クイズ王揃いの『QuizKnock』で伊沢拓司がいまなお“圧倒的知識力”を誇る理由とは「QuizKnockにいるからこそ謙虚でいられる」【10周年記念インタビュー前編】
クイズ王・伊沢拓司が中心となって運営する知的エンタメ集団『QuizKnock(クイズノック)』が、2026年10月2日に設立10周年を迎える。entaxでは、伊沢拓司、鶴崎修功、東言の3名に独自インタビュー。QuizKnockが迎えた転機、そして各々が思うお互いのすごさについて語ってもらった。
QuizKnockは、現在10周年の節目に向けて『QuizKnock10周年プロジェクト』を展開中。その一環として、4月25日(土)の東京を皮切りに愛知・兵庫・福岡・宮城の全国5都市で『QuizKnock10周年記念展』を順次開催。QuizKnockの歴史を振り返る展示に加え、QuizKnockのコンテンツ制作の裏側が見える展示やクイズ体験コーナー等も実施する。

|QuizKnockの転機は『楽しいから始まる学び』
──2026年10月2日でQuizKnockさん10周年、おめでとうございます。
伊沢・鶴崎・東:ありがとうございます!
──まず立ち上げメンバーの伊沢さん、10周年迎えられた今の率直なお気持ちを聞かせていただいてもいいですか。
伊沢:本当に10年経ったんだなという感慨と、あとは感謝ですよね。こんなどこのものとも知れないエンタメコンテンツを立ち上げたときに、最初から一緒にやってくれた人や、応援してくれた人、それに賭けてきた企業さん、みなさんのおかげです。応援することだってカンタンじゃない、時間やお金、気持ちを投じてくれているわけですし、だからこそ、この「QuizKnock10周年プロジェクト」を立ち上げました。感謝を届けて、未来への期待をつなぐ挑戦を続けていくというのを表明していきたいと思います。
──鶴崎さんも東さんも(QuizKnockが)10周年を迎えたお気持ちは?
鶴崎:僕はウェブライターとしては初期からいましたし、動画も途中から出ていますが、(10年は)意外とすぐ過ぎるものですね(笑)これを8回やると人生は終わってしまうということで。でも、これだけ長い間やれたのは非常にうれしく、ありがたいことですね。
東:10年前というと僕は中学3年生なので、そこから続いているということを考えると、とてつもなく長いなと思います。人間が時間を感じる体感時間は年を取るとどんどん短くなっていく、若い頃のほうが1年が長く感じるという『ジャネーの法則』があるんですけど。それでいうと、僕は動画出演メンバーの中では1番若いので、多分10年を1番長い時間として捉えていると思います。
伊沢:確かに(笑)
東:もちろんQuizKnockとしての期間は短いんですけど、10年は本当に長いなと感じています。
──QuizKnockが10周年を迎えて、世間的にも有名な集団だと思いますが、QuizKnockとしての転機はありましたか?
伊沢:1つはやはり『楽しいから始まる学び』というコンセプト、これが生まれた瞬間の2018年夏が転機になるのかなと思います。コンセプト自体の捉え方はメンバーごとに少し違うかもしれないけれど大きくはブレないので 、このコンセプトがあるからこそ、QuizKnockがどういうものを作るのかというのを世間にお約束できました。それまではどうしてもサークル的だったものが、社会と契約する企業の形になり、継続性を担保できるようになった。10年続くことを考えたときに、屋台骨が定まったというのは大きかったかなと思います。
──『楽しいから始まる学び』というコンセプトにしようと思ったきっかけは?
伊沢:これはファンの方のYouTubeへのコメントがきっかけです。YouTubeを始めて1年ちょっとのタイミングで、いろんな人が「QuizKnockを見て勉強をするようになった」とか、「今まで意味がわからなかったことがわかるようになった」とか ……ちょっとだけ学びに対してみんながポジティブになってくれたんですよね。多分最初は、学ぼうと思ってQuizKnockを見ていたわけではないのに、結果的に学びにつながっているから、これって『楽しいから始まる学び』だなと!そういった(学びの)入り口が世の中にあるのもいいなと思いました。僕たち自身、最初は楽しくてYouTubeをやっていたのが、次第に多くを学んでエンタメとして洗練させていったので、まさしくこれも『楽しいから始まる学び』ですね。常にファンの方々から視点をいただいています。
──ファンの方あってのQuizKnockという感じなんですね。
伊沢:まさしく今もそうで!昨日、福岡で講演をしていたんですけど、10周年の話をしたら客席から、QuizKnock10周年スペシャルブック『十字路』を掲げてくれた人がいて!講演会に本を持ってくる発想は僕にはなかったから驚いて!でもそれを1人が掲げたら、いろんなところから掲げてくれる人が現れて、ちょっとしたコミュニティーが生まれたりして。なんなら僕が事前に持ってきてくださいと言えばよかったくらい。令和のエンタメって、エンタメを受け取る側が新たな楽しさを見出して、それが広がっていくものが多いので……その講演はまさにそういう場になりましたし、これはQuizKnockの成長過程もそうかもな、と。あくまで主導権は我々が握っているけど、我々と見ている人とが共同で作ってQuizKnockというコミュニティーが成立しているので、そこも感謝です。
|全部をやろうとしていた10年前
──10年前を振り返ってみて、今と比べて初期との体制やメンバーとの距離感などの違いはありますか?
伊沢:明らかにノウハウが積み上がっています。今、(東)言が25歳?
東:まだ24歳です。
伊沢:まだ24歳か。(僕が)24歳のときはQuizKnockは2年目で、そのときって全然下手だったし、なんにも世の中のことがわかっていなかったけど、これだけ優れた若手が生まれてきている。これは本人たちの努力でもありますけど、そこまでの我々の積み上げや、スタッフたちの蓄積なので、そこが圧倒的に違うなというのは思いますね。やっぱり初期の動画を見ていると、初期衝動にあふれていたりとか、ネタ切れがない時代だからこそやれていたことはある一方で……荒い!パフォーマンスがめっちゃ荒い(笑)今の動画のほうが洗練されていて、多くの人に届く形をしているので、みんなの知恵がここに集まって本当に良かったなあと思いますね。
鶴崎:当時は学生だったので、QuizKnockに就職しないという選択肢もありました。特に最初の1年2年は(QuizKnockが)もし終わっても、そのときはそのときだなと思っていたので。それでもいいようにしようと思っていたんですけど、だんだん人が増えていくに従って結構しっかりしてきたなという感想は僕にもあって。最初の頃はなんでもしようとするというか、全体的に全部やろうという感じがあって。でも、これだけ大きくなったことで、動画編集に詳しい人がいるし、正しいかどうかを確認する校正・校閲専門の人もいるし、そういう意味でイベントもしっかりできるようになったし。この作業はこの人に任せようというふうに、信頼できるようになったところは良かったなと思います。

──言さんは、2021年頃の加入だと思いますが、加入当時と今のQuizKnockとで差は感じますか?
東:それで言うと、もはやないというか…僕が入った頃には、QuizKnockと運営の母体はすでにかなり大きな組織になっていたので、組織としてはあんまり感じなかったです。ただ、メンバーが人生を送ってきているので、4年、5年かけて(QuizKnockを)構成している人間が送った人生の分、構成要素がちょっとずつ変わっている。ただやはり組織としては当時からかなり今の状態だったのかなと感じています。
|「QuizKnockにいるからこそ謙虚でいられる」
──QuizKnock10周年ということで、3人それぞれが思うお互いの好きなところや、ここがすごいなと思うところは?
伊沢:シンプルにみんないろんなこと知ってる!知識がすごいって思うことはめちゃくちゃありますね。QuizKnockにいるからこそ謙虚でいられる部分がすごいあるというか、「うわっ、こいつクイズ強え!」というのは日々思ってますね(笑)
鶴崎:それでいうと、伊沢さんも今でもクイズ大会に出場していて、実力を保とうという動きがあって、それはすごいなと思いますね。
伊沢:鶴崎が主催の大会で、俺と言がベスト16まで行ったりとか。
東:もしかしたら(伊沢さんと)当たってたかも(笑)
伊沢:そうなんだよ!そのまま行けば次で当たってたんだけど、俺は負けて。負けた2分後に番組の会議に出るっていう(笑)
鶴崎:そうそうそうそう(笑)
伊沢:そん時は予定も切羽詰まってたし負けちゃうかなと思って会議入れちゃって後悔した……(笑)でもやっぱり、鶴崎は半年に1回大会を開催しているし、言と(東)問も毎年大会主催してたくさん出て、もちろん僕も今度大会のスタッフの仕事もあるし、出てもいるし、みたいな。みんなQuizKnockじゃなくてもクイズをしている。これはすてきだなというか、全然ぶれないよねというのがいいなと思います。

鶴崎:そうですね。それはやっぱ大事かなと思ってて。クイズをやるのは、東京大学クイズ研究会とかそういうところを出たことが生きているので、それのエッセンスみたいな。そして、ほかの人は知らない、テレビ番組と違うところもあるので、大事かなと思いますね。あと、伊沢さんに関しては、しゃべれるところ。一生しゃべっているので(笑)
伊沢:(笑)
鶴崎:本当にこっちから無理やり割り込まないといけないときがあるんですけど。
伊沢:確かに、永遠にしゃべれちゃう。
鶴崎:ほっとけばしゃべってくれるというのはいいことなんじゃないでしょうか。
伊沢:楽屋では一言もしゃべらないですけど(笑)
鶴崎:そう!楽屋では一言もしゃべってないですけどね。
伊沢:(笑)でも、みんなそれぞれのワールドがあるのがQuizKnockはすごい。鶴崎は数学で博士号を持っていて、その上で今も情報の勉強をしているし、言は入ってきて1年目からビジネスの領域に興味があったりとか、この間は高校に行って講演会をやったりとか、チャレンジもしている。自分の世界が起点としてあって、それを今広げようとしているというところに関しては、この2人は特にすごいかなと思います。勉強を続けるってそれはそれでしんどいことですからね。
東:伊沢さんのすごいところは…クイズができる人って世の中にたくさんいて、例えば表に出ていないだけで僕よりクイズが強い人は日本に何百人といるんですよ。そして伊沢さんより強い人もたくさんいる。
伊沢:いる。全然いる。
東:かつ、伊沢さんはテレビですごい活躍されているんですけど、芸能人の方だったらもっと露出されている方もたくさんいて。でもこの掛け算ってなると本当に伊沢さんは随一。しかも歴史的に見ても多分、ここの領域にいる人は今までいなかったんじゃないかなと僕は思っています。ここまで競技としてクイズをやっていて、かつメディアで活躍している人というのは、比類なき方だと。
伊沢:『オールスター感謝祭』がでかいね(笑)
鶴崎:『オールスター感謝祭』って連覇するもんじゃないからね(笑)
東:そういう企画じゃない…(笑)“祭り”なので(笑)
伊沢:そうなんだよ!なんでこうなってるのか自分ではあんまりわかってないんだけど、なんで俺祭りでずっと勝ってんのって話で(笑)おかしいことしてんのよ。
東:鶴崎さんのすごいところは…「QuizKnockって頭いいんでしょ」って思われているかもしれないんですけど、僕的には鶴崎さんが最もそういう意味で世間が思っている賢さを体現している人間だと思います。
伊沢:そうね~。
鶴崎:勉強は得意かもしれない。
東:そうなんですよ。いろんな賢さ、頭の良さがあるんですけど、QuizKnockの中で世間から期待されている点での賢さは誰が1番かって聞かれたら、僕は鶴崎さんなんじゃないかなと思いますね。
伊沢:圧倒的にセンター試験とか共通テストで点を取ってるもんな。
東:あと、僕的にただの好きなところですけど…。僕はゲームが大好きで、鶴崎さんも本当にずっとゲームをやっていて(笑)
鶴崎:確かに。ずっとゲームをやっているので、ゲーム歴は数学歴と同じぐらい、3歳ぐらいからやっているから。
東:じゃあ博士です(笑)
鶴崎:「博士(ゲーム)」の学位とか取れたのかもしれない(笑)友達とずっとゲームをやっていたんですけど、友達も強くなりたいタイプで、一緒に座学したりするのが好きでした。そういうのはゲーム王的な感じの育ち方をしたのかもしれないですね。
伊沢:どんなゲームをやっても強いのがすごいなと。全部のゲームに共通する基礎体力というか、ゲームリベラルアーツ的なものがあるのかなと思って。
東:運動神経みたいなものですよね。
鶴崎:あると思いますよ。ゲームのコツというか、こういうゲームはこうやったら大体クリアできるでしょみたいな、そういうのを見抜くのは得意かもしれないですね。
伊沢:それをすごい感じる!どんなゲームをやっても俺らは基本的に鶴崎が強い前提でやるから。
東:そうなんですよ。そのせいでよく狙われて負けちゃったりするんですけどね(笑)ゲームって遊びのイメージがありますけど、言ってしまえばクイズとか学校の勉強とかもルールがあって、どうやったら攻略できるか、そのために努力する、みたいな構造はゲームと同じなので、そういうのが得意なのはすごいなと思います。

|10周年を迎えたQuizKnockのこれからの目標は?
伊沢:あくまで10周年は多くの方に感謝を伝えて、未来に向けての挑戦、その期待を高めていきたいなと思います。すべてに共通しているのは、『楽しいから始まる学び』を広げるということだと思うので、今まで届かなかった人にも新しい手段で届くように、我々も進化をしていきたいなと思います。僕自身、QuizKnockの目標と自分の目標が一緒になっちゃっているところはあると思うんですけど、まだまだリーチできてないところがあるなと。ビジネスの展示会とかに行くと、年上の方はQuizKnockのことを知らないことも多いなとすごく感じます。そうなったときにやはり日々のクオリティーを高めて、いろんな幅を取れるように自分の才能を増やしていきたいなと思っています。全打席ホームランは打てないけど、目の前のことをやってちょっとずつ蓄積していけば、ふとしたいい球でホームランが打てる 、その回数がだんだんと増えていくはずなので、それを信じて日々練習することを頑張りたいなと思っています。
鶴崎:10年間、楽しんでくださっているということは非常にありがたいことで、僕も楽しませるような動画にしたいなと思っています。だから、僕も楽しむことでみなさんも楽しむ、みなさんも楽しむことで僕も楽しむみたいな関係をもっと作っていければと思います。今後、勉強や大学から離れて何年も経っていることで、自分が得意なこともできなくなってくるかもしれない。でもそこに期待もあるかもしれないので、そういうところをなまらないようにしつつ、常に新しいことを考えて楽しんでいただけるように、10年、11年、20年とやっていきたいなと思います。
東:残るものを今後もどんどん作っていきたいなと思っています。10周年に向けて、いろんな施策があるんですけど、これは今までQuizKnockがこの10年間で蓄積して残してきたもの、“レガシー”だと思うんですよね。その上に立って我々は今活動している。過去の10年がなくて、今いきなりQuizKnockがポンって出てきたら全然見向きもされないと思うので、今後も積み上げ続けてきた10年間にあぐらをかくのではなく、さらに残るものをどんどん作っていきたいです。今は動画というコンテンツがメインですけど、我々が作った形のある動画や本などだけではなくて、見てくれた視聴者さんの中に知識や記憶、考え方とかがどんどん残っていったらうれしいです。
|『QuizKnock 10周年記念展』の見どころは?
伊沢:マニアックにQuizKnockのことを好きな人から最近知った人、そして最近知った人に連れてこられちゃった人まで(笑)いろんな人が楽しめる展示がいっぱいあると思います。今までの動画を題材にしつつも、画面越しでは伝わらない体験がいっぱいあると思うので、新鮮な追体験をもたらせるのがこの記念展なのかなと。エンタメとして楽しみに来ていただければ、十分それにお応えできるかなと思っています。
鶴崎:一度、YouTubeで動画ができるまでというのを出しましたけれども、どうやったらおもしろいものになるかと考えている人がたくさんいます。そういうところが見られる楽しい機会になっていると思うので、そこを期待してほしいです。
東:直接その場で体験できるクイズとか、参加できる楽しいものもたくさん用意していますので、1人で行ってQuizKnockメンバーと勝負するもよし、お友達と行って競っていただくもよし、いろんな形で記念展を楽しんでいただきたいなと思います。
伊沢:記念展でもオウムのお面とか飾ってあるから(笑)
東:QuizKnockはおもしろいものを結構残してあるので(笑)
鶴崎:ありえない、なんでこんなもん持ってたんだというのが残ってたりとかする(笑)
伊沢:残っててよかったなと思うよね。くだらないと思うものとかがいっぱい飾ってあったりもするので、そういうのも楽しんでいただけたらなと思います。

『QuizKnock10周年記念展』
4月25日(土)より東京・愛知・兵庫・福岡・宮城の全国5都市で順次開催
【特設サイト】

