:(うなずく)
鶴崎:1週間対策で空振りしたときのあの無駄感。負けてもいい正解が出せればいいんだけど、それがなかったときの悲しさはあるよね。
東:毎回悔しすぎて、終わったあとに対策問題の出し合いとかする。
伊沢:俺、杏さんとのコラボの『杏(あんず)クイズ』さ、あんずの里・千曲市まで行ったのに、全カットだったんだよ!対策が当たらなかったから(笑)
<<<動画はこちら>>>
東:すごい足運んでますよね(笑)
鶴崎:(笑)かわいそう(笑)
伊沢:トークのくだりにも特にならず、長野まで行って撮った映像めっちゃ入っているんだけど全カットだった!
東:どっかにあげてください(笑)
伊沢:でも、それはそれでいいというか、これこそがQuizKnockというか。やっぱり勝負に徹するし、動画として余計な要素は入れない。エンタメとしてのクオリティーを求めているので。それはある種、我々が我々らしくいるポイントなのかなとは思いますね。

──ボツになった企画とかも結構多かったり?

伊沢・東:ありますね。
鶴崎:撮ったけど出てない動画とかもあるはず。
東:今回「QuizKnock10周年記念展」で動画ができるまでの裏側をお見せする展示があるんですけど、これを見ると企画から撮影、編集、公開までの流れの中でいかに企画の段階でボツになっているかがわかると思います。 
伊沢:言はずっとそっちをやってたもんね。
東:最初は企画のアルバイトで入って、途中から出演するようになったので。
伊沢:僕はバイトの子たちとフットサルをよくするんですけど、半年企画が採用されてない子がいたりとか、それで悩んでいたりとか。僕は別に何の担当者でもないから、「そっかー、辛いなー」みたいな感じですけど、本当にいるんですよ。でも逆に言えば、そこはすごくこだわりを持って作っている部分かなとは思いますね。
東:あとはMCやるときに企画書を見るじゃないですか。企画書の上にいつ企画書が作成されたかが書いてあるんですけど、それが当たり前のように、2年前、3年前とか…。
伊沢:(笑)ほんとに。
東:企画から撮影までにめちゃくちゃ準備に時間がかかっている動画も結構あって。
伊沢:熟成肉みたいな感じの楽しみ方をしてます。
鶴崎:動画撮ったけどわざとだいぶあとに出しているみたいなのもありますよね。だから、「この動画そういえば撮ったな」「そういえば出してなかったんだ、これ」みたいな(笑)
東:ありますあります(笑)
伊沢:そうなんだよ!この間、「あれっこれまだ出してなかったんだ」みたいな半年前の動画がまだアップされてないの見つけたりとかした(笑)こんなのもいっぱいありますね。

10年後のQuizKnockへメッセージ

伊沢:『楽しいから始まる学び』がQuizKnockのコンセプトとして残っていたら、そしてそれが広がっていたらとてもうれしいかなと思ってます。でも10年後に『楽しいから始まる学び』が全世界に広がってコンプリートされて、また新しい目標を掲げてたりとか、より進化した形になってたら、それはそれでもっとうれしいと思っているので、『楽しいから始まる学び』そのものにも、そしてその先の進化にも我々自身期待しながら、ここから頑張っていきたいなと思います。

鶴崎修功、伊沢拓司、東言の写真
鶴崎修功、伊沢拓司、東言

『QuizKnock10周年記念展』
4月25日(土)より東京・愛知・兵庫・福岡・宮城の全国5都市で順次開催
【特設サイト】

文・写真:entax
過去写真・10周年QuizKnock写真:QuizKnock

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