今、沼る人続出の“コケワールド”!コケの神である苔師が厳選する春の鎌倉・コケのおすすめスポット3選

2026.4.30 11:45

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ヒロミと小泉孝太郎の2人がMCを務める『オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます』が4月25日に放送。今沼る人続出中の“コケ”。コケの神様の、聖地鎌倉のコケめぐりに密着した。

道行く人に“その人にとっての神様のような存在”を聞き、実際に会いに行くこの番組。神奈川・鎌倉で声をかけた、コケ専門店『苔むすび』の店員が挙げた“神”は、店の社長であり“コケ”のスペシャリストでもある園田純寛(すみひろ)さん。園田さんは大学院でコケの研究を続けてきた人物で、店員は「すっごい熱意のある方」とその魅力を語る。その職業は“苔師(こけし)”になるという。

苔師・園田純寛さんの写真
コケの神 苔師・園田純寛さん

実は日本は世界有数の“コケ大国”。世界に約2万種類あるコケのうち、世界の陸地の400分の1の面積しかない日本に、約2,000種類が生息していると言われる。これはヨーロッパ全土に自生するコケの種類数に匹敵するほどの多さだ。日本は年間を通して降水量が多く、湿度も高い。そして国土の約7割が山地のため、直射日光を避けられる日陰が豊富。こうした条件が、コケにとって理想的な環境をつくり出している。近年はコケを観察する“コケツアー”が各地で開催され、コケに癒しを求める“コケガール”も登場。気づけば沼にハマる人が続出しているという。そんな奥深いコケの世界で“神様”と呼ばれる存在とは——。

実はコケ大国の日本

コケの神様に会うため、スタッフは“神のコケ畑”がある静岡へ。そこで出迎えてくれたのは、コケ専門店『苔むすび』の社長・園田さん(42歳)。VTRを見ていたヒロミは、画面に映った神・園田さんの姿に思わず「えっ?こんな若いの?」と驚きの声。

テニスコート約11面分の神・園田さんのコケ畑

神・園田さんの活動拠点は鎌倉。鎌倉は三方を山に囲まれた地形のため、湿気が溜(た)まりやすく、コケが育ちやすい環境にあり、古くから神社や寺とともにコケの景観が愛され続けてきたという。鎌倉のコケの旬は3月から梅雨くらいということで、園田さんと鎌倉で“コケさんぽ”をすることに。

苔師・園田純寛さんの写真
コケの聖地・鎌倉のコケさんぽへ出発

最初に訪れたのは、鎌倉駅から車で約10分の場所にある『一条恵観山荘』。ここには、江戸時代の皇族・一条恵観(いちじょうえかん)が設計した、約380年前の茶屋が残されている。もともとは京都にあった建物だが、戦後に鎌倉へ移築されたという。現在は一般公開され貴重な茶室の内部も見学できるが、園田さんの目当てはもちろん“コケ”。この庭には30種類以上のコケが生えており、石畳の目地にまで広がる小さなコケも見逃さずに観察する。

コケがあるかないかで石畳の表情が変わるという

奥へ進んでいくと、園田さんがいう“絶景スポット”を発見。瓦を並べてつくられた小道の隙間に生えていたのは、春の訪れをいち早く知らせる“コバノチョウチンゴケ”。ちょうど新しい芽が出そろい、今がまさに見ごろだという。ルーペをのぞくと、1つ1つのコケがまるで別の生き物のように違う表情を見せ、遠目では分からない世界が広がる。地面すれすれのコケを観察するため、園田さんはほぼ這(は)いつくばる姿勢に。これを見た孝太郎は「鑑識みたい」とツッコミを入れ、スタジオが笑いに包まれた。体勢はつらくても、園田さんは「小宇宙がここにある」と深い一言。ヒロミも「このデート楽しいだろうな」と思わず感心した。

苔師・園田純寛さんの写真
地面にむしたコケを這いつくばってルーペで見る神

神・園田さんがコケに魅了された原点は、中学生のときに観た映画『もののけ姫』だった。「神秘的な雰囲気や風景が、なんでそんなに美しいんだろうって思ったときに、コケが生えていることが魅力につながった」と語り、背景画の世界観に強い衝撃を受けたという。その思いは止まらず、大学院ではコケと、コケと共生する生き物について研究を続けた。

卒業後は一旦コケとは異なる業界に就職したものの、コケへの情熱は消えず。「コケを仕事にしたら楽しいだろうと思って」と、ついに夢だった“コケの仕事”へと舵(かじ)を切る。現在の肩書は『苔師(こけし)』。園芸用のコケを育てて販売するだけでなく、ホテルやオフィスから依頼を受けてエントランスに展示するコケ作品を制作。さらに神社仏閣のコケ庭のメンテナンスまで手がける、まさに“コケに特化した専門家”だ。

苔師・園田純寛さんの写真
コケへの愛情があふれる神・園田さん

続いて訪れたのは、鎌倉最古の寺として知られる『杉本寺』。奈良時代に建立され、鎌倉時代に一度焼失したものの、当時の権力者・源頼朝が修理費を寄進したと伝えられる歴史ある寺院。ここで園田さんが注目したのは、春だからこそ見られるコケの姿『蒴(さく)』。コケは種ではなく胞子で増える植物で、繁殖期になると胞子の入った小さなカプセル『蒴』を伸ばし、そこから胞子を風に乗せて放出する。湿った場所に着地した胞子が少しずつ根付き、コケの世界が広がっていく。園田さんは「コケで季節の進行が感じられます。桜も良いけど、これ(蒴)も見頃です」と笑顔を見せる。

苔師・園田純寛さんの写真
『蒴』で春を感じる神・園田さん

寺の中を進んでいくと、杉本寺で最も有名なコケスポットにたどり着く。それが、しっとりとコケむした石段だ。園田さんは「門をくぐって階段がコケむしているだけで、なんでこんなに特別に見えるんだろうって。不思議じゃないですか」と目を輝かせる。実は、鎌倉でコケがよく育つのには気候以外にも理由がある。鎌倉周辺で採れた“鎌倉石”は、火山灰が固まってできた石で、気泡や隙間が多いのが特徴。水分を含みやすいためコケが根付きやすく、古くから寺院の階段や石垣に使われてきた。現在は採石が禁止されているものの、鎌倉のあちこちに残る鎌倉石が、今もなお“コケむした風情”を残している。

杉本寺のコケスポット

境内で迎えてくれたのは、杉本寺の住職・静川慈佑さん。通称“コケ住職”。実は杉本寺で働き始めた当初、住職はコケにまったく興味がなかったというが、3年前、あのコケむした階段に異変が起きた。杉の木が倒れたことで日当たりが変わり、日なたになった階段のコケが一気に減少してしまったのだ。コケを復活させようと階段に大量の土を敷いたものの、雑草が生えやすくなり、かえってコケが育ちにくい環境に。そこで白羽の矢が立ったのが、苔師である神・園田さん。コケが住みやすい環境づくりを1から見直し、3年間にわたってメンテナンスを続けた結果、階段は見事に現在の姿まで回復した。この出来事をきっかけに、住職は毎日コケのことばかり考えるようになり、すっかりコケの魅力にハマってしまったという。

苔師・園田純寛さんらの写真
神・園田さんとコケ住職こと静川住職

最後に訪れたのは、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主人公・北条義時のゆかりの地として話題になった『覚園寺(かくおんじ)』。境内は自然が大切に守られ、かつての鎌倉の面影を色濃く残す寺だと言われている。この寺でみるべきコケは“ジャゴケ”。触るとマツタケとカンキツ系のような香りがするという。スタッフも園田さんに促されて恐る恐る触って匂いをかいでみると、「確かに!」と香りを実感。蛇の鱗(うろこ)のような見た目から、“ジャゴケ”と名付けられたという。実は神、このジャゴケをレタス代わりにし、ハンバーガーを作って食べてみたことがあるという。コケは英語で“モス”というので、「ジャゴケを挟んでモスバーガーという形で食べたり…」と笑う園田さんだった。

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写真提供:(C)日テレ
文:entax編集部

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